2010–2019
「わたしの王国の娘」――扶助協会の歴史と業
2010年10月


「わたしの王国の娘」――扶助協会の歴史と業

扶助協会の歴史を研究し応用すると,救い主イエス・キリストの弟子であるわたしたちが何者であるかが分かり,明らかになります。

この集会は,天の御父の思いとを知り,御父の計画における自分の責任について理解したいと望む,御父のすべての娘にとってです。この1年間,大勢の姉妹を訪ね,皆さんの目を見て,皆さんを抱き締め,皆さんと笑ったり泣いたり,皆さんの喜びや悲しみ,功績について聞いたりしたときに心を動かされました。一人一人には筆舌に尽くしがたいほどの価値があり,天の御父は皆さんをよく御存じです。神の娘として,皆さんは永遠の称号を受ける準備をしており,各自が女性としての個性,特質,責任を備えています。家族や地域社会,この教会,そして貴い救いの計画が成功するか否かは,忠実な皆さんにかかっているのです。愛する姉妹の皆さん!心から愛しています。皆さんのために祈っています。

わたしたちは皆,この現世で非常に個人的な経験をしています。最近出会った二人の姉妹は,忠実に生活する方法を示してくれています。一人の姉妹はブラジル中央部に住んでいます。赤土の庭の中に建つ,赤いブロック塀に囲まれた,美しい赤レンガの家は,俗世を遮断する避け所となっています。輝くの子供たちは初等協会の歌を知っていて,部屋の壁には『リアホナ』から切り抜いた救い主や神殿,神の預言者の絵や写真が飾られています。彼女と夫は,子供たちが聖約の中で生まれるように個人的な犠牲を払って神殿で結び固められました。彼女は,子供たちを福音の光と真理,力の中で育てるために欠かせない強さと霊感を受けられるよう絶えず主に祈っていると話してくれました。

もう一人の姉妹はのビルの80階にある小さなアパートに独りで住んでいます。肉体的な問題を抱えていますが,気持ちは明るく,自立しています。彼女は家族の中で唯一の教会員です。小さな棚の上に聖典,扶助協会のテキスト,教会のそのほかの書物が並んでいます。彼女は家の中にに満たされた避け所を作っており,支部の会員にとって光となっています。

警告

わたしたちは多くの姉妹が過酷な,あるいは危険な状況の中で生活していることを知っています。絶え間ない空腹に悩まされている姉妹,落胆や人の裏切りがあっても信仰を持ち前進する勇気を毎日振り絞らなければならない姉妹がいます。わたしたちは地球の終わりの時に生きているので,あちこちで大きな戦いのしるしがあります。末日聖徒の女性の力や目的,地位に関する偽の情報や誤解がしています。現在広まっている偽の情報は,女性が男性より劣っている,女性は大概かわいらしいが無知である,そして女性がどんなに頑張っても天の御父に受け入れられるほどの人物にはなれないと思い込ませます。使徒ペテロが語ったように,「あなたがたの間にも,にせ教師が現れるであろう。彼らは,滅びに至らせる異端をひそかに持ち込み,自分たちをあがなって下さった主を否定」1 するのです。

モルモン書は何が起きているか,こう説明しています。

「見よ,その日,〔サタン〕は人の子らの心の中で荒れ狂い,人の子らをそそのかして善いことに対して怒らせる。

また,〔サタン〕はほかの人々をなだめ,彼らを欺いて現世での安全を確信させるので,彼らは,『シオンの中では,すべてが良い。まことに,シオンは栄えており,すべてが良い』と言う。悪魔はこのようにして人々をだまし,巧みに地獄に誘い落とすのである。

そして見よ,悪魔はほかの人々にへつらい,『地獄はない』と告げ,『悪魔はいないので,わたしは悪魔ではない』と言う。悪魔はこのように彼らの耳にささやいて,決して逃げられない恐ろしい鎖で縛ってしまう。」2 

権利の主張や言い訳,無関心,誘惑が蔓延する中で,注意力を研ぎ澄まさず,祈らず,霊感を受けようとしない神の娘は,聖文で述べられている「異なる神々」3 を礼拝する「愚かな女ども」4 になってしまう危険性が非常に高いのです。悲しいことに,生活の中で遭遇する困難や,世間に広まっている偽りの教義の結果,多くの姉妹は真理よりも偽の情報を信じています。多くの人々が祈りや聖文研究といった基本的な事柄をしていないと判明したことが,彼らが神の計画と調和していないことを立証しています。主御自身が「今は警告の時であり,多くの言葉を費やす時ではない」5 と言われています。

扶助協会は砦とりでおよび避け所となるように組織された

この苦難の時代に神は御自身の娘を守り,教え,霊感を与えるために,預言者ジョセフ・スミスに権能を与えて,教会の女性たちを組織させられました。天から任命され,神権によって導かれるこの組織は,扶助協会と呼ばれています。

