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10月 2005 | 備えなさい。……今から後,強くありなさい

備えなさい。……今から後,強くありなさい

10月 2005 総大会

個人の義が確立された人々の間で,悲劇が勝利を得ることは決してあり得ないのです。

会話の中で,言いたいことが誤解され,軽んじられたまま,突然,話を続ける権利を奪われたことはありませんか。約25年前,そのような経験をしました。その会話が中途半端になったことは,今でも残念です。

当時伝道部長だったわたしは招きを受け,数人の教会員とともに,伝道部内に住むある市長を訪問しました。市長はわたしたちを部屋に通し,温かく歓迎してくれました。わたしたちは,当時の関心事について意見を交わしました。しばらくして市長は,教会がその市で伝道している理由を尋ねてきました。

その質問は,ある程度予想していました。市長がそう問いかけることと,わたしがどう答えるべきかについて,数週間前から霊感を受けていたのです。わたしはこう答えました。「イエス・キリストの福音には,この世のあらゆる問題への答えがあります。この市の皆さんが抱えていらっしゃる問題の答えもあります。だからわたしたちはここにいるのです。」

市長はもっと聞きたがると思い込んでいたのですが,反対に,態度を変えました。懐疑心が,次いで,軽蔑けいべつの念が彼の表情から見て取れました。「そんな生易しいやり方が世の中に通用するわけがない」とどなるやいなや,市長はその場で会談を打ち切ったのです。それ以上の説明は許されませんでした。

今朝は,あのときの続きを話します。あの市長の耳に届くよう願っています。混乱

する世の中にぜひ必要な事柄だからです。

ここ数年の恐ろしい災害で,わたしたちの心は沈んでいます。災害の頻度も激しさも増しています。自然は怒り狂ったように猛威を振るい,人間は無慈悲な殺戮さつりくを続け,歯止めの利かない欲望は性の放縦や犯罪を生み出し,崩壊する家族も異常に増えています。南アジアの津波と合衆国のハリケーンは,甚大な被害をもたらし,最近の災害の中でも特に注目を集めました。深刻な被害を被った人々に,世界中から心と手が差し伸べられました。しばらくの間,対立感情は愛と哀れみに取って代わりました。

被災者たちは,その悲惨な境遇を通して,人が神に依存していることをわたしたちに思い出させてくれました。避難キャンプの母子家庭の母親は,息子たちを失った苦痛の中で「信仰をなくすわけにはいきません」と涙ながらに言いました。カトリーナに町を破壊された人々は「わたしたちのために祈ってください!」1 と懇願しました。

災害の原因を探る議論は,延々と続いています。評論家,政治家,科学者など大勢の人が,様々な意見を持っています。

主イエス・キリストは,主の福音の回復についてこう言われました。

「主なるわたしは,地に住む者に下る災いを知っているので,わたしの僕しもべジョセフ・スミス・ジュニアを訪れ,彼に天から語り,戒めを与えた。……これらの戒めを調べなさい。これらは真実であり,確かであって,これらの中にある預言と約束はすべて成就するからである。」2

災害が存在する理由や目的に目を向けてみましょう。幸い,この点で議論は必要ありません。よりどころとなるキリストの完全な福音があるからです。モルモン書や聖書の預言者の言葉を調べてください。マタイによる福音書第24章3 にあるイエス・キリストの教えを読んでください。教義と聖約4 にある末日における主の啓示を学んでください。そうすれば,このような災害に関する神の目的が分かります。

災害とは逆境の一つであり,逆境とは神の子供たちが幸福を得られるように,天の御父がお作りになった計画に欠かせないものなのです。

神の御前みまえに正しい心を持てば,逆境を通して学び,肉の性質に打ち勝つ力を得,内なる神聖な特質を養うことができます。逆境がなければ,「より良い方」5 を選ぶことを学べないでしょう。逆境により,悔い改めるべき点や,抑制すべき卑しい欲望を知り,義を胸に抱き,「良心の安らぎ」6を享受できるようになるのです。

