セミナリー・インスティテュート
第11課—永遠の結婚に備える


第11課

永遠の結婚に備える

はじめに

ヤングシングルアダルトはイエス・キリストの福音に従って生活するときに,将来を楽しみにし,希望を持って自分の人生を生きることができます。彼らが主からの指示を求めるとき,天の御父は永遠の結婚について決断する際に導いてくださいます。このレッスンは,主から天の援助を受けることができると知ることにより,生徒がより大きな自信をもって結婚に臨むのに役立ちます。

背景となる読み物

教えるための提案

教義と聖約88:40

結婚への備え

将来の伴侶に求める特性のリストを作ったことがある生徒に手を挙げてもらいます。数人の生徒に,そのリストにある特性を幾つか発表してもらいます。

十二使徒定員会のデビッド・A・ベドナー長老が語った次の言葉を見せて,それを一人の生徒に声に出して読んでもらいます。

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〔デビッド・A・ベドナー長老の画像〕

「一部の若い人たちは,伴侶に求める特性の買い物リストを持っており,それによって潜在能力を測定しているように見えます。『あなたはわたしが求めるものを全て持っていますか。』あなたが特定の霊的な資質を持っている永遠の伴侶を持つことを望むなら,あなた自身がこれらの霊的な資質を育むために努力しなければなりません。そうするなら,これらの資質を持っている誰かがあなたに魅力を感じることでしょう。」(“Understanding Heavenly Father’s Plan,” LDS.org〔英語〕)

  • ベドナー長老の言葉の中から,どのような原則を学べるでしょうか。(生徒が次の原則を確実に見つけるようにします。特定の霊的な資質を持っている永遠の伴侶を持つことを望むなら,自分自身がこれらの霊的な資質を育むために努力しなければならない。

生徒たちに教義と聖約88:40を読み,この節はどのような点でたった今確認した原則を裏付けるのか見つけるように言います。

  • 結婚を追い求めている人は,この節に記録された真理をどのように応用することができるでしょうか。

  • 若い人々が自分の友人を選ぶ際に,この節にある真理をどのように応用したのを見たことがありますか。

生徒に,将来の伴侶の中に見いだしたいと思う資質について考えるように言います。生徒に,その同じ資質を自分は持っているかどうか考えてもらいます。自分自身をさらに結婚に備えるため,教義と聖約88:40にある原則を用いる方法について考えるよう生徒に言います。

マルコ5:35-36;教義と聖約約6:36

「恐れることはない。ただ信じなさい」

生徒に質問します。

  • 結婚についてどのようなことを楽しみにしていますか。

  • 若い人々が結婚について恐れを感じてしまう原因となり得るものにはどのようなものがあるでしょうか。(答えをホワイトボードに書きます。)

一人の生徒に,十二使徒定員会のジェフリー・R・ホランド長老の次の話を声に出して読んでもらいます。残りの生徒には,若い人々が結婚について恐れを感じてしまう理由に耳を傾けるように言います。

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〔ジェフリー・R・ホランド長老の画像〕

「極端な場合,〔若い人々は〕今すぐにでも,世界が流血と災害,すなわち伴侶や子供を巻き込みたくない悲惨な状態で終わるのではないかと恐れています。それほど深刻でない場合,より標準的な場合でも,世の中の情勢は益々難しくなり,就職はほとんど不可能になるのではないか,また大学を卒業し,教育ローンを返済し,就職し,家を持ってからでなければ結婚について考えるべきではないのではないかと恐れているのです。 ……

さらには,わたしが話しかけた実に大勢の若人が,実際結婚したとしても,離婚に関する統計の一部となるだけ……ではないかと恐れているのです。……結婚の成功に関するそのような不信感と,映画やテレビで何度も繰り返し描かれる,純潔,貞潔,家庭生活に対する下品で,汚れた,そしてしばしば悪魔的な嘲笑とをつなぎ合わせると,何が問題なのか見えてきます。」(「『恐れることはない。ただ信じなさい』」〔ジェフリー・R・ホランド長老との夕べ,2015年2月6日〕,lds.org/broadcasts

  • ホランド長老が言及した理由の一つによって結婚を恐れている人を誰か知っていますか。

生徒に,教義と聖約6:36を読み,オリバー・カウドリに対する主の勧告をどのように永遠の結婚に備えることに応用できるか考えてもらいます。次に,一人の生徒にマルコ5:35-36を声に出して読んでもらいます。会堂司であったヤイロはイエスのもとにやって来て,主に娘を癒やしてほしいと願ったことを説明します。ヤイロに対する救い主の励ましは,結婚の備えをしている人々にどのように応用できるか,クラスの生徒に考えてもらいます。

  • 「あらゆる思いの中で」主を仰ぎ見ることは,どのようにわたしたちが自分の将来を考えるときに「疑〔わず,〕恐れ〔ない〕」でいられる助けとなるでしょうか。

  • オリバー・カウドリとヤイロに対する主の勧告は,結婚することについて恐れを持っている人々をどのように助けるでしょうか。(生徒が答えている間に,ホワイトボードに次の原則を書きます。イエス・キリストを信仰をもって仰ぎ見るなら,わたしたちは恐れを克服し,将来に自信を持つことができる。

ジェフリー・R・ホランド長老が述べた次の言葉を紹介します。クラスの生徒には,ホランド長老とホランド姉妹が結婚するときに,結婚することを選ぶためには信仰が必要であった理由に耳を傾けるよう言います。

