アダムとエバの堕落

2ニーファイ2：15－16を読んでください。堕落の状況についてよく理解できるようになると，選択の自由についてどのようなことが分かるでしょうか。自分自身のために悪ではなく善を選ぶことの大切さについて，どのようなことが学べるでしょうか。この聖句でリーハイが「誘われる」という言葉を使っていることに注目してください。今日わたしたちは，どのようにして善と悪の両方に誘われているでしょうか。このことは，救い主の必要性について何を教えているでしょうか。

ダリン・H・オークス管長は次のように言っています。

「父リーハイは，堕落がなければアダムとエバは『不幸を知らないので喜びもなく……罪のない状態にとどまっていたであろう』と教えています（2ニーファイ2：23）。死すべき世において反対のものを経験しなければ，幸福も不幸もなく，『すべての事物は混じりあって一つとならざるを得』ません（11節）。……

アダムが堕落したのは人が存在するためであり，人が存在するのは喜びを得るためである。』〔25節〕」¹

オークス管長の教えと，モルモン書にあるリーハイの教えから，反対のものの必要性について何が学べるでしょうか。

創世2：16－17；ヨシュア24：15，；アルマ30：8

ダリン・H・オークス「人に幸福を与える偉大な計画」『聖徒の道』1994年1月号，80－84

「アダムとエバの堕落と選択の自由という賜物」『Teachings and Doctrine of the Book of Mormon Teacher Material（モルモン書の教えと教義　教師用手引き）』32－38

モーセ5：11を読んでください。この節で，エバは堕落の経験から学んだことを端的に表現しています。わたしたちは，堕落のために世に苦痛と悩みが入り込んだと考えることがよくありますが，エバは特にそのようなことについては言っていません。なぜエバはこの聖句にあるような言葉で堕落について語ることにしたのだと思いますか。人生の目的について，わたしたちはエバから何を学ぶことができるでしょうか。

ラッセル・M・ネルソン大管長は次のように教えています。

「イエス・キリストがこの堕落した世に打ち勝ち，一人一人を贖ってくださったので，皆さんもこの罪に満ちた，利己的な，人を疲弊させることの多いこの世に打ち勝つことができ〔ます〕。

救い主が無限の贖罪を通してわたしたち一人一人を弱さや過ち，罪から贖ってくださり，さらに，皆さんが味わってきたあらゆる苦痛や不安，重荷を経験されたのですから，心から悔い改め，主の助けを求めるならば，皆さんはこの現在の不穏な世に打ち勝つことができます。」²

どうすればこの堕落した現世に打ち勝つことができるでしょうか。あなたが救い主に助けられて世に打ち勝つことができたのは，どのようなときでしたか。

グループでヨハネ3：16を読み，その後，この節はどういう意味だと思うか，グループの人たちに分かち合ってもらいます。その後，贖い主としてのイエス・キリストの役割について述べているモーセ5：9を読みます。グループの人たちに，神の愛と，堕落の影響に打ち勝つことを可能にしてくれるキリストの犠牲と復活の賜物について，これらの聖句から学んだことを分かち合ってもらいます。

アルマ7：11－13をグループで読み，堕落しているこの世で経験することを指す言葉を見つけましょう。例えば，「誘惑」や「病気」という言葉があるかもしれません。グループの人たちが見れるように，見つけた言葉のリストを作ります。次にもう一度聖句を読み，今度はキリストがわたしたちのためにしてくださったことを指す言葉を見つけます。見つけた言葉を，最初のリストの隣に書き出しましょう。この活動から，アダムとエバの堕落とイエス・キリストがわたしたちの救い主として持っておられる役割との関係について，どんなことが分かりましたか。

アルマ12：28－34

ジェフリー・R・ホランド「憐れみと愛の神の恵み」『リアホナ』2015年5月号，104－106

ロバート・D・ヘイルズ「救いの計画—わたしたちを導く神聖な知識の宝」『リアホナ』2015年10月号，32－39

神の計画において，相反するものがあることにより何が達成されるかを考えながら，2ニーファイ2：11，15を読んでください。これらの節から，相反するものがあることの必要性について，どんなことが分かるでしょうか。相反するものがあることの目的を理解することは，試練に対するあなたの考え方にどのような影響を与えるでしょうか。

堕落は苦しみと喜びの両方を世にもたらしました。1コリント15：21－22と2ニーファイ2：19－25を読み，堕落の後にすべての人が受けられるようになった祝福を見つけてください。これらの節から，人生の目的について何が学べるでしょうか。

現代の聖文から，アダムとエバが自分たちの背きについてどのように感じていたかが分かります。グループでモーセ5：10－11を読んでください。グループの人たちがアダムとエバが話しているのを想像できるように，10節を男性に，11節を女性に読んでもらうとよいでしょう。これらの聖句について感じたことをグループの人たちに話しましょう。アダムとエバは，イエス・キリストを信じる信仰を持っていたことがどんな助けになって，自分たちの背きについてそのような捉え方ができるようになったのでしょうか。

あなたに喜びをもたらしてくれるものは何でしょうか。グループの人に，この質問の答えを分かち合ってもらいましょう。次に，2ニーファイ2：25を一緒に読みます。リーハイが息子に，「人が存在するのは喜びを得るためである」と教えたのはなぜだと思いますか。アダムとエバの堕落は，喜びとどのような関係があるでしょうか。グループの人に，考えたことを分かち合ってもらいましょう。

創世2－4章；2ニーファイ2：15－26；2ニーファイ9：6－21；；モーサヤ3：11－16；アルマ12：21－35；アルマ22：12－14；アルマ42：2－15；教義と聖約29：34－44；モーセ3－5章；モーサヤ5：9－13

ダリン・H・オークス「人に幸福を与える偉大な計画」『聖徒の道』1994年1月号，80－84

ジェフリー・R・ホランド「憐れみと愛の神の恵み」『リアホナ』2015年5月号，104－106

「完全な福音—アダムとエバの堕落」『リアホナ』2006年6月号，8－9