義を固く守れば,救い主からさらなる守りを受けることができます。主は創造主,全宇宙の主であられます。主は風や波を静め,7 その教えと贖あがないにより,悔い改めた人を癒いやされます。主はメシヤ,解放者であられ,主のおかげで人は,悲劇に遭ったときでさえ,自分の分を果たすことができるのです。次の真理に耳を傾けてください。

「そして時が満ちると,人の子らを堕落から贖あがなうためにメシヤが来られる。人の子らは堕落から贖われているので,すでにとこしえに自由となり,善悪を知るようになっている。彼らは,神が下された戒めによって,大いなる終わりの日に律法に伴う罰を受けるほかは,思いのままに行動することができ,強いられることはないのである。

そのため,人は肉においては自由であり,人のために必要なものはすべて与えられる。そして人は,すべての人の偉大な仲保者を通じて自由と永遠の命を選ぶことも,あるいは悪魔の束縛と力に応じて束縛と死を選ぶことも自由である。悪魔は,すべての人が自分のように惨めになることを求めているからである。」8悪魔は破壊者であることを覚えておく必要があります。

この世の自由にも,現世という環境の下で一定の制限があります。遠方での戦争をいつまでも続けることはできないでしょうし,か弱い腕で荒れ狂う嵐あらしを押し戻したり,弱った体で自由に走り回ったりすることはできないでしょう。それでも,最終的に個人をコントロールするのは外的要因ではなく,その人自身なのです。

預言者ジョセフ・スミスは宣言しました。「幸福こそ,わたしたちの存在する目的であり,わたしたちが意図するものである。わたしたちがそこに通じる道に従っていけば,最後に到達できるものである。その道とは,徳,公正,忠実さ,聖さ,そして神のすべての戒めを守ることである。」9

ですから敬愛する市長,確かにイエス・キリストの福音は,この世のすべての問題に対する答えなのです。なぜなら,福音はあらゆる人の悩みを解決するからです。

災害が起きる度に,自分をさらに高めるという神聖な義務がわたしたち一人一人に課せられます。こう自問するとよいでしょう。「この懲らしめを心楽しく忍耐できるようになるには,生活のどこを変える必要があるだろうか。」

聖文には,そのような裁きが下ったわたしたちに主が何を望まれるかが明確に示されています。「それゆえ,腰に帯を締めて,備えなさい。見よ。王国はあなたがたのものであり,そして敵は勝利を得ないであろう。」10

教会と教会員には自立することが求められています。11 まず必要なのは,いかなる波乱をも乗り越える信仰です。現世は備えの旅だと考えるべきです。主とその福音への信仰があれば,恐れに打ち勝ち,霊性がはぐくまれます。

「祈ることと,主の前をまっすぐに歩むこと」12 により,霊性が増します。そうすることで「自分に打ち勝ち,神と交わることを自覚」13 できるのです。

信仰と霊性,そして従順によって,備え,自立していくことができます。什分じゅうぶんの一の律法に従うことで,破壊者の力は抑えられ,欠乏から守られます。断食の律法に従い,人のことを気にかけ,惜しみなく与えるなら,祈りは聞かれ,家族の忠誠心が増します。同じような祝福は,預言者の勧告に従って収入の範囲内で生活し,不必要な借金を避け,自分と家族のために最低1年分の生活必需品を蓄えることによっても,受けることができます。容易ではないかもしれませんが,「最善」14 を尽くすならば,蓄えは尽きるどころか「十分にあり余」ることでしょう。15

主はさらにこう言われました。「それゆえ,あなたがたは今から後,強くありなさ

い。恐れてはならない。王国はあなたがたのものだからである。」16

義にかなった生活により,強さと回復力が備わります。聖徒であるのは日曜だけで,あとは怠けている人は,義とはされません。欲望を放置することは有害です。人が「神聖な物を軽んじ」るようになるからです。17 ブリガム・ヤング大管長はこう教えました。「アダムとエバのすべての子孫に付きまとう一つの罪は,知っているのに行わないということである。」18

