2010–2019
善を行うように導く御霊を信頼しなさい
2016年4月


善を行うように導く御霊を信頼しなさい

純粋な愛によって,主の代わりに人々に仕えるなら,救い主に近づくことができます。

わたしはこの夕べに皆さんとともに礼拝し,深く考え,献身できることを感謝します。わたしたちは今晩ともに祈りました。愛にあふれる天のお父様は,わたしたちの祈りを聞いてくださいました。わたしたちは主を賛美する歌に心震わせ,救い主,主イエス・キリストを思い起こしました。天の御父の子供たちを高め,助けるという主の御業のために,もっと努力したいという霊感を受けました。

救い主がわたしたちのためにしてくださったことに感謝するとき,人に仕えたいという望みが増します。だからこそ,わたしたちはあの歌詞を聴くと胸がいっぱいになるのです。「主の恵み,人にも分かたん。」1ベニヤミン王はモルモン書に記された偉大な教えの中で,そのような感謝の気持ちが確かにもたらされると約束しました(モーサヤ2:17-19参照)。

イエス・キリストを信じる信仰によって,主の赦しという喜びを受けるにふさわしい者となるよう導かれるとき,人は主に代わり誰かに仕えたいと望むようになります。ベニヤミン王の教えによると,赦しとは一度に達成されるものではありません。

彼はこう述べています。「さて,あなたがたに語ってきたこれらのことのために,すなわち,神の御前を罪なく歩めるよう,日々罪の赦しを続けて受けるために,自分の持っている分に応じて,それぞれ持ち物を貧しい人に分け与えるようにしてほしい。例えば,飢えている人に食べさせ,着る物のない人に着せ,病人を見舞い,各々の入り用に応じて霊的にも物質的にも助けを与えることである。」(モーサヤ4:26

アルマの偉大な同僚アミュレクも,赦しを保つには主への奉仕を続ける必要があるという真理を教えました。「さて見よ,わたしの愛する同胞よ,あなたがたに言う。これですべてであると思ってはならない。これらのことをすべて行っても,もし乏しい人や着る物のない人を追い払ったり,病気の人や苦しんでいる人を見舞わなかったり,自分には持ち物がありながら,それを必要としている人々に分け与えなかったりするならば,あなたがたに言うが,もしあなたがたがこれらのことのどれも行うことがなければ,見よ,あなたがたの祈りはむなしく,何の役にも立たない。あなたがたは信仰を否定する偽善者と同じである。」(アルマ34:28

今夜わたしは身近な女性たちについて考えています。わたしの家族には,妻を筆頭として,最近生まれたばかりの3人の孫とひ孫も含めると,31人の女性がいます。その数は今も増え続けており,何人かは今夜ここにいます。そのうちの5人は12歳以下です。彼女たちにとって,救い主の教会の姉妹たちとともにカンファレンスセンターに集うのはこれが初めてです。彼女たちはそれぞれ,今晩の経験を通じて何かを記憶し,何かを決意することでしょう。

特に3つの記憶と3つの決意が,彼女たちの心に生涯を通じて,また永遠に残ってほしいと願っています。3つの記憶とは,3つの気持ちです。3つの決意とは,行うべき3つの事柄です。

君たちに記憶してほしい最も大切な気持ちは,愛だよ。君たちは,今日話をしてくれた偉大な指導者の姉妹たちから愛を感じたね。君たちは,会ったこともない指導者たちの愛を御霊によって感じたね。それは,天のお父様と救い主が君たちを愛しておられるその愛を,指導者たちが感じていたからなんだよ。だからこそ指導者は君たちに仕えたいと願い,神が君たちのために用意しておられる祝福を得てほしいと願っているんだ。

君たちは今夜他の人にも愛を感じているね。それは,友達やクラスメート,近所の人や出会ったばかりの,まだよく知らない人かもしれない。その愛の気持ちは神様からの贈り物だよ。聖典はそれを「慈愛」や「キリストの純粋な愛」と呼んでいるんだ(モロナイ7:47)。君たちは今夜その愛を感じたし,求めればいつも受けることができるんだよ。

