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キリストの教義と福音に従う

M・ラッセル・バラード長老
十二使徒定員会


M・ラッセル・バラード長老,  “キリストの教義と福音に従う,”  Nov 2010

ヤングアダルト対象のCESファイヤサイド・2009年11月1日・ブリガム・ヤング大学

この上なく善良な世界中の若い男女である皆さんが一堂に会しているこの光景は実に見事です。皆さんには回復されたイエス・キリストの福音があります。この福音は邪悪の一途をたどる今日の世の中にあって信仰の歩みを導いてくれるものです。ここマリオットセンターと,世界中の会場に集まっている皆さんと同席していることをバラード姉妹とともに喜んでいます。ポッドキャストやその他先進技術を駆使した電子機器で視聴している人もいることでしょう。今晩,皆さんがどこにいるかにかかわらず,お話できることを感謝し,主がともにいてくださって,この話が皆さん一人一人の現在の生活に役立つものとなるよう祈っています。

美しい音楽を演奏してくださったローガンインスティテュート聖歌隊の皆さん,そして特に,トーマス・ミューレン会長に感謝しています。彼は昔,カナダ・トロント伝道部でわたしとバラード姉妹とともに奉仕したすばらしい宣教師の一人でした。

「おお,悪しき者のあの狡猾な策謀よ」

今晩わたしは,先日の総大会でお話した内容のフォローアップをしたいと思います。総大会を視聴した皆さんが,教会の中央幹部と中央役員から受けた勧めを心にとどめ,実践しているよう願っています。わたしの話ではわたしたちをつかまえて,恐ろしく悲惨な自分の世界へたぐり寄せるためにサタンが用いているわなを,釣り人が使う擬似餌にたとえました。

大会の数日後にチャイトン・スナイダーというすばらしい少年から手紙を受け取りました。彼は11歳です。彼は話を聴いて,今スクリーンに映し出されている絵と次のような感想を書いてきました。「擬似餌で魚をたぐり寄せる釣り人は,依存症によってぼくたちを引き寄せるサタンを象徴しています。釣り人が岸に引き上げようとする瞬間に,魚は水中に戻ろうとして大きく跳ねます。その跳ねる動作は,ぼくたちが安全な小川つまり福音に戻ろうとして,もがく様子を表していると思います。けれども,それらの依存症から抜け出すには天のお父様とイエス・キリストの助けが必要です。」1

ありがとう,チャイトン。見事にまとめてくれました。わたしの話から引用したいと思います。

「マスが空腹に駆られて行動することを知っている釣り人と同じように,ルシフェルもわたしたちの『空腹』や弱さを知っていて,疑似餌を使って誘惑します。そして,わたしたちが餌にかかると,人生という小川から釣り上げ,自分の冷酷な影響下に置いてしまうのです。捕まえた魚をそのまま水に戻してやる釣り人と違って,ルシフェルは獲物を進んで逃がすようなことはしません。彼の目標は,犠牲者を自分と同じように惨めにすることなのです。」2

イエス・キリストの福音の持つ分かりやすさを失わない

主の助けによって,非常に大切な原則を教えることができるよう祈っています。その原則とは「イエス・キリストの福音の持つ分かりやすさを失わないこと」です。使徒パウロも当時同じことを気にかけて,こう言いました。「ただ恐れるのは,エバがへび〔悪魔〕の悪巧みで誘惑されたように,あなたがたの思いが汚されて,キリスト〔の持つ分かりやすさ〕を失いはしないかということである。」(2コリント11:3

預言者ニーファイはモルモン書の中で,次のような非常に分かりやすい言葉でキリストの教義と福音を説明しています。ニーファイ第2書31章からそれを引用します。

  • • 「わたしは,分かりやすいことを喜びとする。」(3節

  • • 「進んで御父の戒めに従わないで,わたしたちはイエスに従うことができるだろうか。」(10節)

  • • 「御父は言われた。『悔い改めよ。悔い改めよ。わたしの愛する子の名によってバプテスマを受けよ。』」(11節

  • • 「父は,わたしの名によってバプテスマを受ける者に,聖霊を授けてくださる。」(12節

  • • 「わたしはまた,御父がこう言われる声を聞いた。『まことに,わたしの愛する者の言葉は真実であり,確かである。最後まで堪え忍ぶ者は救われる。』」(15節

  • • 「もしキリストを信じる確固とした信仰をもってキリストの言葉に従〔わ〕……なかったならば,あなたがたは,ここまで進んで来ることさえできなかったからである。」(19節

