セミナリー
マルコ2:23-3:6


マルコ2:23-3:6

「安息日に良いことをする」

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Filipino women walking on the street while visiting teaching a sister.

救い主は,安息日の守り方をパリサイ人やほかのユダヤ人の指導者から頻繁に批判されていました。この宗教指導者たちにイエスがどう答えられたかを学べば,安息日の目的と,主の祝福を日々の生活にもっと招く方法がよく理解できるようになります。

生徒の準備:安息日に,各人で,または家族と一緒に,救い主に近づくための好きな方法について考えてもらいます。

学習活動案

安息日の目的

次の活動では,生徒を二人一組に分け,いずれかの状況に一人ずつ対応してもらいましょう。

次の二つの状況を想像してみてください:ある状況では,安息日にすべきこととすべきでないことが数多く決められ,そのすべてに従わないと,神の戒めを破ることになると言われています。別の状況では,日曜日はほかの日と変わらないから,日曜日には好きなことをするべきだと言われています。

  • このような状況に,どの程度満足感を覚えますか。

  • 安息日について,どのような疑問がありますか。

生徒の疑問は,ホワイトボードに書くとよいでしょう。生徒がクラスで質問したがらない場合は,学習帳に質問を書いてもらいます。現時点では疑問に答えようとしないでください。学習を進める中で,生徒自身に答えを見つけてもらいます。

救い主がどのように安息日を聖く保られたかを学びながら,自分の疑問に対する答えを見つけましょう。天の御父に導きや助けを求めてください。

モーセの律法では,イスラエルの人々は安息日に仕事をしてはならないと教えていました( 出エジプト31:14-15 参照)。律法学者とパリサイ人は,モーセの律法に独自の解釈を加え,本来の意図を変えてしまいました。

次の聖句を読み,安息日に対するイエスの考え方を示している言葉に印をつけてください:

  • マルコ2:23-28 —パリサイ人たちは,安息日に穂を摘んで食べてよいのかと疑問を呈しました。

  • マルコ3:1-6 —パリサイ人は安息日に人を癒してよいのかと疑問を呈しました。

印をつけた言葉と,印をつけた理由を生徒に発表してもらうとよいでしょう。

『わたしに従ってきなさい—個人と家族用:2023年 新約聖書』のマタイ11-12章;ルカ11章の概要では,安息日について述べています。この課を教える時期が『わたしに従ってきなさい』のその概要を学ぶ時期と重なる場合は,家庭学習で学んだことを生徒に発表してもらうといいかもしれません。生徒にも,クラスで学んだことを家族と分かち合ってもらいます。

ラッセル・M・ネルソン大管長は,安息日の目的について次のような考えを述べています:

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Official portrait of President Russell M. Nelson taken January 2018

「救い主は,『安息日は人のためにあるもので,人が安息日のためにあるのではない』と言われたとき,何を意味されたのでしょうか( マルコ2:27 )。わたしは,次のことを理解するよう望んでおられたと信じています。それは,安息日はわたしたちに対する主からの賜物であり,厳しい日常生活からの真の休息と,霊的また肉体的に再生する機会を与えるものであるということです。神はわたしたちにこの特別な日を,娯楽や日常の仕事のためではなく,職務からの休息と,肉体的また霊的な安らぎのために与えてくださったのです。」

(ラッセル・M・ネルソン「安息日は喜びの日『リアホナ』2015年5月号,129)

  • 主がどのような目的で安息日を定められたことが分かりましたか。

  • 安息日になさった行動から,救い主について何を学ぶことができますか。

生徒に次の原則を見つけてもらいます:善いことを行い,厳しい日常生活から休息を取るために,主はわたしたちに安息日をお与えになった

  • 安息日を聖く保つようにという神の戒めは,わたしたちに対する神の愛をどのように示していると思いますか。

どうすれば安息日を尊ぶことができるか

安息日の目的と神が与えてくださる祝福を理解すれば,安息日を聖く保ちたくなります。安息日をさらに尊ぶ方法が分かると,救い主の癒しと安心感を自分の生活にもっと招くことができるようになります。

