セミナリー
使徒10章,第2部


使徒10章,第2部

啓示を受ける原則

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A young woman with a book in her lap and holding a candle looking over her shoulder at a bright light.

慈しみ深い天の御父はコルネリオとペテロに啓示を授けて,彼らが御心をよく理解できるよう助けられました。コルネリオとペテロは受けた啓示に従って行動し,さらなる光と知識を授けられました。この課を学ぶと,天の御父がどのようにして御心を明らかにしてくださるのかをよく理解することができるようになります。

生徒に質問してもらう。レッスン中に生徒にたくさん質問してもらうようにすると,生徒の必要なことに合わせたレッスンにしたり,生徒の興味を引くようなテーマを持ってきたりすることができるようになります。

生徒の準備:自分は人生でどんなことについて啓示を受ける必要があり,啓示を受けてどんな悩みを解決したいと思っているか,考えてもらいます。

学習活動案

大切なメッセージを送る

手を挙げてくれた生徒に,教室の前に出て来てもらいます。この生徒に,「天の御父はあなたを愛しておられる」というメッセージを,話すことなくほかの生徒に伝えるという課題を出します。話すこと以外は,書いたり,身振りをしたりするなど,どんな伝達手段も使うことができます。

自分と一緒にいない人に大切なメッセージを伝えなければならないと仮定します。

  • その人にメッセージを伝える方法には,どのようなものがあるでしょうか。

  • 天の御父は,あなたにどのような方法で大切なメッセージを与えてくださいますか。

天の御父は,御自分の子供たちに伝える大切なメッセージを,たくさん持っておられます。すべての人に向けたメッセージもあれば,あなただけに向けたメッセージもあります。天の御父は,個人の啓示を通して人にメッセージをお伝えになります。この課を学習しながら,神が御自分の重要なメッセージを明らかにされる方法を見つけて,啓示が与えられたらそれを認識できるようになってください。

天の御父はペテロとコルネリオの両方に御心を明らかにされる

使徒10:1-2844-48 にあるコルネリオとペテロの話を復習します(「使徒 10章,第 1部」の課も参照)。復習しながら,この二人が天の御父が自分に明らかにしておられることをどのような経緯で理解できるようになったのか,調べてください。

クラス全体で使徒 10章を復習し,この話を読みながら時々時間を取って,どのようなことが分かるかを言ってもらうとよいでしょう。または,生徒に二人一組になってもらい,一人の生徒にコルネリオの経験 (1-8,44-48節 ),もう一人の生徒にはペテロの経験 (9-28,44-48節 )を復習してもらいます。復習ができたら,分かったことを伝え合ってもらいましょう。

  • この話から,啓示についてどのようなことが分かりましたか。

生徒の答えによく耳を傾けて,霊感された質問を補うことができるようにしてください。生徒に,真理をホワイトボードに書いてもらってもよいでしょう。生徒は啓示について,天の御父が教えに教えを加えて御自分の真理を明らかにされるとか,受けた啓示に従うと,天の御父はさらに啓示を授けてくださる,などの真理を見つけるのではないでしょうか。これらの真理を,学習帳に書いてもらったり,聖典に書き込んでもらったりしてもいいかもしれません。見つけた真理の説明になるような個人的な経験を教師が話し,生徒にも,そのような経験を話してもらうとよいでしょう。

  • 啓示について見つけた真理から,天の御父についてどのようなことが分かりますか。

  • ペテロとコルネリオが,受けた啓示に従って行動していなければ受けられなかった祝福や真理には,どのようなものがあるでしょうか。

教えに教え

この真理について生徒がすでに理解している事柄に基づいて,次の話し合いを調整します。この真理についてすでによく理解している生徒がいる場合は,この真理についてその生徒に教えてもらうとよいでしょう。

2 ニーファイ28:30 を読んで,ペテロとコルネリオが教えに教えを加えられた経緯について話し合うと,生徒のためになるかもしれません。

この話に出てくる啓示についての真理は,天の御父は教えに教えを加えて御自分の真理を明らかにされるということです (2 ニーファイ28:30 参照)。

コルネリオもペテロも,神が用意しておられた情報をすぐに全部与えられたわけではありませんでした。この点に注目してください。コルネリオは,ペテロを探し出すよう天使から言われました。「ペテロはあなたがなすべきことをあなたに告げるでしょう」と(欽定訳〔英文〕 使徒10:5-6 から和訳),天使から告げられたのです。ペテロは示現を受けた後,「いま見た幻はなんの事だろうかと,ひとり思案にくれて」いました( 使徒10:17 )。コルネリオに会うまでは,示現の意味を完全には理解していなかったのです。

十二使徒定員会のデビッド A・ベドナー長老は,同じことがわたしたちにどんな形で起こるかを説明しています。ChurchofJesusChrist.org にあるビデオ「光のパターン:啓示の霊」(3:04)を見るか,次の言葉を読んでください。

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Elder David A. Bednar, Quorum of the Twelve Apostles official portrait. 2020.