  • • 「さて,わたしの愛する同胞よ,……このほかには人を神の王国に救う道も名も天下に与えられていない。」(21節

  • •  見よ,これがキリストの教義であ」る。(21節

預言者ジョセフ・スミスは信仰箇条第4条の中で福音の第一の原則と儀式とは「第一に主イエス・キリストを信じる信仰,第二に悔い改め,第三に罪の赦しのために水に沈めるバプテスマ,第四に聖霊の賜物を授けるための按手」であると定義しました。

今晩わたしは,キリストの教義と福音に焦点を絞ってお話したいと思います。愛する若人の皆さん,現在の世の中には福音の原則と真っ向から対立する事柄がたくさん見られます。皆さんはキリストの教義を知り,生涯を通じて教えに従い,教えを擁護しなければなりません。

十分な時間を主にささげる

何年も前,わたしの宣教師の一人が会いに来て,こう言いました。「会長,わたしは証を失いそうです。わたしには幾つかの疑問があるのですが,だれも答えてくれません。ビショップもステーク会長も,そんなことは忘れなさいと言うだけで答えてくれません。」

わたしは彼に疑問点を書き出すように言い,それから「10日後にもう一度来なさい。疑問の一つ一つに答えてあげるから」と言いました。

彼がわたしの部屋を出ようとしたとき,わたしは次のように尋ねなさいという導きを受けました。「長老,聖典を最後に読んでからどのくらい経ちますか。」

もう随分読んでいないということだったので,こう言いました。

「きみはわたしに宿題を出したんだから,わたしもきみに宿題を出してもいいかな。きみが答えを聞きに戻って来るまで,毎日少なくとも1時間聖典を読んでください。」

彼は承諾しました。

彼が戻って来たとき,わたしは用意ができていました。しかし彼はこう言いました。「会長,もう答えは要りません。モルモン書が真実であることもジョセフ・スミスが預言者であることも分かりましたから。だからもういいんです。」

わたしはこう返事しました。「とにかく,質問への答えを聞いて行きたまえ。苦労して調べたんだから。話し合うことになっていたのは,どれもモルモンに反対する人がよく尋ねる質問でした。」

話し合いの後,わたしはこう尋ねました。「長老,あなたはこの経験から何を学びましたか?」

彼の返事は,とても意義深いものでした。「会長,導きを得るには,十分な時間を主にささげなければならないということです。」

それでは,これから皆さんと,キリストの基本的な教義と福音について復習してみましょう。

教義の原則 1:主イエス・キリストを信じる信仰

教義の第1の原則は主イエス・キリストを信じる信仰です。キリストを信じる信仰には,キリストが神の独り子であり,世の救い主,贖い主であることを固く信じることが含まれます。〔わたしたちの教義では,〕わたしたちが戻って天の御父と住むには御子の慈しみと憐れみに頼らなければならないと教えられています。キリストを信じる信仰を持つとき,わたしたちは主の贖罪と教えを受け入れて自分に当てはめ, 主と主の言葉に信頼を寄せます。主が御自身の約束を果たす力を持っておられることを知っています。天の御父は,信仰をもって御子に従う人を祝福してくださいます。

「わたしたちはキリストを信じています。わたしたちは,主がすべての戒めを守るよう望んでおられると信じています。わたしたちは,主に従うことで,信仰を示したいと望んでいます。……

イエス・キリストを信じる信仰を通して,御父は肉体的にも霊的にも,わたしたちを癒してくださいます。」3

愛する若い友人の皆さん,少し時間を割いて,主イエス・キリストに対する自分自身の信仰をよく見つめてください。幾つかの質問をしますのでよく考えてください。

  • 1. あなたは自分の生活の向いている方向,主イエス・キリストへの信仰の深さに満足していますか。

  • 2. 主がルカによる福音書第10章で律法学者に教えられたように,心をつくし,精神をつくし,力をつくし,思いをつくして,神を愛していますか。(27節参照)

