2010–2019
姉妹のきずな―わたしたちは何と互いを必要としていることでしょう
2014年4月


姉妹のきずな―わたしたちは何と互いを必要としていることでしょう

互いとの違いばかり見るのをやめて,共通点を探すべきです。

ビデオの中で8つの国と9つの言語が出て来ました。最後にはさらに幾つの言語が加わったかを考えてみてください。世界中で結ばれた姉妹として声をあげ,わたしたちは愛あふれる天の御父の娘であるという永遠の真理を証できたことに胸が高鳴ります。

この歴史的な集会に参加し,教会の8歳以上の全ての女性に向けて話せることは,何と大きな特権でしょう。今夜わたしたちが結束していることに大きな力を感じます。今こうしてカンファレンスセンターに集まっている皆さんを見て,そして世界各地でこの放送を視聴している何千人という皆さんの姿を想像すると,イエス・キリストに対するわたしたちの証と信仰が結集して生まれる力が,教会の歴史上,あるいは世界の歴史上,最も信仰深い,強力な女性が集っているこの集会に満ちていることがよく分かります。

今夜,わたしたちは教会の女性が担う様々な役割に喜びを感じます。わたしたちはそれぞれ異なる,特別な存在ですが,全員が同じ天の御父の娘であり,姉妹であることも知っています。どのような状況に置かれていようと,わたしたちは神の王国の構築と,交わした聖約において一つになっています。この合同の集会は,間違いなく地上で最も栄えある姉妹のきずなの表れです。1

姉妹であるということは,わたしたちの間に切っても切れないきずながあるということです。姉妹は互いの世話をし,互いを気に掛け,慰め合い,楽しいときも苦しいときも助け合います。主は次のように言われました。「わたしはあなたがたに言う。一つとなりなさい。もしも​あなたがた​が​一つ​で​なければ,あなたがた​は​わたし​のもの​で​は​ない。」2

サタンはわたしたちが互いに批判したり,裁いたりすることを望んでいます。それぞれの違いに目を向け,互いを比べることを望んでいるのです。皆さんは毎日1時間元気に運動することが気持ち良くて好きかもしれませんが,わたしにとってはエレベーターに乗らないで一つ上の階まで階段を上ることすら大ごとです。それでもわたしたちは友達でいられますよね。

わたしたち女性は,特に厳しい目で自分を見ることがあります。人と自分を比べると,自分は不十分だと感じたり,人に腹を立てたりします。以前,パトリシア・T・ホランド姉妹は次のように述べています。「つまり,わたしたちはクリスチャンと名乗りながら互いを―あるいは自分を―厳しい目で裁き続けることはできません。」3ホランド姉妹はさらに,わたしたちが思いやりと姉妹同士のきずなを手放すに値するようなものは何もないと語っています。ただ肩の力を抜いて,神から受け継いだ個々の違いを喜ぶ必要があります。全ての姉妹が自分の特別な才能や賜物を使ってそれぞれの方法で王国で奉仕したいと望んでいることをよく理解しなければなりません。そうすれば,姉妹同士のきずなや交わりを喜ぶことができ,仕え始めることができるのです。

実際のところ,わたしたちは実に互いを必要としています。女性は生まれつき,友情や心の支え,仲間を求めます。互いから学ぶことがたくさんあるのに,自ら壁を作って,人生で最大の祝福となり得る関係を築けなくしてしまうことがよくあります。例えば,少し年配のわたしたちは,初等協会の皆さんが持っているものを必要としています。キリストのように奉仕し,愛することについて,皆さんからたくさんのことを学べます。

最近,サラという名前の女の子について,すてきな話を聞きました。サラの母親は同じワードのブレンダという女性を助ける機会がありました。ブレンダは多発性硬化症を患っていました。サラは母親と一緒にブレンダの手伝いに行くのが大好きでした。ブレンダがしばしば痛みで苦しむので,サラはブレンダの手にローションを塗り,指や腕をマッサージしました。その後,サラはブレンダの腕を優しく頭の上に伸ばして筋肉を動かす方法を覚えました。母親がブレンダの他の用事を済ませている間に,ブレンダの髪をとかし,おしゃべりをしました。サラは人に奉仕する大切さと喜びを学び,子供であっても誰かの人生に大きな違いをもたらすことができることを知りました。

わたしはルカ1章 に書かれている話が好きです。そこには,イエスの母マリヤと,いとこのエリサベツのすばらしい関係が描かれています。神の御子の母親になるという驚くべき使命を告げられたとき,マリヤは若い女性でした。初めは,一人では背負い切れないほど重い責任のように感じたことでしょう。主御自身が,マリヤが重荷を分かち合える人を用意されました。天使ガブリエルの御告げを通して,信頼でき思いやりのある女性,その人にならマリヤが支えを求められるような女性の名前が告げられました。すなわち,いとこのエリサベツでした。

この若い女性と彼女の「年老いていた」4いとこは,奇跡的な妊娠をしたという共通点がありました。二人がともに過ごした3か月は,ともに語り合い,共感し合い,それぞれの特別な召しにおいて支え合う,どちらにとっても非常に貴重な時間だったことでしょう。二人は,異なる世代の女性が養い合う姿を表したすばらしい模範です。

わたしたち少し年配の姉妹は,若い世代に大きな影響を及ぼすことができます。わたしの母が幼かったころ,彼女の両親はどちらも教会に活発ではありませんでした。母はまだ5歳だったにもかかわらずで,一人で教会まで歩き,初等協会と日曜学校,聖餐会に出席しました。当時,それらの集会はそれぞれ別の時間に開かれていました。

