災害時の対応における教会員の役割について話すバートンビショップ

提供者: メリッサ・メリル,教会のニュースと出来事

  • 2011年9月17日
 

「もしわたしたちがイエス・キリストの良い弟子ならば,主がここにおられたらなさることをするでしょう。つまり人々に…手を差し伸べ,愛を示し,助けを与えるでしょう。」――教会管理ビショップ,H・デビッド・バートン

見出しは類似しています。地震。津波。洪水。ハリケーン。火災。竜巻。火山噴火。(最近の災害時における教会人道支援について読む。)

いつの時代の預言者も,また救い主御自身も末日における困難について警告してきました(例マタイ24章,モルモン8章教義と聖約45章ジョセフ・スミス訳マタイ1章を参照。)

このような時代に生きる末日聖徒は,自分たちや隣人がそのような災難に遭うときどのように行動すべきでしょうか。教会管理ビショップのH・デビッド・バートンビショップは,災害時の対応と試練のさなかに目的を見いだすことの両方について勧告を示しました。

「ここに来る前,わたしたちは試練,困難,いろいろな経験をする〔地上の生活は〕容易ではないと言われました」とバートンビショップは教会のニュースと出来事のインタビューで語りました。「自然災害から立ち直ることは人生経験の一部だと思います。災難に遭ったとき,わたしたちはどのように対処すればよいでしょうか。永遠を視野に入れて人生の性質について考えるのは,大きな学習過程の一部です。」

災害への対処

大管長会,十二使徒定員会,管理ビショップリック,中央扶助協会会長会で構成される教会中央福祉委員会は教会の中央レベルで災害救助の責任を負っている,とバートンビショップは説明しました。この委員会は,地元の神権指導者にとって一番実現しやすい方法でリソースを提供するために問題について話し合い,霊感を求めるため集まります。

「教会のリソースを整備するとき,わたしたちは霊感によって,地元の神権指導者が最も入手しやすく,最も有効活用できる場所にリソースを配置します」と彼は語りました。

そして,それは――地元レベルでは――「防御の最前線」となって災害救援を担うのです。

「災害時の『教会』の援助について話すとき,わたしたちはまさに〔教会の〕人々について話しています。それは皆さんのワード周辺の地元の友人や隣人のことです」と彼は話しました。「災害が大きい場合は,その対処は教会のステークまたは地域を巻き込んだものとなります。

わたしたちの対策は常時,地元の神権指導者が地元レベルの必要を満たすというものでした。その必要は教会組織に要請するあらゆる援助です」とバートンビショップは続けます。これは個人の衛生または清掃用品などが含まれます。教会は,人々が各家庭から避難した場合のためにそれを収集し,備蓄しています。

神権の鍵は救援活動を実行するうえで重要な役割を果たします,とバートンビショップは言います。

「神権の鍵は,〔地元の神権指導者が〕会員を助ける際の諸事を指揮するとき,霊感を受ける権利を与えます。…ご存知の通り,わたしたちは近代的で便利な電子機器を持っています。〔しかし〕災害時にはそのような機器は使用できず,あまり頼ることが出来なくなることがあるとわかっています。わたしたちのビショップ,ステーク会長,その他の指導者は天父から霊感を受け,地元レベルで要請があれば指示を与えます」とバートンビショップは語ります。

このような例は,5月22日のアメリカ合衆国ミズーリ州ジョプリンでの竜巻のあと起こりました。

竜巻が起きた日の次の朝,ジョプリン第一ワードのクリス・ホフマンビショップは,被害の状況を把握し,援助活動を行うためワードの何人かの兄弟と町の中心部に集まりました。しかしどこから始めてよいのか,最初にだれを訪問すればよいのか分かりませんでした。電子通信機器は使えなかったので,一同は祈ることにしました。「答えを受けました」とホフマンビショップは言います。「いつもそうでした。これからもそうです。」

他の例では,聖徒たちが仙台の地震の中心部にいた日本のビショップは,ワードの会員の安否をどのように確認していいかわかりませんでした。ガソリンは容易に入手できず,道路は混雑していました。しかしながら,このビショップは「バイクに乗って彼の群れのすべての会員と会い,見つけ出すという責任を果たすことができました」とバートンビショップは語りました。

災害の意味を見いだす

この同じ神権指導者はまた,ワードの会員がお互いに助け合うよう励ますことにおいても,とても効果的に働きました,とバートンビショップは語ります。結果的に,ワードは地震の前よりもさらに親密になりました。