君たちが今夜感じた2つ目の気持ちは,聖霊の影響力だよ。今日姉妹たちは,主が君たちに望んでおられる奉仕の機会に気づくように,聖霊が導いてくださると約束してくれたね。それは本当に主の約束であると,君たちは御霊によって感じたね。

主はこう言われたんだ。「さて,まことに,まことに,わたしはあなたに言う。善を行うように導く,すなわち,公正に行動し,へりくだって歩み,義にかなって裁くように導く御霊を信頼しなさい。これはわたしの御霊である。」(教義と聖約11:12

君たちは今夜その祝福を受けたかもしれないね。例えばこの集会の間に,助けが要る人の名前や顔が思い浮かんだかもしれない。今はただの気持ちだけかもしれないけど,今夜聞いたお話に励まされて,神様が君たちに期待しておられる,善い行いに導いてくださることを信じながら,そのことについて祈るといいよ。いつもそう祈るようになれば,君たちや他の人たちは,もっと善い人になれるだろう。

君たちが今夜感じた3つ目の気持ちは,救い主に近づきたいという気持ちだよ。ここにいる一番年下の女の子でも,あの歌の招きは本当だと感じただろうね。「『われに来よ』と言う,救い主に行かん。」2

この3つの気持ちを大切にしながら最初にする決意は,自分は独りではないことを胸に刻んで奉仕をするということだよ。救い主の代わりに行って誰かを慰めたり,奉仕をしたりするとき,主は君たちの前に道を備えてくださるんだ。今夜ここにいる帰還宣教師たちに聞けばよく分かるけど,それは,ドアの向こう側にいる人たちがいつも君たちを歓迎してくれるとか,君たちが仕えようとする人たちがいつも感謝してくれるということではないんだ。でも,主は君たちの先に行って,道を備えてくださるよ。

トーマス・S・モンソン大管長は,主の次の約束が本当だと何度も話してきたんだ。「そして,あなたがたを受け入れる者がだれであろうと,わたしもそこにいるであろう。わたしはあなたがたに先立って行こう。わたしはあなたがたの右におり,また左にいる。わたしの御霊はあなたがたの心の中にある。また,わたしの天使たちはあなたがたの周囲にいて,あなたがたを支えるであろう。」(教義と聖約84:88

主は,いろいろな方法で君たちの先を行ってくださるけれど,その方法の一つは,誰かに仕えるよう君たちに頼むとき,相手の人の心を備えてくださるということなんだ。主は君たちの心も備えてくださるんだよ。

主は君たちのそばに,右に,左に,君たちの周りを取り囲むように,助けとなる人を置いてくださるということが,君たちにも分かるだろう。主のために人に仕えるとき,君たちは独りではないんだ。

主は今夜わたしにそうしてくださったんだよ。主はわたしを通してお話しになりたいことをもっと力強いものとするために,言葉と音楽によって,「多くの証人に雲のように」(ヘブル12:1)囲まれるようにしてくださったんだ。わたしは,主が用意されたものに言葉を添えるだけでよかったんだよ。主に代わって仕えるために,主が君たちを他の人と一緒に働かせてくださるとき,君たちが感謝と喜びを感じられるように祈っているよ。

君たちはそのような経験をたくさんして,主の助けに気づいて,「わが神,わが王,たたえて感謝せん」3とにっこりしながら歌うだろうね。

そして,次の聖句も思い出してにっこりするだろうね。「すると,王は答えて言うであろう,『あなたがたによく言っておく。わたしの兄弟であるこれらの最も小さい者のひとりにしたのは,すなわち,わたしにしたのである。』」(マタイ25:40)

2つ目に決意してほしいことは,主に代わって奉仕をするときに,主を覚えることだよ。主は先に行って,一緒に働く天使を遣わしてくださるだけでなく,わたしたちが誰かを慰めるとき,まるで御自分が慰められたかのように感じてくださるんだ。