  • 3. 日常生活で次のような簡単なことを実行していますか。

    • a. 言葉に出して祈っていますか。

    • b. 毎日聖典を読んでいますか。

    • c. 適切な言葉を使っていますか。

    • d. 正直ですか。

    • e. 知恵の言葉を守っていますか。

  • 4. 周囲の人々に対して親切であって,彼らの必要を思いやっていますか。

  • 5. 前回の大会で中央幹部はどのような種類のポルノグラフィーも完全に避けるようにと勧告しました。その勧告に従っていますか。

    キリストに対するまことの信仰を持っていれば,ポルノグラフィーがわたしたちの生活の中に入り込むことはありません。心から申し上げます。もし皆さんの生活にこれらの問題があるなら,それを遠ざけてください。

  • 6. 神殿推薦状を受けるにふさわしく生活していますか。

  • 7. 日曜日の集会,特に聖餐会に熱心に出席して,ふさわしく聖餐にあずかり,主との聖約を新たにしていますか。

  • 8. 今日わたしの話を聞いている帰還宣教師は,服装と行いにおいて主イエス・キリストの僕としての威厳を持ち続けていますか。

  • 9. 永遠の伴侶を見つけるために準備し,そのために積極的に努力していますか。

    この質問について今晩の残りの時間をすべて費やすこともできますが,皆さんは,わたしたちが「ハンギングアウト」つまりグループでぶらつくことを勧めていないことを理解していると思います。理解していないようでしたら,今晩自覚してください。若者言葉で言えば,「即,やめてください。」代わりにわたしたちは,適切なデートを勧めます。それは,男性が女性にデートを申し込み,一緒に有意義な時間を過ごすことです。あなたは主を愛し,主の聖なる御名を尊ぶ伴侶を本気で探しているでしょうか。

  • 10. 既婚者の皆さんは,夫婦の関係を引き続き築き上げ,強めるために,定期的にデートの夕べを持っていますか。

このリストに挙げるべき事項はほかにもありますが, キリストに従うために最善を尽くしているなら,これらの質問に力強く「はい」と答えることができます。

主イエス・キリストに対する個人の信仰についてこれまで検討してきましたが,自分の望んでいないことが現在の生活の中に入り込んでいないでしょうか。もし,主イエス・キリストを心から信じる状態と相容れないものが心の中にあるとしたら,それを修正する方法を教えましょう。

教義の原則 2:悔い改め

悔い改めは福音の教義の第2の原則です。「キリストへの信仰とキリストを愛する気持ちは悔い改めへと導いてくれます。御心にかなわない思い,信念,行動を改めることです。わたしたちは悔い改めると,神の御心に添った悲しみを覚えて,悪い行いをやめ,正しいことを行うために努力するようになります。

「心からの悔い改めは,様々な結果をもたらします。わたしたちは生活の中に,神の赦しと平安を感じます。罪悪感や悲しみは消え去ります。」4

兄弟姉妹,心から悔い改めるならば,イエス・キリストの福音は過ちから逃れる方法を教えてくれることに心から感謝しましょう。悔い改める力を身につけないままでいると,ささいな習慣が依存症につながることがしばしばあるのです。だれでも依存症というわなを簡単に避けることができます。習慣性のある物質や行為に近寄らなければよいのです。若い友人の皆さん,わたしたちは皆,確かに,サタンとその手先の標的となっているのです。サタンは,心から主に献身するというわたしたちの決意を揺るがせ,放棄させるためにあらゆるわなと戦略を駆使することでしょう。

教義の原則 3:バプテスマ

福音の教義の第3の原則はバプテスマです。わたしの声を聞いているほとんどすべての人はこの原則にかかわっています。罪の赦しのために水に沈めるバプテスマは,実にすばらしいものです。これはわたしたちが主イエス・キリストおよび天の御父と交わす最初の聖約です。バプテスマは一つの儀式であり,すなわち「わたしたちが神と聖約を交わしたことを示す,神聖な礼式または祭式です。神は,聖約を交わすことを,いつも御自身の子供たちに求めてこられました。聖約とは神と人との間で交わす,拘束力のある厳粛な取り決めです。神はわたしたちを祝福することを約束されます。わたしたちは神に従うことを約束します。……聖約を守るなら,この世で祝福を受け,次の世で昇栄することができます。」5

