2000–2009
女性であることの喜び
2000年10月


女性であることの喜び

「女性が生来備えている養い育てるという特性が永遠に続く祝福をもたらすことを、神の娘たちは知っています。そして、神から授かったこの特性を高めることに努力します。」

今日、神の娘であるであることはすばらしい祝福です。わたしたちフはイエス・キリストの完全な福音を頂いています。わたしたちは地上に同復された神権から祝福を受けており、すべての神権の鍵を持つ神の預言者によって導かれています。わたしはゴードン・B・ヒンクレー大管長と、ふさわしい神権者であるすべての兄弟を愛し、尊敬しています。

また善良で忠実な女性の生活は、わたしに霊感を与えてくれます。時の初めから、主は彼女たちに多大な信頼を寄せてこられました。主はこのようなときに壮大で輝かしい使命を果たすように、わたしたちを地上に送ってくださったのです。教義と聖約には次のようにあります。「まことに、彼らは生まれる前に、ほかの多くの者とともに、霊の世界において最初の教えを受け、主の定められたときに出て行って人々の霊の救いのために主のぶどう園で働く準備をしたのである。」(教義と聖約138:56)わたしたちの地上での目的を教えてくれる、とてもすばらしい示現です。

多く与えられる者は多く求められます。天父はわたしたちが人生での使命と神の目的を果たせるように、娘たちに徳高く、また義にかなって生活するよう求めておられます。天父はわたしたちの成功を望んでおられ、わたしたちが求めれば助けてくださいます。

女性が女性として地上に生まれてくることは、誕生のずっと前から定められていました。男性と女性の神聖な違いも同様です。わたしは「家族—世界への宣言』にある、大管長会と十二使徒定員会の教えの明快さがとても好きです。こう述べられています。「性別は、人の前世、現世および永遠の状態と目的にとって必須の特性… … です。」1この言葉から、すべての少女は地上に生まれるはるか前から霊において女性であったことが分かります。

神は女性を、特に優れた能力を備えた存在として地上に送ってくださいました。ファウスト副管長は若い女性への話の中で次のように述べています。女性らしさは「人間性を飾る神聖な特質です。それは愛する能力、霊性、繊細さ、輝き、感受性、創造力、魅力、気品、優しさ、威厳、内に秘めた力…… の中に見ることができます。それがどのような方法で表現されるかは、それぞれの少女あるいは女性によって異なります。しかしそれは女性がそれぞれ持っているものです。女性らしさは内なる美しさの一部なのです。」2

わたしたちの外見は、内なる自分を反映します。わたしたちの人生も自分が求めているものを反映します。そしてもし、心を尽くして救い主を知り、救い主のようになることを求めるなら、そうなれることでしょう。主はわたしたちの神聖な、永遠の兄であられるからです。しかし、主はそれ以上の御方です。主は貴き救い主であり、わたしたちの贖い主です。わたしたちはアルマとともに尋ねます。「あなたがたの顔に神の面影を受けているか。」(アルマ5:14)

自分が神の娘であることを感謝している女性は、外見で見分けることができます。そのような女性は自らの体を管理するよう任されていることを理解し、敬意をもって体を扱います。自分の体を聖なる神殿のように気遣います。主の次の教えを理解しているのです。「あなたがたは神の宮であって、神の御霊が自分のうちに宿っていることを知らないのか。」(1コリント3:16)神を愛する女性は、自分という神殿を粗末に扱ったり汚したりするようなことは決してしません。奉献された神聖な建物の扉を大きく開いて、世の人々に見物させたりもしません。わたしたちの体は神殿以上に神聖なものです。それは人によってではなく、神によって造られたものだからです。わたしたちは、天から携えて来た清さと汚れなさの管理人であり守り手なのです。「もし人が、神の宮を破壊するなら、神はその人を滅ぼすであろう。なぜなら、神の宮は聖なるものであり、そして、あなたがたはその宮なのだからである。」(1コリント3:17)

感謝に満ちた神の娘は注意深く体を守ります。自分が生命の泉であることを知っていて、生命を尊んでいるからです。世に認められるために自分の体をあらわにしたりはしません。天父に認めていただけるように慎みをもって歩みます。天父に深く愛されていることを知っているのです。

自分が神の娘であることを感謝している女性は、態度で見分けることができます。彼女たちは女性には天使の務めが与えられていることを知っており、神の用向きを受けて神の子どもたちを愛して教え導き、救いの教義を教え、悔い改めさせ、苦難にあって彼らを助け、神の業において彼らを導き、神のメッセージを届けたいと望んでいます。3自分には家庭や近隣、それ以外において、神の子どもたちに祝福をもたらすことができると理解しているのです。神の娘であることを感謝している女性は、主の御名に栄光をもたらします。

自分が神の娘であることを感謝している女性は、能力で見分けることができます。彼女たちは天与の才能を伸ばし、神から授かった賜物を尊んで大いなるものとします。能力と強さを持つ彼女たちは家族に祝福をもたらし、人々に仕え、「神の栄光は英知である」ことを理解しています(教義と聖約93:36)。天父が望まれるすべてを備えた女性となれるように永遠の徳を受け入れ、それに従います。預言者ヤコブはこれらの徳について次のように語っています。彼女たちは「神の御前にあって非常に感じやすく、清く、繊細である。これは神にとって喜ばしいことである。」(モルモン書ヤコブ2:7)