最近わたしは母に,家族の支えや励ましがない中,毎週毎週,どうして教会に行っていたのか尋ねました。母はこう答えました。「わたしを愛してくれた初等協会の教師がいたのよ。」教師たちは母を気にかけ,彼女に福音を教えました。母を愛してくれる天の御父がおられることを教え,母が毎週通い続けられるように心に掛けてくれました。母はわたしにこう言いました。「わたしの子供時代で,最も大切な影響だったわ。」このすばらしい姉妹たちにいつかお礼を言うことができればと思います。キリストのような奉仕をするのに年齢の壁はありません。

数週間前,わたしはカリフォルニア州のあるステークの若い女性会長に会いました。彼女は,81歳になる自分の母親が最近マイヤメイドのアドバイザーに召されたことを教えてくれました。大変感銘を受けたわたしは,彼女の母親に電話をかけることにしました。バル・ベーカー姉妹がビショップから会いたいと言われたとき,ベーカー姉妹は図書委員かワード歴史委員に召されるのだろうと楽しみにしていました。しかし,ビショップが若い女性のマイヤメイドアドバイザーとして奉仕してほしいと言ったので,彼女は「本当によろしいのですか」と聞き返しました。

ビショップは真剣な面持ちでこう答えました。「ベーカー姉妹,間違いありません。これが主からの召しです。」

ベーカー姉妹の答えはただ一つでした。「もちろんお受けします。」

この熟年の姉妹の知恵と経験,そして生涯にわたって示してきた模範から,ワードの4人のマイヤメイドが多くのことを学べると感じたこのビショップの霊感に感謝します。ベーカー姉妹がフェイスブックを始めるときに,誰に助けを求めるかは想像できますね。

最近まで若い女性にいた若い姉妹を迎え入れるとき,扶助協会の姉妹は大きな助けとなれると思います。若い姉妹は,扶助協会に居場所がない,あるいは扶助協会の姉妹と共通点がないと感じることがよくあります。彼女たちが18歳になるまでに,若い女性指導者や母親が扶助協会の祝福について喜びをもって証することが必要です。若い女性は,このような栄えある組織の一員となることを楽しみにする必要があります。若い女性が扶助協会に出席し始めるとき,一番必要なのは,隣に座る友達や支えてくれる人,そして教え仕える機会です。人生の転機や節目に,互いに助けの手を差し伸べようではありませんか。

年齢や文化の違いを超えて,人々に祝福をもたらし奉仕する教会の全ての女性に感謝します。若い女性は初等協会の子供たちや年配の姉妹に仕えています。あらゆる年齢の独身の姉妹が,多くの時間を費やして,周りの人の必要を気に掛けています。世に福音を宣べ伝えるために1年半の時間をささげている何千人もの若い女性がいることを知っています。これらは全て,大好きな賛美歌にあるとおり,女性が「天使の務め〔に〕いそし〔んで〕」いることを表すのです。5

もし何か壁があるとすれば,それはわたしたち自身が作り出しているものです。互いとの違いばかり見るのをやめて,共通点を探すべきです。そうすれば,自分たちの大きな可能性に気づき,この世で最も偉大な善を成し遂げられるでしょう。以前,マージョリー・P・ヒンクレー姉妹は次のように述べました。「わたしたちは何と互いを必要としていることでしょう。年配の姉妹には若い姉妹が必要です。そして,若い皆さんにもわたしたち年長者が必要であってほしいと思います。女性に女性が必要なことは社会学的な事実です。わたしたちには互いとの深い,満足のいく,誠実な友情が必要です。」6ヒンクレー姉妹の言うとおりです。わたしたちは何と互いを必要としていることでしょう。

姉妹の皆さん,わたしたちが末日聖徒の女性として享受している祝福より大きな祝福を得られる女性のグループは,世界のどこにもありません。わたしたちは主の教会の会員であり,各自の状況にかかわらず,全ての姉妹がバプテスマや神殿で交わした聖約を守ることによって神権の力がもたらす祝福を余すところなく受けられます。わたしたちには教え導く生ける預言者がいて,また生活の中で慰めと導き手となる偉大な聖霊の賜物を受けています。家庭や家族を強めるとき,義にかなった兄弟たちと力を合わせて働く祝福を受けています。神殿の儀式の強さと力,そしてさらに多くのものを受けています。

これらの偉大な祝福を味わうことに加え,わたしたちには互いが,すなわちイエス・キリストの福音における姉妹が与えられています。わたしたちは優しい,慈愛に満ちた性質に恵まれていて,それによってキリストのような愛と奉仕を周りの人にささげることができます。年齢や文化,状況の違いを超えて,互いを養い仕え合うとき,キリストの純粋な愛と,いつ誰に奉仕すべきか教える霊感に満たされるでしょう。

以前,ある中央扶助協会会長が語ったことを皆さんにお勧めします。「互いへの愛を増し加えるだけでなく,心から愛してください。」7わたしたちがどれほど互いを必要としているかに気づき,その愛を一層よく示し合えますように。イエス・キリストの御名により,アーメン。

  1. バーバラ・B・スミス “The Bonds of Sisterhood”,Ensign,1983年3月号,20-23参照

  2. 教義と聖約38:27

  3. パトリシア・T・ホランド“One Thing Needful’: Becoming Women of Greater Faith in Christ”,Ensign,1987年10月号,29

  4. ルカ1:7

  5. 「シオンの娘」『賛美歌』195番

  6. Glimpses into the Life and Heart of Marjorie Pay Hinckley,バージニア・H・ピアス編(1999年),254-255

  7. ボニー・D・パーキン「その良い方―愛することを選ぶ」『リアホナ』2003年11月号,106