「逆境から計り知れない恩恵を受けることに疑う余地はありません」と,バートンビショップは言います。「何十年もの間に気付いたこの恩恵の一つは,逆境は人々のきずなを深めるということです。――おそらく他ではあり得ないような方法で,ワード,ステーク,地域のきずなを深めます。

「だからといって,わたしの言っていることを誤解しないでください。きずなを深めるために災害に遭うべきだと言っているわけではありません。そうではなく,わたしたちが助け合って皆が兄弟姉妹だと気付くとき,災害は特別な気持ちをもたらすと言っているのです。そのきずなが深まる過程はすばらしい『副産物』です。」

それは2011年6月,深刻な洪水に見舞われたアメリカ合衆国ノーズダコタ州の教会員や地域の人々にとってもそうでした。

「『乗り越えられる』という士気だけでした」と二つの被害地域のうちのひとつ,ミノー第一ワードのジェニール・ウィリアムズは言います。「人々がトラックやトレーラーを使ってあちらこちらで働き,助け合って〔いました〕。」

バートンビショップはまた,2011年夏の洪水から家や土地を守るため一致団結した合衆国ロッキー山脈地域の人々についても引用しました。また,フィリピンの人々についてもふれました。そこは台風から地震,火山噴火まで「多くの災害」が頻繁に「起こる地域」です。

「この驚くべきフィリピンの人々は,互いに助け合うことを学んで生き残り,これらの災害から復興しようとする一方で,お互いが一致することの利点について理解しています」とバートンビショップは言います。

しかし災害に直接見まわれた人々だけが,手を差し伸べるという祝福を与えられるのではありません。バートンビショップは,仙台の地震の「ニュースが流れるや否や」,現地の人々を助けるにはどうしたらよいかと考え始めた日本各地のワードについて報告を受けました。

「ビショップたちは,助けたいという霊的な気持ちと,その気持ちが助けを与えた人々の人生に与えた影響について報告しました。それは助けを受けた人たちと同様でした」と語ります。

2007年ペルーの地震でも似たようなことがありました。バートンビショップは,その地域じゅうの定員会と扶助協会が,人々の家を再建するのを助けるために働いたことを思い起こしました。

「最初はお互いを知らなかったのですが,建物の土台を掘り起こすために手に豆を〔作り〕,人々の復興を助けるために必要なことを〔行って〕,強い友情のきずなができました」とバートンビショップは言います。

普通の教会員が「いろいろな方法で」,その地域で起こった災害に対処することができると強調しました。

「たしかに最初に思いつくのは物理的な労働です」とバートンビショップは言います。「物理的な労働はどの災害においても事実上欠かせないものです。片付けるべきもの。助けが必要な人々。修理の必要な屋根。危機的なものも無数にあります。教会員は神権指導者の組織した方法で,奉仕の精神にのっとって自主的に対処することができます。

衝撃的な状況を経験した人々の話に,ただただ耳を傾けてあげるということも,また広く必要とされています。「わたしたちが学んだことの一つは…事実上すべてを失くした人々にとって,心の機微を語ったり,打ち明ける相手がいることがいかに大切かということです。それには忍耐と寛容が必要ですが,立ち直る過程には重要なことであると学びました。」

物理的な労働やそこに行くことを求められていない場所に住んでいる人は,他のリソースを提供することで助けることができます。教会人道支援基金(既定の献金用紙を使って寄付できる)への寄付は,非常に良い方法であるとバートンビショップは言います。「わたしたちは――1ドルをここに,5ドルをあそこにというように――余剰現金を使う機会があります。何百万人の末日聖徒がそうするなら大きな金額になります。このお金は教会のリソースとして,災害やその他の人道支援に使われます。」

「災害は,おそらく受ける人よりも与える人の救いにとって大切です」と彼は続けます。「もしわたしたちがイエス・キリストの良い弟子であるなら,主がここにいらっしゃったらなさるであろうことをするでしょう。それは人々に手を差し伸べ,愛し,助けを与えることです。」

バートンビショップは,多くの末日聖徒が忠実に,救い主の足跡に従い,兄弟姉妹に手を差し伸べていることを知っており,感謝していると述べました。

「世界中の何百万人もの人々が,教会が成し遂げようとしているこの人道支援活動に自主的に参加し,基金の面だけでなく時間や関心という面においても寛容であることに感謝しています。わたしは,――お互いを思いやるという――天父の業を行ってくださる人々に心から感謝したいと思います。」