この集会で聞いたメッセージを信じる一人一人の神の娘たちは,きっとこう尋ねることだろう。「困っている人をお助けになる主のお手伝いをするために,主はわたしに何をするよう求められるでしょうか。」姉妹たちは一人一人違うんだよ。それは,わたしの娘や義理の娘たち,さらにその娘やそのまた娘たちにも当てはまるんだ。彼女たちに,そして天のお父様の全ての娘たちに,リンダ・K・バートン姉妹の賢明な助言を繰り返そうね。

「置かれた状況の中で主が自分に何を期待しておられるかを理解するために,信仰をもって祈ってください。」それからバートン姉妹は,主がある女性に与えられたすばらしい慰めが君たちにも与えられると約束したんだよ。その女性は,高価な油を主の頭に塗ったとき,その油を売って貧しい人を助けるべきだったと,他の人々からとがめられたんだ。

「するとイエスは言われた,『するままにさせておきなさい。なぜ女を困らせるのか。わたしによい事をしてくれたのだ。

貧しい人たちはいつもあなたがたと一緒にいるから,したいときにはいつでも,よい事をしてやれる。しかし,わたしはあなたがたといつも一緒にいるわけではない。

この女はできる限りの事をしたのだ。すなわち,わたしのからだに油を注いで,あらかじめ葬りの用意をしてくれたのである。

よく聞きなさい。全世界のどこででも,福音が宣べ伝えられる所では,この女のした事も記念として語られるであろう。』」 (マルコ14:6-9)

この聖句は,騒々しい時代に生きる主の王国の忠実な姉妹たちに向けられた,優しく賢明な助言なんだよ。御父が御自身と救い主の代わりに,誰に向けて君たちを愛による奉仕へと遣わそうとしておられるかを知るために祈るんだよ。マルコの聖句のあの女性の模範に倣って,名声を求めないようにするんだよ。彼女については,世の救い主を称えるその聖なる行為が覚えられているだけで,その名前は誰も知らないんだからね。

我が家の姉妹たちが,神への愛に動かされて,助けを必要とする人々に最善を尽くして仕えることを願っているよ。そして,決意してほしい3つ目のことは,自分がした善い働きについて慎み深くあることなんだ。彼女たちが主の次の勧告を受け入れてくれるように祈っているよ。わたしたち皆が,耳を傾ける必要のあることなんだ。

「自分の義を,見られるために人の前で行わないように,注意しなさい。もし,そうしないと,天にいますあなたがたの父から報いを受けることがないであろう。」

それから主はこう言われたんだ。

「あなたは施しをする場合,右の手のしていることを左の手に知らせるな。

それは,あなたのする施しが隠れているためである。すると,隠れた事を見ておられるあなたの父は,報いてくださるであろう。」(マタイ6:1,3-4)

王国の姉妹たちが,どこにいるか,どのような状況にあるかにかかわらず,救い主に対する信仰と主の贖罪に対する感謝により導かれ,神から仕えるようお願いされる人々に仕えるため,自分にできる全てを行うことができるように祈っているよ。そうするならば,彼女たちは聖なる女性となる道をたどり,将来,救い主と天のお父様は彼女たちを温かく迎え,皆の前で報いてくださると約束するよ。

この教会が復活されたイエス・キリストの教会であることを証します。主は復活され,万人の罪の代価を支払われました。主のおかげで復活して永遠の命を得られることを知っています。トーマス・S・モンソン大管長は,主の生ける預言者です。天のお父様は,わたしたちの祈りを聞き,こたえてくださいます。純粋な愛によって,救い主の代わりに人々に仕えるなら,救い主に近づくことができると証します。わたしはこの確かな証を皆さんにお伝えします。イエス・キリストの御名により,アーメン。

  1. 「主の恵み,人にも分かたん」『賛美歌』138番

  2. 「われに来よ」『賛美歌』66番

  3. 「わが神,わが王」『賛美歌』87番