キリストは自らバプテスマを受けることによって模範を示されたことを忘れてはなりません。そして,わたしたちは毎週聖餐を受ける特権を与えられています。「聖餐を取ることで,いつも御霊を受けるためにふさわしくあることができます。聖餐を受けることで,毎週聖約について思い出すことができます。」6また,主イエス・キリストへの信仰と信頼を築く助けになります。

教義の原則 4:聖霊の賜物

教義の第4の原則は聖霊の賜物です。「イエスは,水によるバプテスマと御霊によるバプテスマを受けなければならないと教えられました。水によるバプテスマを受けた後で,聖霊によるによるバプテスマを受けなければ不完全です。バプテスマと聖霊の賜物を受けて初めて,わたしたちは罪の赦しを受け,霊的に生まれ変わるのです。……

聖霊はキリストについて証し,わたしたちが真理を見分けられるように助けてくださいます。また,霊的な力を与え,正しい行いができるように助けてくださいます。試練や悲しみの時には,慰めてくださいます。霊的,または肉体的な危険があるときは警告してくださいます。……わたしたちは聖霊の力を通して,神の愛と導きを感じます。この賜物を通して,わたしたちは永遠の喜びと,約束された永遠の命の一部をこの世で味わうことができます。」7

教義の原則 5:最後まで堪え忍ぶ

最後となる,教義の第5の原則です。わたしたちは最後まで堪え忍ばなければなりません。「イエス・キリストを信じる信仰,悔い改め,バプテスマの儀式と〔聖霊を受けること〕を通して細くて狭い道に入ったわたしたちは,道にとどまるために最善を尽くさなければなりません。」8

昔,信仰深い90歳代のステーク祝福師が断食証会で皆の前に立って話した次の言葉がいつまでもわたしの心に残っています。「わたしは燃えるような証を抱いたまま安らかな死を迎えられるよう毎晩祈っています。」

わたしは彼にこう言いました。「兄弟,わたしの知っている人たちの中でも,特にあなたはそんなことで心配する必要などありませんよ。」

すると彼は,少し離れていたわたしのコートのえりをつかんでぐいっと引き寄せると,わたしの目をじっと見てこう言ったのです。「ぼうや。」当時わたしは結婚して,子供が二人いました。「ぼうや。最後の最後まで安心できる人はいないよ。」

わたしたちも最後まで忠実でいることができますように。

このようにすれば,キリストを信じる信仰についての教え,悔い改め,聖約を交わし,新たにして,守ること,そして御霊の導きを受けることが生活の一部となるでしょう。これらの教義の原則によって日常の行動が形作られ,支配されます。

イエス・キリストの福音は,前世と永遠の命の間に架けられた橋である

帰還宣教師の方はこう考えていることでしょう。「バラード長老は『わたしの福音を宣べ伝えなさい』からこの教義を引用しているのだ。」皆さんがこれらの引用を心に留め,生活の中で自分のものとしていたら,それはすばらしいことです。まだ伝道経験のない若い男性と女性に申し上げます。自分用の『わたしの福音を宣べ伝えなさい』を手に入れてください。3章の「イエス・キリストの福音」を研究してください。サタンの擬似餌に迷わされず,永遠の命に通じる道から引き離されないようにするための段階が,今晩わたしが話したよりも極めて明確にまた詳しく説明されています。

イエス・キリストの福音は何と分かりやすいことでしょうか。御父と御子の御前に戻る道としてほかならぬ神によって定められた道にとどまることは何と大切なことでしょうか。福音は幸福の計画であり,分かりやすくて麗しいものです。

福音の第一原則は前世と永遠の命の間に架けられた橋のようなものであることを説明しましょう。わたしが左手を挙げたら,それは前世を表し,右手を挙げたら,それは永遠の命を表します。この二つの間に架けられている橋がイエス・キリストの福音と教義です。わたしたちは福音の原則を知り,従うために前世からやってきました。わたしたちは今この地上に来て,神のみもとに帰る道を歩もうとしています。そのためには理解と従順が必要です。忠実でふさわしい子らのために御父が用意しておられるすべての祝福を受けるために,福音に従って生活するよう努力するのです。