「日の出のときに少しずつ光が増していく様子は,『教えに教え,訓戒に訓戒を加えて』神からメッセージを受けることと似ています( 2 ニーファイ28:30 )。ほとんどの場合,啓示は時間をかけて少しずつもたらされ,わたしたちの望み,ふさわしさ,準備の度合いに応じて与えられます。 ……このパターンの啓示は珍しいことではなく,むしろ一般的で……す。」

(デビッド・A・ベドナー「啓示の霊『リアホナ』2011年5月号,88)

  • 天の御父が一度にすべてではなく,少しずつ啓示を与えてくださることは,どのような点で祝福だと言えるでしょうか。

  • 啓示が少しずつ与えられると,わたしたちはキリストのどのような特質を伸ばすことができるでしょうか。

啓示されたことに従って行動する

コルネリオもペテロも,最初に受けた啓示に従って行動したために,十分に理解できるようになるという祝福を受けました。これは, 使徒 10章 にある,受けた啓示に従うと,天の御父はさらに啓示を与えてくださるという,もう一つの真理を説明しています

十二使徒定員会のロナルド A・ラズバンド長老は,天の御父から受けた啓示に従って行動することの大切さを,次のように説明しています。ChurchofJesusChrist.orgにあるビデオ「みたまはわれに真理告げたもう」のタイムコード14:41-15:19を見るか,または,次の言葉を読んでください:

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Official Portrait (as of June 2016) of Elder Ronald A. Rasband of the Quorum of the Twelve Apostles.

「自分に下る促しに注意を払うならば,わたしたちは成長して啓示の霊をよく受けられるようになり,御霊によるひらめきや導きを受けることがますます多くなるでしょう。主はまた,『善を行うように導く……御霊を信頼しなさい』とも言っておられます〔 教義と聖約11:12 〕。

『元気を出しなさい。わたしがあなたがたを導いて行くからである』という主の呼びかけに〔 教義と聖約78:18 〕真摯にこたえることができますように。主は聖霊によってわたしたちを導いておられます。わたしたちが御霊に近く生活し,最初の促しが神から来ていることを知り,それに従って速やかに行動を起こせますように。」

(ロナルド・A・ラズバンド「みたまはわれに真理告げたもう『リアホナ』2017年5月号,96)

  • どのようにすれば啓示を受ける備えができるでしょうか。

自分の人生のための啓示

  • 自分個人の状況において助けとなる啓示について,あなたはどのようなことを学びましたか。

  • あなたが従うべき天の御父から与えられた啓示には,どのようなものがありますか。その啓示に基づいて,あなたにはどのような行動を取ることができますか。

  • あなたはどのようなことを学んで,自分が天の御父から愛されていることを知りましたか。

注釈と背景情報

どうすれば聖霊の影響を認識することができるか

聖霊を感じ,認識する様々な方法について話を聞くために,「聖霊を感じる」(3:17)を見るといいかもしれません。このビデオはChurchofJesusChrist.orgにあります。

天の御父に求めても啓示がないと感じる場合はどうすればよいか

十二使徒定員会のデビッド A・べドナー長老は,次のように説明しています:

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Elder David A. Bednar, Quorum of the Twelve Apostles official portrait. 2020.

「人生で直面する多くの不確実なことや困難の中で,神はわたしたちが最善を尽くし,作用される者ではなく作用する者となり( 2 ニーファイ2:26 参照),神を信頼することを望んでおられます。わたしたちは天使を見たり,天の声を聞いたり,圧倒されるような霊的な印象を受けることはないかもしれません。神の御心に従っているかどうか完全な確信がないまま,望みと祈りをもって前進することが多いかもしれません。しかし,聖約を尊んで戒めを守り,善を行い,良い人になるよう絶えず努めるなら,神が導いてくださることを確信して進むことができます。」

(デビッド・A・ベドナー「啓示の霊」89-90)

わたしが啓示を受けるのを妨げている習慣や行動にはどのようなものがあるか

十二使徒定員会のデビッド A・デビッド・A・ベドナー長老は,次のように述べています:

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Elder David A. Bednar, Quorum of the Twelve Apostles official portrait. 2020.

「聖文では,聖霊は『静かな細い声』( 列王上19:121 ニーファイ17:453 ニーファイ11:3 も参照)や『まったく優しい静かな声』( ヒラマン5:30 )と表現されています。御霊は優しく,繊細にささやくので,なぜわたしたちがふさわしくないメディア,ポルノグラフィー,有害で依存性のある薬物や行為を避けるべきか,分かるでしょう。サタンはこれらの手段を使って,御霊の力によって伝えられる,神の静かなメッセージを認識してそれにこたえるわたしたちの能力を損ない,ついには破壊します。」

(デビッド・A・ベドナー「啓示の霊『リアホナ』2011年5月号,88)

疑いを退ける力をつけるために,わたしには何ができるか

大管長会のダリン H・オークス管長は,次のように言っています:

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Official Portrait of President Dallin H. Oaks taken March 2018.

「啓示を受けるための準備として,奉仕し,行動することが重要です。わたしが聖文を研究して分かったことは,神の子供たちに与えられる啓示のほとんどは,行動しているときに与えられる,ということです。家でじっと座って,まず何をしたらよいか主から告げられるのを待っているときではありません。 ……

わたしたちは自分にできるすべてを行ったとき,つまり,木陰に座ってまず何から手をつけたらよいかを祈り求めるのでなく,灼熱の太陽の下で働いているときに,御霊の促しを受けるのです。啓示は神の子供たちが努力しているときに与えられます。

ですから,自分にできるすべてを行うのです。その後に,主が啓示を与えてくださるのを待ちます。主は御自分の時刻表をお持ちです。」

(ダリン・H・オークス「主御自身の時に,主御自身の方法に従って『リアホナ』2013年8月号,24,26参照)

補足学習活動

啓示を受けた人の例

生徒に,啓示を受けたほかの人々の例を聖典から見つけてもらうとよいでしょう(例えば, 1 ニーファイ4:6-18エノス1:1-18アルマ5:43-47 参照)。そのような例をホワイトボードに書いてもらいます。次に,その中から一つ選んで,それが聖典のどこに出ているかを見つけて研究し,天の御父からの啓示について何が分かるかを調べてもらいます。

  • 選んだ話とコルネリオとペテロの経験を比較してください。どのような共通点がありますか。どのような違いがありますか。