Journal of Discourses


Journal of Discourses は,末日聖徒イエス・キリスト教会の公式な出版物ではありません。 書き写されて出版された教会初期の説教,その他の資料を編集したものです。教義的な教えのみでなく実務面の教えも収録されていますが,中には推論の域を出ないものや,歴史的な価値のみが評価されて収録されている資料もあります。

その他の情報

Journal of Discoursesは,1854年から1886年の間にイギリスで出版されましたが,その過程で内容を書き写す際,写し間違いも見られました。この編著には,教義の説明も収録されていますが,様々な機会に行われた説教や葬式での説教,帰還宣教師の報告,祈り,旅の行程など,教会の中心人物ではない者に関する興味深い資料も入っています。Journal of Discourses は,ジョージ・D・ワット,デビッド・W・エバンズ,ジョージ・W・ギブ等,資料を書き写した人たちの指導の下で作成されました。

優れた速記の技術を駆使して,ジョージ・D・ワットは,数々の大会や説教を書き取ってデゼレト・ニュースに掲載しました。ジョージ・D・ワットはこの作業をほとんど無報酬で行いました。デゼレト・ニュースが一般に合衆国以外では購読できなかったため,ジョージ・D・ワットはそこに掲載した資料を購読誌に掲載して出版する案をブリガム・ヤングに提出しました。このような計画が実現すれば,さらに多くの聖徒たちが資料を読めるようになり,ワット自身も出版業で生計を立てることができるようになります。ブリガム・ヤングはこの計画を承認し,第1巻には,この定期刊行物の「購入と販売」を教会員が協力して行うことを奨励する趣旨の大管長会の手紙が掲載されました。

しかし,書き写しの正確さに疑問を呈する人たちが現れました。現代用いられているような書き写しの正確さを検証する科学技術や処理方法が当時はありませんでしたから,大きな間違いが文書になって掲載されることもありました。Journal of Discourses には,初期の教会指導者の興味深く洞察力に富んだ教えが収録されてはいますが,この雑誌そのものは,教会の教義を伝える公式の記録ではありません。