イエス御自身がこう言われました。

「さて,戒めは次のとおりである。地の果てに至るすべての者よ,悔い改めて,わたしのもとに来て,わたしの名によってバプテスマを受けなさい。そうすれば,あなたがたは聖霊を受けて聖められ,終わりの日にわたしの前に染みのない状態で立てるであろう。

まことに,まことに,あなたがたに言う。以上がわたしの福音である。あなたがたは,わたしの教会で行わなければならないことを知っている。」(3ニーファイ17:20-21

皆さんには待ち望むべき大いなる未来がある

もう一度皆さんの生活について考えてください。どのような生活をしていますか。福音の教えから迷い出てサタンの影響下に置かれるような要素はありませんか。十分な時間を主にささげていますか。皆さんは先進技術に囲まれた世界にいて,電子化された情報,娯楽,ソーシャル・ネットワークなどを家のコンピューター,アイパッドやアイフォンなどから容易にアクセスすることができます。以前の世代ではこれほど多くの先進技術を手軽に入手することはできませんでした。フェイスブックやその他のネットワークから世界中の友達と連絡を取り合うことができます。これらはすばらしい道具ですが,絶えず触れていなければいられない依存症になるほど,科学技術の利用に時間を奪われないよう警告します。基本的で,貴重で,永遠のものを奪われないようにこれらの利用を制限する必要があります。

毎晩のニュースを見たり,新聞を読んだりすれば,世界が大きな悩みを抱えていることがすぐに分かります。様々な地域で地震やハリケーン,竜巻が起きています。戦争や戦争のうわさがあります。飢饉,苦悩,殺人,そして様々な暴力行為は言うまでもなく,大量虐殺さえ起きています。

現在の世の中を考えると,未来に向けて努力する価値がないと考えている人がいるかもしれません。わたしが13歳だった1941年12月7日の日曜日,神権会から帰って来ると,日本が真珠湾を攻撃したことを両親から聞かされました。これがきっかけとなって合衆国は,ヨーロッパで勃発してすでに2年を過ぎていた世界大戦に参戦しました。これまでのように,間もなく終戦を迎えるだろうと思っていました。多くの青年たちが軍隊に召集されたため,人々の間には不安が募っていました。けれどもいつの時代でもそうであるように,世界中が争いと苦悩と邪悪な力に包まれていましたが,良いこともまだたくさんありました。

ずっと昔,わたしが生まれたころ,皆さん全員がまだ霊界にいたときですが,たとえわずかであっても国民が自由を享受していた民主主義国家と呼べる国は世界全体で20か国くらいでした。現在は90か国以上あります。これは自分の信条に基づいて自由に生活できる人が世界中で増えたということです。

現在,世界中で貧困が減少し,開発途上国の衛生状態と飲料水の改善によって健康が大きく増進しています。これはすばらしいことです。教育の機会も広がっています。

希望を持ち,楽観視できる理由はたくさんあります。大いなる未来を待ち望む皆さんを否定しようとするサタンの力に負けてはなりません。

あなたは将来の教会の指導者である

わたしたちは皆,毎日の決断によって人生を満喫するための準備をしています。キリストの教義と福音に対して誠実であり,忠実であるならば,人生にすばらしい機会が訪れることでしょう。教会において,ワード,ステーク,中央の指導者は,霊感によって,皆さんに奉仕する召しを与えることでしょう。それは皆さんが神の戒めを守るという賢明な選択によって準備してきたからです。

これから30年後の教会の指導は,皆さん一人一人が教会で奉仕する召しを果たすためにどれほど準備するかにかかっています。

このことを考えてください。教会は100番目のステークを組織するまで1830年から,わたしが生まれた1928年までの98年間を要しました。次の100ステークまでは24年を要しました。その後,非常に興味深い状況が展開されました。わずか8年後の1960年の末には300番目のステークがカナダのトロントで組織されました。当時トーマス・S・モンソン大管長はそこで伝道部会長を務めていました。2週間前にバラード姉妹とわたしは50年祭を祝うオンタリオ州トロントステークのステーク大会に出席しました。

そして,300番目のステークが組織されてからわずか4年後の1964年に,400番目のステークが組織されました。それから9年間でさらに200のステークが組織されました。900番目のステークが組織されたのは1978年3月でした。そして若人の皆さん,間もなく,3,000番目のステークが組織されるのです。