扶助協会の目的は,神の娘たちが信仰と個人の義を増し加え,家族と家庭を強め,助けの必要な人々を見つけて手を差し伸べることを通して,彼女たちを永遠の命に備えることです。

扶助協会は神の計画を守るわたしたちの務めを明確にし,神の娘として一つにしてくれます。誤ったアイデンティティー,混乱,妨害の時代にあって,扶助協会は忠実な女性に真理を教える羅針盤および道しるべとなるよう意図されています。現代の義にかなった女性は,信仰を増し,家族を強め,人に救助の手を差し伸べることによって,心の動揺に抵抗し,邪悪や霊的な破滅と闘い,個人的な災難を乗り越えるために啓示を豊かに受けようとしています。

扶助協会の歴史と業

わたし会長会は,神の娘たちが「地に住む者に下る災い」6 に直面したときに堅固であるのを助けるために神がわたしたちになすように望んでおられることを知ろうと,祈って断食をし,深く考え,預言者,聖見者,啓示者たちと話し合ってきました。その結果,教会の姉妹たちが扶助協会の歴史について知り,そこから学ぶべきであるという答えを受けました。扶助協会の歴史を理解することで,忠実な女性の基礎となるアイデンティティーと価値が強められるのです。

これを受けて,教会の扶助協会の歴史をまとめた冊子を制作しており,来年使用できるようになります。これに先駆けて,『リアホナ』の家庭訪問メッセージのページでも扶助協会の歴史について採り上げています。歴史書の準備は霊感と啓示をもたらす経験となっています。

扶助協会の歴史を研究する中で分かったのは,扶助協会に対する主のビジョンと目的は,日曜日の眠気を催す集会ではないということです。主は婦人会や趣味や娯楽のグループよりももっと,もっと大きなことをお考えです。

主は扶助協会が民を築き,神殿の祝福に備えさせるのを助けるように意図されていました。主がこの組織を設立したのは,娘たちを御自身の業に協力させ,王国を築いてシオンの家庭を強めるうえで娘たちの力を借りるためでした。

歴史はわたしたちが何者であるか教えてくれる

わたしたちは自分たちの歴史を学ぶことによって,自分たちが何者であるかを学びます。世界中の善良な女性が自分のアイデンティティーや価値,大切さを知りたいと切に求めています。扶助協会の歴史を研究し応用すると,救い主イエス・キリストの弟子であるわたしたちが何者であるかが分かり,明らかになります。わたしたちの忠実さと奉仕は,わたしたちの改心や,主を覚えて主に従う決意を表します。1830年7月,教会の回復の初期に,主はこの神権時代の最初の女性指導者をお選びになり, こう言われました。「わたし〔は〕あなた,すなわちわたしの娘,エマ・スミスに語る……。まことに,わたしはあなたに言う。わたしの福音を受け入れる者は皆,わたしの王国において息子であり,娘だからである。」7

扶助協会の歴史は,天の御父が御自身の娘たちを御存じであることを教えています。御父は娘たちを愛しておられ,彼女たちに具体的な責任を与えられ,現世の旅路の中で語りかけ,導いてこられました。さらに,扶助協会の歴史は女性の地位を高めて実証し,女性が忠実な神権指導者とともに働く方法を示しています。

歴史はわたしたちのなすべきことを教える

わたしたちは自分たちの歴史を学ぶことによって,何をするべきかを学びます。扶助協会の歴史を通して,わたしたちは永遠の命の祝福にどのように備えればよいかを学びます。扶助協会という組織はシオンのワードや支部の姉妹たちの力を組織する責任を常に負ってきました。扶助協会集会,訪問教師の奉仕,協力して当たる奉仕活動を通して神の娘たちは主の業と王国における自分の責任について教えを受け,見守られ,霊感を受けてきました。ワードや支部の扶助協会会長は,その業を導くために召されています。

1年前のこの集会で,扶助協会集会の方針が発表されました。世界中のほとんどのワードと支部の扶助協会会長と姉妹たちがこの方針とその根底にある精神をしっかり受け止めてくれたという報告を受け,わたしたちはうれしく思っています。扶助協会の歴史的な目的と業が再び活気づいている様子を見ることができ喜ばしく感じています。姉妹たちのすべての集会が,本来の扶助協会という名前で呼ばれることにより,扶助協会に威厳と,アイデンティティーとさが増しているのを見ています。信仰と個人の義が増し,家族と家庭がさらに強められ,扶助協会集会を正しく用いることを通して扶助協会の姉妹たちがさらに助けの手を差し伸べている様子をわたしたちは見ています。扶助協会集会,訪問教師,そのほかの扶助協会の業に関するすべての方針は,扶助協会の歴史に基礎を置き,大管長会によって承認されています。