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〔ジェフリー・R・ホランド長老の画像〕

「〔ホランド姉妹とわたしが〕結婚したとき,二人とも,まだBYUの学生でした。どちらの親もわたしたちの面倒を見ることは全然できませんでした。将来,大学院に行くことなど夢のまた夢でした。結婚式の日,二人の手持ち金は合計300ドルだったのです。そんな状況で結婚生活を始めるのはとんでもないことだったかもしれません。しかし,実にすばらしい結婚生活でした。正しいことだと分かっているのに,実際より1日長く結婚を延ばしていたら,どのような機会を失っていたでしょう。……後になってジェームズ・E・ファウスト管長が決してしてはならないと何度も繰り返し教えてくれたのですが,『恐れのために誤った選択を〔して〕』いたらわたしたちは何を失っていただろうと考えると身震いします。」(「『恐れることはない。ただ信じなさい』」

  • ホランド長老姉妹の状況は,どのような点で今日の多くの若い人々の状況と似ているでしょうか。

  • 「恐れのために誤った選択をする」とはどういう意味でしょうか。なぜこれが意思決定を行うには悪い方法なのでしょうか。

一人の生徒に,次のトーマス・S・モンソン大管長の証と約束を声に出して読んでもらいます。

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〔トーマス・S・モンソン大管長の画像〕

「愛する兄弟姉妹,恐れてはなりません。元気を出してください。未来は皆さんの信仰と同じく希望に満ちています。」(「元気を出しなさい」『リアホナ』2009年5月号,92)

  • この預言者の励ましについて深く考えるとき,将来についてどのような思いや感情を持ちますか。

レッスンのこの部分を応用する方法を生徒が熟考するよう助けるために,自分は結婚することについて幾らかでも恐れを抱いているかどうか考えるように言います。将来についての恐れを主に対する信仰と置き換える方法について深く考えてもらいます。

教義と聖約6:22-238:2-39:7-911:12-14

結婚する相手を選ぶ際に神の導きを求める

ゴードン・B・ヒンクレー大管長(1910-2008年)の次の声明を見せ,一人の生徒に声に出して読んでもらいます。

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〔ゴードン・B・ヒンクレー大管長の画像〕

「皆さんが結婚する相手を選ぶことは,人生の中で最も重要な決断です。神殿で結婚することに代わるものはありません。……ふさわしい人と,ふさわしい場所で,ふさわしいときに結婚してください。」(「人生の責務」『リアホナ』1999年5月号,4)

  • 結婚する相手について,どうしたらこの最も重要な決断を正しく下すことができるでしょうか。

生徒に二人一組になってもらいます。各組に次の聖句を一緒に読むよう割り当てます。教義と聖約6:22-238:2-39:7-911:12-14。(これらの節は,個人的な啓示を受ける方法について繰り返されるテーマの一例です。そのような例は教義と聖約の初期の章に多く見られます。「テーマとは,書物全体を織り成す糸のように,繰り返し登場し,全体をまとめる特徴や概念のことです。」〔デビッド・A・ベドナー,「生ける水の源」(ブリガムヤング大学ファイヤサイド,2007年2月4日),5,speeches.byu.edu〕)

生徒に,教義と聖約の聖句を研究する際,次の状況を考慮するように言います。あなたの友人がある人とある程度の時間付き合っており,その人と結婚すべきかどうか助言を求めにあなたのもとにやって来たと想像してください。あなたは友人にどうするよう助言するでしょうか。

生徒が聖典を研究する時間を取ってから,各組のうちの一人の生徒に,現在付き合っている人がいる友人の役をやってもらいます。各組のもう一方の生徒には,これらの節がどのように友人が決断を下す助けとなるのか説明してもらいます。この活動が終わってから,決断を下すことについての次の原則を生徒が理解していることを確かめます。わたしたちは心の中で決断を「考え抜き」,最善の決断を行い,決断が正しいかどうか神に尋ねるべきである。その後,平安と喜びが心と思いにもたらされるなら,その決断は良いものである。以下の原則を強調します。決断を下すときに主の導きを求めるなら,自分の選択が正しい場合,主はわたしたちの思いに告げ,心を平安と喜びで満たしてくださる。

  • 個人の啓示を受けることについてこれらの節が教えている事柄が真実であることをどのようにして知るようになりましたか。

次のような状況に対応する方法を検討するよう生徒に言います。あなたが付き合っている人は,決断を下すために今までこのプロセスに従っており,そのうえで自分たち二人が結婚すべきであるという印象を受けていると説明しています。

十二使徒定員会のダリン・H・オークス長老の言葉を見せて,生徒の一人にその言葉を読み上げてもらいます。

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〔ダリン・H・オークス長老の画像〕

「『わたしはあなたがわたしの永遠の伴侶になるという啓示を受けました。ですから,あなたはわたしと結婚しなければなりません』というようなことを言う男性がいることをよく耳にします。もしそれが真実の啓示なら,相手の女性が本当に知りたいと思ったときに,直接啓示による確認を与えられるはずです。ですから,前述のような啓示に気を留める必要はありません。女性も自分自身で導きを求め,決定を下すべきなのです。また,男性側も自分の取るべき行動について導きを求め,啓示を受けることはできますが,女性に指示するための啓示を受けることはできません。自分の管理権外のことなのです。」(“Revelation”〔ブリガム・ヤング大学ディボーショナル,1981年9月29日〕,6,speeches.byu.edu〔英語〕)

信仰の目をもって永遠の結婚を楽しみにしているなら,平安を感じることができることを生徒に証します。このレッスンで述べられた原則を使って,永遠の結婚という輝かしい機会に備えるよう,生徒を励まします。

生徒の読書課題