イエス・キリストの福音は義へと続く道です。個人の義が確立された人々の間で,悲劇が勝利を得ることは決してあり得ないのです。ですから使徒パウロの次の勧告に耳を傾けましょう。

「夜はふけ,日が近づいている。それだから,わたしたちは,やみのわざを捨てて,光の武具を着けようではないか。

そして,宴楽と泥酔,淫乱いんらんと好色,争いとねたみを捨てて,昼歩くように,つつましく歩こうではないか。

あなたがたは,主イエス・キリストを着なさい。肉の欲を満たすことに心を向けてはならない。」19

末日聖徒の務めは,自分自身と,この地球と,地球に住む人々を,主イエス・キリストの再臨に備えることです。福音が教えるように備え,強くなることにより,この世と永遠における幸福を得て,この「福千年における……壮大な使命」が可能になります。

愛するヒンクレー大管長はこう勧告しています。「さて,兄弟姉妹の皆さん,もう少しの頑張りを示し,視野を広げ,福千年における末日聖徒イエス・キリスト教会の壮大な使命に対する知識と理解を深めるように精神を集中する時が来ました。今は堅固に立つべき時です。自分たちに与えられている使命の意義,大きさ,重要性をよく理解したうえで,ためらうことなく前進する時です。どのような結果になろうとも,それをいとわずに,正しいことをなすべき時です。戒めを守るべき時です。悲しみの中にある人々,また暗闇くらやみと苦しみの中をさまよっている人々に,愛と優しさを示す時です。すべての人間関係において,お互いに思いやりを示し,親切にし,節度ある態度で,礼儀正しくする時です。言い換えれば,なおいっそうキリストに近い生活をする時なのです。」20

主の預言者によるこの勧告は,波乱の時代に進むべき道を示しています。苦しんでいる皆さん,わたしたちは皆さんのことを心にかけています。天の御父が限りない憐あわれみをもって皆さんの重荷を軽くされ,「人知ではとうてい測り知ることのできない」21 平安で皆さんが満たされますように。皆さんは孤独ではありません。わたしたちの愛と信仰と祈りは皆さんの愛,信仰,祈りと一つです。義の中を前進すれば,すべてはよし,と言えるときが来るのです。

イエス・キリストの御名みなによって,アーメン。

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    1. .エバン・トーマス“The Lost City,”Newsweek,2005年9月12日付,44で引用

    2. .教義と聖約1:17,37

    3. .ジョセフ・スミス-マタイも参照

    4. .教義と聖約45章,88章,101章,133章参照

    5. .“Father in Heaven, We Do Believe”『賛美歌』(英語)180番

    6. .モーサヤ4:3

    7. .マタイ8:25-27;マルコ4:39参照

    8. .2ニーファイ2:26-27,強調付加

    9. .History of the Church,第5 巻,134-135

    10. .教義と聖約38:9

    11. .教義と聖約78:13-14;『主の道にかないて助けをなす――福祉に関する指導者ガイド』5参照

    12. .教義と聖約68:28

    13. .デビッド・O・マッケイ,Conference Report,1969年10月,8

    14. .ゴードン・B・ヒンクレー「力強く確固として立つ」『世界指導者訓練集会』2004年1月10日,21参照

    15. .教義と聖約104:17

    16. .教義と聖約38:15

    17. .教義と聖約6:12

    18. .Discourses of Brigham Young,ジョン・A・ウイッツォー選(1954年),89

    19. .ローマ13:12-14

    20. .「主のみ業」『聖徒の道』1995年7月号,76-77;「開会に当たり」『リアホナ』2005年5月号,4も参照

    21. .ピリピ4:7