今晩ここに出席している若い男女の皆さんにとってこれはどのような関わりがあるのでしょうか。教会で年間に100のステークが誕生すると仮定してください。すると今年からわずか30年後の2040年にステークの数は倍増して6,000近くになります。皆さんの年齢は40代後半か50代前半になっています。ここで考えてください。6,000人のステーク会長はどこにいるのでしょうか。第1顧問,第2顧問,幹部書記,書記はどこにいるでしょうか。6,000の12倍の72,000人の高等評議員はどこにいるのでしょう。各ステークには10のユニットがあると仮定します。これは現在のステークの平均値です。6万人のビショップ,第一顧問,第二顧問,幹部書記,書記,長老定員会会長とその顧問,大祭司グループリーダーと補佐,扶助協会,若い女性,初等協会の会長と顧問,などはどこにいるのでしょう。彼らはどこにいますか。今わたしの話を聞いている皆さんです。皆さんこそが,その人たちなのです。主がお与えになる召しを受ける準備をしてください。

皆さんのための永遠の計画があります。

天の御父は皆さん一人一人のために永遠の計画を持っておられます。皆さんの生得権,末日聖徒イエス・キリスト教会の会員であるという特権は,約60億の人々が住んでいる世界において奇跡のようなことです。皆さんは前世で御父とともに住んでいたときに非常に大切な約束と決意をしました。

召しを与える責任を持つ人々はどのようにして補助組織の指導者,ビショップ,ステーク会長,中央幹部の名前を心に浮かべるのだろうかと不思議に思うかもしれません。ステーク会長はだれがビショップになるべきかをどのようにして知るのでしょう。中央幹部はだれがステーク会長になるべきかをどのようにして知るのでしょう。(今日もわたしは,新しいステーク会長の頭に手を置いて任命しました。わたしたちは週末にステークを再組織したのです。これは何という特権,何というすばらしい責任でしょうか。)大管長はだれが中央幹部になるべきかをどのようにして知るのでしょう。忠実であって,信頼に足る人物であり,キリストの福音の基本的な教義に従って生活している人を知るのは啓示によるのです。

奉仕に備えた努力を怠る日を一日たりとも過ごしてはなりません。この世の生涯は神にお会いする用意をする時期であることを忘れてはなりません。事実,アミュレクはこのように教えました。

「見よ,現世は人が神にお会いする用意をする時期である。まことに,現世の生涯は,人が各自の務めを果たす時期である。

さて,前に話したように,あなたがたにはすでに非常に多くの証拠があるので,最後まで悔い改めの日を引き延ばすことのないように切に勧める。永遠に備えるためにわたしたちに与えられている現世の生涯を終えると,見よ,もしわたしたちが現世にいる間に時間を有益に用いなければ,後から暗闇の夜がやって来る。そして,そこでは何の働きもできない。」(アルマ34:32-33

もし皆さんが主に頼り,主の戒めを守るならば,主は毎日助けてくださいます。皆さんが福音の道にとどまり,生まれる前に決意したことを実行してきたので奉仕の準備ができていること,そして,イエス・キリストの福音が皆さんの日々の生活を導いていることを,主は責任ある指導者にお知らせになります。

今から召しを受け始めるようお勧めします。それは将来,教会にあって数々の召しを受けて奉仕する備えとなります。

天の御父とほんとうの関係を築くために必要なことを実行しましょう。皆さんは御父の霊の息子であり,娘です。天の父母は主イエス・キリストが皆さんを愛するのと同じように,皆さんを心から愛しておられます。天の父母は皆さんを御前まで無事に導いてくれる偉大な幸福の計画に従うよう望んでおられます。

イエス・キリストの福音にしっかりと根を下ろしてとどまる

さて,集会を閉じるに当たって,皆さん一人一人が福音の教義の原則と儀式にしっかりと根を下ろしてとどまるために,いつも努力するよう祈ります。いつも主のことに十分な時間をささげ,証が世の偽りの教えに惑わされないようにしましょう。指導者の言葉に耳を傾けてください。皆さんに真理を教え,安全と自由を守る事柄にとどまるよう皆さんを励ます方法として知っているすべてのことを,わたしたちは行っています。日々,正しい理由に基づいて正しいことを行ってください。そうすればうまくいきます。