救いの業に携わることは,いつも扶助協会の責任となってきました。回復された教会の初期から,姉妹たちは日常生活で起きる出来事に対処するためにだれよりも早くから,だれよりも遅くまで,欠かさず必要な場所に足を運んできました。姉妹たちは,初等協会や若い女性,日曜学校などで奉仕するために扶助協会から出て行き,次の世代への光と徳の模範となっています。個人の奉仕は一人一人の姉妹の人格を築き,何百万人の忠実な女性が結束して行う奉仕活動によって,主の業における恐るべき信仰の軍勢が組織されます。歴史が示すように,回復の初めから,姉妹は伝道の最前線に立ち,現在も自ら伝道に出たり,若い男性と若い女性が伝道に備えるのを助けたり,福音の祝福をともに味わうよう友達や隣人,家族を招いたりしてきました。さらに歴史から分かることは,預言者ジョセフ・スミスは姉妹たちに自らを神殿に備えることについて教えるために扶助協会の集会を利用しました。,家族歴史活動と神殿の業は扶助協会の中心的な義務の一部です。

わたしたちの歴史的な目的を理解すれば,女性が「価値のないものに金を使〔わず〕……満足を得られないものに労力を費や〔さない〕」8 よう正しい優先順位を学ぶのに役立ちます。扶助協会は使徒パウロが教えたことをする責任を絶えず負ってきました。すなわち,若い女性にまじめで慎み深くあり,純潔を守るように教え,結婚している姉妹には夫を愛し,子供を愛し,家庭を強めるように教えることです。9 扶助協会の歴史はわたしたちを救いめる大切な事柄や,わたしたちが個人として自立して主の王国で役に立つために必要なことを行えるように教えてくれます。

扶助協会の歴史を通じて存在する不変のテーマは,聖霊の力を活用する姉妹は生活の中で主の霊感をもって働き,自分の責任に関する啓示を受けるというものです。

歴史は忠実な女性を一つにする

わたしたちが自分たちの歴史を学ぶのは,それによって忠実な女性が一つになれるからです。扶助協会の歴史は,が強く,忠実な,目的を持った女性が登場する,御霊に満ちた歴史です。主の回復された教会の一部である扶助協会は,今や170近くの国にあります。世界中どこにいても,主の教会の成人女性は重要な責任を受けることができます。

教会の少女と若い女性は『神への信仰』と『成長するわたし』を通して,神殿や将来の責任に焦点を当てて目標を立てることを学びます。そして扶助協会でも信仰と個人の義を増し加え,自分たちの家族と家庭を強め,助けの必要な人々を見つけて手を差し伸べることにより,神殿と永遠の命の祝福に向かって前進し続けるのです。忠実な姉妹はたとえ称賛や注目を受けなくても働くことを学びます。なぜなら扶助協会は,隠れて施し(またはささげ物)をするときに隠れたことを見ておられる天の御父が公に報いてくださると言われた主イエス・キリストの教えに基づいて栄えるからです。10

わたしたちは扶助協会の歴史と業を通して,年齢や経済状態,教育の有無や独身か既婚かにかかわらず,強く揺るぎない神の娘たちから成る偉大な世界規模の姉妹の組織に結ばれているのです。

歴史について知ることは変わる助けとなる

わたしたちが自分たちの歴史を学ぶのは,それによってわたしたちが変われるからです。結局のところ,歴史の価値は日付や時間,場所にはありません。ではなぜ歴史に価値があるかと言えば,それは,原則と目的と規範を教え,わたしたちが何者であって,何をすべきかが分かるように助け,シオンの家庭を強め地上の神の王国を築くために姉妹たちを結束させてくれるからです。霊感によって運営するなら,扶助協会は恐れや疑問,自己中心主義を信仰と希望,慈愛に変えることができます。主の業を推し進めるとき,扶助協会の歴史は世界中の忠実な姉妹によってさらに書き加えられるでしょう。主は今日扶助協会を強め,御自身の娘たちに栄えある未来を用意しておられます。

天の御父とその御子イエス・キリストが現実の御方であられることをします。預言者ジョセフ・スミスを通して,福音,すなわち女性のアイデンティティーと目的についてのよきおとすれが地上に回復されました。イエス・キリストの御名により,アーメン。

  1. 2ペテロ2:1

  2. 2ニーファイ28:20-22

  3. ヨシュア24:23

  4. 2テモテ3:6

  5. 教義と聖約63:58

  6. 教義と聖約1:17

  7. 教義と聖約25:1

  8. 2ニーファイ9:51

  9. テトス2:4-5参照

  10. マタイ6:4;3ニーファイ13:4参照