自分が神の娘であることを感謝している女性は、母親の務めに対して敬意を払う姿で見分けることができます。それは、たとえ一時的にその祝福にあずかることができない場合であっても当てはまります。そのような状況にあって、彼女たちの義の影響力が、その愛する子どもたちにとって祝福となるのです。その模範に裏打ちされた教えが忠実な家庭に反映され、証を求める子どもたちの心に真理を伝えるのです。

感謝に満ちた神の娘たちは神を愛します。そして子どもたちにも、いやいやながらではなく無条件に神を愛するように教えます。それはまるでヒラマンの若き勇士たちを育てた母親たちのようです。ヒラマンの若き勇士たちは強い信仰を持ち、「母親から、疑わなければ神が救ってくださると教わっていた」のです(アルマ56:47)。

思いやりと優しさを行いに示す母親を見るとき、そこには偉大な影響力を感じることができます。そうした母親とともに過ごす家族は、そばにいると愛と敬意と心の安らぎを覚えます。母親が聖霊を伴侶とし、その御霊の導きを求めているからです。 家族は母親の知恵と的確な判断力によって祝福を受けます。

そして、母親からの祝福を受ける夫や子どもたちは、この世のあらゆる社会の安定に寄与します。また、感謝に満ちた神の娘たちは母親や祖母やおばから真理を学びます。そして自らも自分の娘に、家庭を豊かにする楽しい知恵を教えます。さらに、子どものために洗練された教育の機会を求めるとともに、自らも知識を渇望します。彼女たちは子どもたちが技術を磨き、それを奉仕に生かせるように助けます。彼女たちは自分が選んだ道が楽な道ではないものの、最大の努力を傾けるに価値のある道であることを知っています。

彼女たちはニール・A・マックスウェル長老のこの言葉の真意を理解しています。「人類の真実の歴史がすべて明らかにされるとき、脚光を浴びるのは砲火の響きであろうか、それともかすかに聞こえる子守歌の調べであろうか。軍人の偉大な停戦条約であろうか、それとも家庭や地域社会で女性たちが作り出す平和であろうか。議会の出来事よりも、ゆりかごや台所の出来事にいっそうの抑止力があることを知るであろう。」4

女性が生来備えている養い育てるという特性が永遠に続く祝福をもたらすことを、神の娘たちは知っています。そして、神から授かったこの特性を高めることに努力します。確かに女性が母親の務めに敬意を払うとき、子どもたちは立ち上がって彼女を祝すでしょう(箴言31:28参照)。

神の女性が世の女性のようになるこ止は決してありません。世には強情な女性は十分います。必要なのは心の優しい女性です。粗暴な女性は十分います。必要なのは思いやりのある女性です。無礼な女性は十分います。必要なのは品のある女性です。名声と財産を手にしている女性は十分います。必要なのは信仰の篤い女性です。貪欲はもう十分です。もっと慈しみが必要です。うぬぼれももう十分です。もっと徳が必要です。流行ももう十分です。もっと清さが必要です。

すべての若い女性が身に付けるべきものをすべて身に付けて成長するように願わずにはいられません。母親と父親が、若い女性に正しい道を示すことができますように。神の娘が神権を尊び、ふさわしい神権者を支持できますように。女性が自由を得たと思われている現代の世の中にあって、時にあざけりを受ける永遠の徳の中に大いなる力が得られることを、彼女たちが理解できますように。

母親と父親が、自分の娘が天の家から受け継いでいるすばらしい可能性を理解できますように。わたしたちは彼女たちの優しさ、養い育てるという特性、持って生まれた霊性と感受性、そして聡明さを育ててあげなければなりません。少女が少年と異なることをたたえましょう。神の大いなる計画で彼女らが占める位置に感謝しましょう。そしてヒンクレー大管長の次の言葉をいつも覚えていましょう。「神はまず地を造り、次に昼と夜、水と陸を分かち、植物と動物を、そして男性を創造されました。しかし、『良し』との宣言をされたのは、女性を創造されたその後なのです。」5

父親、夫、若い男性の皆さん、皆さんが女性と、女性が持つ可能性のすべてを理解できますように。与えられている神の聖なる神権にふさわしくあり、神権を尊んでください。それはわたしたちすべてに祝福をもたらすものなのです。

姉妹の皆さん、年齢にかかわりなく、自分が何者であり将来どうなるはずであるかを、また高き王の宮廷に入れるように神御自身があなたに用意されたもののすべてを理解しましょう。与えられている貴重な賜物を感謝の念をもって用いて、人類がより正しい考えを持ち、より気高い人々となれるよう助けることができますように。イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

  1. 「家族—世界への宣言」「聖徒の道』1998年10月号、24

  2. ジェームズ・E・ファウスト「女性であること最高の栄誉」「リアホナ」2000年7月号、117

  3. ブルース・R・マッコンキー、Mormon Doctrine、第2版(1966年)、35参照

  4. 「神に従う女性」「聖徒の道』1978年10月号、14

  5. ゴードン・B・ヒンクレー「若い女性に対するわたしたちの責任」「聖徒の道』1989年2月号、116