次の情報を配付資料として配るか,クラスの前に掲示してください。生徒は個人または少人数のグループでその情報を研究します。

次の情報を研究し,安息日,そして安息日を尊ぶことによって受けられる祝福についてよく学んでください:

ラッセル・M・ネルソン大管長は,安息日に神への愛を示すことについて次のように教えています:

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Official portrait of President Russell M. Nelson taken January 2018

「わたしがまだ若かったとき,安息日に行うことと行ってはならないことについて他の人々がリストにしたものを学習しました。程なくして,安息日に対する自分の行いと態度が自分と天の御父の間のしるしであると聖典から学びました〔 出エジプト31:13エゼキエル20:12,20 参照〕。そのことを理解すると,もう行うことや行わないことのリストは不要でした。ある活動が安息日にふさわしいかどうか判断する必要がある場合,こう自問するだけでした。『自分は神にどのようなしるしを差し出そうとしているだろうか。』この質問は安息日についての選びをきわめて明確にしました。」

(ラッセル・M・ネルソン「安息日は喜びの日」130)

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Sabbath Day handout
  • 安息日の目的と祝福について,どのようなことを学びましたか。

安息日に「善を行う」ための幾つかの方法を紹介したビデオ,「あなたの安息日について分かち合ってください」(0:53)を視聴してください。

次の質問は,指示された準備の活動で生徒が得た考えを発表する機会になります:

  • 日曜日にイエス・キリストに近づくために,どのような方法を取るのが好きですか。

発表する際には,安息日にすべきことすべきでないことについて,様々な考えがあることを認めてください。必要であれば,ほかの人の意見を理解し,尊重するよう生徒に伝えます。

  • 安息日についての疑問を解決するうえで,この課で学んだことはどのような助けになりましたか。

  • 疑問の答えが見つからなかった場合,答えを探し続けるために何ができるでしょうか。

  • 安息日を尊ぶという祝福を十分に享受するために自分にできることについて,どのようなことを感じましたか。

安息日を聖く保つことの大切さについて証するといいかもしれません。また,希望する生徒がいれば,証を分かち合ってもらってもよいでしょう。

注釈と背景情報

パリサイ人が安息日に「麦〔の〕穂をつ〔む〕」弟子たちを批判したのはなぜか

モーセの律法では,与えられた特権を悪用して隣人の麦畑に鎌を入れたりしないかぎり,手で穂を摘むことは許されていました( 申命23:25 参照)。しかし,パリサイ人の口承の律法はモーセの律法より厳しく,安息日に手で穂を摘むことは禁じられていました。

感謝の気持ちを持つと,聖餐と安息日はどのような祝福になるか

ヘンリー・B・アイリング管長は,ビデオ「安息日における感謝」(3:38)で,安息日の経験に感謝の力を取り入れるように勧めています。このビデオはChurchofJesusChrist.orgにあります。

安息日の祝福を招くために,ほかに何ができるか

ラッセル・M・ネルソン大管長は,「安息日は喜びの日」(『リアホナ』2015年5月号,129-132)という説教で,安息日の御霊を招く効果的な方法について,幾つかの考えを述べています。ビデオ「先祖を見つけることによって安息日を喜びの日とする」(2:57)では,日曜日に家族歴史の活動をする時間を取ることが,その日とあなたの生活にどれほど大きな影響を与えるかを説明しています。このビデオはChurchofJesusChrist.orgにあります。

安息日を尊ぶと家族にどのような祝福があるか

ChurchofJesusChrist.orgにあるビデオ,「わたしたちの変化—サイソパ家族と安息日」(5:03)では,福音を受け入れ,安息日を尊ぶことで忙しい生活が変わった家族を紹介しています。

補足学習活動

安息日にどう備えることができるか

次の安息日に備える方法についてお互いの考えを聞くと,生徒のためになるかもしれません。「もっと祝福のある安息日にするために,どのような備えをすればよいと思いますか」とクラス全員に尋ねましょう。