主が皆さんの奉仕を教会で必要とされるときのために,あらゆる面で備えましょう。皆さんが世に出て行くとき,試される機会が次々と訪れます。それは人生の目的の一つです。わたしたちは,決意と献身が本物であることを確かめるために地上に送られているのです。主イエス・キリストの戒めと教えに従うときに,わたしたちが成長し偉大な存在になれると信じることは,わたしにとって,すばらしいことです。

わたしの好きな詩を紹介します。わたしたち全員に当てはめることができます。ジョニー・J・ライダー・ジュニア作の「樫の木」という詩です。

一日中強風が吹き荒れていた。
強風は樫の木の葉を吹き飛ばし,
次に大枝を折り,樹皮を引き裂いた。
そして樫の木は力を失い,丸裸になった。
それでも樫の木は立っていた。
周りの木々は皆倒れてしまったというのに。
うんざりした風はあきらめて言った。
「君はどうしてまだ立っていられるのだ」
樫の木は答えた。
「あなたは枝をことごとく折り,
葉をすべて吹き飛ばし,
大枝を揺らし,わたしを傾けさせることはできる。
だが,わたしの根は地中に深く張っており
生まれたときから成長して強くなっているのだ。
あなたは根に手を伸ばすことができない。
地中に深く張り巡らされているから。
今日に至るまで,わたしには確信がなかった。
自分がどれだけ耐えられるかを。
しかし,あなたのおかげで今,分かった。
わたしは,自分が思っていたよりも強いということを。」

愛する若い兄弟姉妹の皆さん,たくましい樫の木のようになってください。自分がどれほど強いかを知るようになってください。福音という土壌の中に神とキリストへの信仰と信頼を深く張り巡らせてください。偽りの釣り人であるルシフェルの擬似餌にいつも注意していましょう。ルシフェルの差し出す多く危険なものを見分けて退ける知恵と霊的な洞察力を持つことができますように。キリストの教義すなわち主イエス・キリストを信じる信仰,悔い改め,バプテスマの聖約を守ること,聖霊を伴侶とできるようふさわしく生活すること,最後まで堪え忍ぶことなど,分かりやすく基本的な原則に従う毎日を過ごしてください。 毎日このようにすると,主の御霊は皆さんが永遠の命に至る道を安全に歩めるよう皆さんとともにあることでしょう。

わたしの証を皆さんにお伝えします。わたしたちが皆さんを愛していることを知っていただきたいと思います。皆さんはこの教会の将来を双肩に担うことになります。皆さんには大いなる行く末があります。もし皆さんが自分の生き方に軌道修正する必要があるなら,皆さんが行う必要のある事柄を今晩することができるよう,心から祈っています。イエスがキリストであられることを証します。主は生きておられます。これは主の教会であり,わたしたちは,主の用向きを受けた, 主の聖約の民です。そのことを知っています。これらの証をお伝えするとともに,主が皆さんを祝福してくださるよう祈ります。皆さんのうえに祝福があるように,皆さんが心に平安と喜び,穏やかな確信を見いだせるように,また,主の聖なる御名にふさわしくあるために最善を尽くすことができるように,主の聖なる御名によって祈ります。皆さんがこれらの祝福を,これから後の生涯にわたって受けられますように,へりくだって祈り,証しします。イエス・キリストの御名によって,アーメン。

© 2010 Intellectual Reserve, Inc. 版権所有。英語版承認:2009年10月翻訳承認:2009年10月原題:Follow the Doctrine and Gospel of Christ JapanesePD50021042 300

Notes

1. 個人的な書簡,2010年10月10日付。許可を得て使用。

2. M・ラッセル・バラード「おお,悪しき者のあの狡猾xな策謀よ」『リアホナ』2010年11月号,108

3. 『わたしの福音を宣べ伝えなさい』62

4. 『わたしの福音を宣べ伝えなさい』62

5. 『わたしの福音を宣べ伝えなさい』63

6. 『わたしの福音を宣べ伝えなさい』64

7. 『わたしの福音を宣べ伝えなさい』65

8. 『わたしの福音を宣べ伝えなさい』66

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