16 すると，彼かれらは言いった。「我われ々われには律りっ法ぽうと預よ言げん者しゃがある。我われ々われはこの男おとこを我われ々われの支し配はい者しゃとして受うけ入いれない。この男おとこは自みずから我われ々われの裁さい判ばん人にんとなっている。」

17 そこでイエスは彼かれらに言いわれた。「律りっ法ぽうと預よ言げん者しゃはわたしについて証あかししている。まことに，ヨハネに至いたるまで，記き録ろくを残のこしてきたすべての預よ言げん者しゃが，今いまの時じ代だいを預よ言げんしてきた。

18 それ以い来らい，神かみの王おう国こくが宣のべ伝つたえられ，真しん理りを求もとめる人ひとは皆みな，押おし進すすんでそこに入はいろうとしている。

19 しかし，律りっ法ぽうの一いっ画かくが落おちるよりは，天てん地ちの過すぎ去さる方ほうがもっとたやすい。

20 あなたがたは律りっ法ぽうを教おしえていながら，なぜ書かかれていることを否ひ定ていするのか。あなたがたすべてが贖あがなわれるように，律りっ法ぽうを成じょう就じゅしようとして御おん父ちちが遣つかわされた者ものを，なぜ非ひ難なんするのか。

21 おお，愚おろかな者ものたちよ。あなたがたは心こころの中なかで『神かみはいない』と言いう。そして正ただしい道みちを曲まげる。天てんの王おう国こくはあなたがたから激はげしく襲おそわれている。あなたがたは柔にゅう和わな者ものたちを迫はく害がいし，王おう国こくを襲おそって滅ほろぼそうとしている。そして，王おう国こくの子こらを奪うばい取とっている。姦かん淫いんを行おこなう者ものたちよ，あなたがたは災わざわいである。」

22 すると彼かれらは，姦かん淫いんを行おこなう者ものであると言いわれたことに腹はらを立たて，再ふたたびイエスをののしった。

23 しかし，イエスは続つづけて言いわれた。「すべて自じ分ぶんの妻つまを出だして他たの女おんなをめとる者ものは，姦かん淫いんを行おこなう者ものであり，また，夫おっとから出だされた女おんなをめとる者ものも，姦かん淫いんを行おこなう者ものである。あなたがたによく言いっておく。わたしはあなたがたを金かね持もちにたとえよう。