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福音の回復


福音の回復

イエス・キリストはこの世におられたときに,イエスに従う人々の間に御自身の教会を確立されました。しかし,イエス・キリストが十字架にかけられ,使徒たちが亡くなった後に背教が広まったため,完全な福音はこの世から取り去られてしまいました(「背教」の項,153-154参照)。多くの人々が何世紀にもわたる大背教の時代に完全な福音の真理を探し求めましたが,見いだすことができませんでした。多くの人々が誠意を込めて救い主とその教えについて説きましたが,完全な真理を知り,神から神権の権能を授かっている人が一人もいませんでした。

大背教は霊的な暗黒の時代でしたが,今わたしたちは「キリストの栄光の福音の輝き」にあずかることのできる時代に住んでいます(2コリント4:4。教義と聖約45:28も参照)。完全な福音が回復され,イエス・キリストの真の教会が再び世にもたらされました。この教会に匹敵する組織はほかにありません。回復は,善意ある人々が変化をもたらそうと全力を尽くした改革の結果ではありません。イエス・キリストによって確立された教会が回復されたものなのです。天の御父とその愛する御子の業なのです。

末日聖徒イエス・キリスト教会の会員であるあなたは,この世からおよそ2,000年の間取り去られていた祝福を受けることができます。バプテスマと確認の儀式を通して,罪のゆるしを受け,聖霊を常にはんりょとする祝福を享受することができます。完全で分かりやすい福音に従った生活を送ることができます。神会の属性,イエス・キリストのあがない,この地上における人生の目的や死後の生活が確かにあることについて理解することができます。現代における神の御心みこころを教える生ける預言者によって,導きを受ける特権もあります。神殿の儀式を通して,導きと平安を受け,永遠の命に備え,永遠にわたって家族と結び固められ,亡くなった先祖のために救いの儀式を執行することができます。

回復にまつわる出来事

  • 次の概説は,福音の回復と,主が「全地の面に唯一まことの生ける教会」と宣言された末日聖徒イエス・キリスト教会の確立に関する,幾つかの重大な出来事を要約したものです(教義と聖約1:30)。

  • 1820年の早春。イエス・キリストの真の教会を探し求める14歳の少年ジョセフ・スミスは,ニューヨーク州パルマイラにある家の近くの森の中で祈った。ジョセフの謙遜けんそんな祈りにこたえて,天の御父とイエス・キリストが姿すがたを現し,その当時地上にあったどの教会にも加わらないようにと命じられた(ジョセフ・スミス-歴史1:11-19参照)。教会ではこの経験をジョセフ・スミスの最初の示現と呼んでいる。

  • 1823年9月21日-9月22日。ジョセフ・スミスはモロナイという名の天使の訪れを受けた。モロナイは将来の出来事について預言し,金版に刻まれたモルモン書という記録についてジョセフに語った。この天使はジョセフに金版を見ることを許した。この金版はクモラの丘の近くに埋められていた(ジョセフ・スミス-歴史1:27-53参照)。

  • 1827年9月22日。このときまでの4年間,毎年9月22日にモロナイと会って話をしたジョセフ・スミスは,クモラの丘でモロナイから金版を受け取った(ジョセフ・スミス-歴史1:53,59参照)。

  • 1829年5月15日。金版の翻訳に取り組んでいたときに,罪のゆるしのためのバプテスマについて読んだジョセフ・スミスとその筆記者のオリバー・カウドリは,人里離れた場所に入って行き,この件について主に尋ねた。ペンシルベニア州ハーモニー近くを流れるサスケハナ河畔で,二人は祈りの答えを受けた。バプテスマのヨハネが復活体を身にまとい「光の雲の中をくだって来」た「天からの使者」として彼らの前に現れたのである。バプテスマのヨハネは彼らにアロン神権を授けた。その後,ジョセフとオリバーはバプテスマのヨハネの指示に従い,互いにバプテスマを施し,アロン神権に聖任し合った(ジョセフ・スミス-歴史1:68-72参照。教義と聖約13章も参照)。

  • 1829年5月。古代の使徒ペテロ,ヤコブ,ヨハネがジョセフ・スミスとオリバー・カウドリにメルキゼデク神権を授けた(教義と聖約128:20参照)。

  • 1829年6月。「神のたまものと力によって」導かれ(教義と聖約135:3),預言者ジョセフ・スミスはモルモン書の翻訳を完了した。

  • 1830年3月26日。モルモン書の初版がニューヨーク州パルマイラで入手できるようになった。

  • 1830年4月6日。教会がニューヨーク州フェイエット郡区で組織された。このときの教会員は6人であった。

  • 1836年3月27日。この神権時代に建設された最初の神殿,カートランド神殿が奉献された。預言者ジョセフ・スミスが奉献の祈りをささげた。この奉献の祈りは啓示によって与えられたものだった(教義と聖約109章参照)。

  • 1836年4月3日。救い主がカートランド神殿でジョセフ・スミスとオリバー・カウドリに姿すがたを現された。モーセ,エライアス,エリヤも現れて,ジョセフとオリバーに神権のかぎをゆだねた。エリヤは家族が永遠に結び固められるのを可能にする鍵を携えて来た(教義と聖約110章参照)。

教会の行く末

旧約聖書の預言者ダニエルは,神が「一つの国を立てられ」,それは「いつまでも滅びることがなく」「立って永遠に至る」と預言しました(ダニエル2:44)。この預言をしたときに,ダニエルは今日こんにちの地上における神の王国,末日聖徒イエス・キリスト教会について語っていたのです。組織されたとき,会員は6人だけでしたが,教会は成長し発展してきました。そして「全地に満ち」るまで発展し続けることでしょう(ダニエル2:35教義と聖約65:2も参照)。毎年,数え切れないほど多くの人々がバプテスマを受けています。モルモン書は多くの言語に翻訳されています。神殿も全世界の至る所に建てられています。イエス・キリストを教会のかしらとして,この世に救い主の再臨の備えができるまで,生ける預言者が教会の発展を導いていくのです。

預言者ジョセフ・スミスは回復によってもたらされた祝福について次のように語っています。「さて,わたしたちの受けた福音について,何を聞くでしょうか。喜びの声です。天からのあわれみの声,地からの真理の声,死者のための喜びのおとずれ,生者と死者のための喜びの声,胸躍る大いなる喜びのおとずれ。」(教義と聖約128:19