セミナリー
霊的な知識を得る—第2部


霊的な知識を得る—第2部

永遠の視点から概念や疑問について調べる

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Looking through gospel glasses. The focus is on the Temple and family.

マスター教義の目的の一つは,イエス・キリストのようになるため,霊的な知識を得るための原則を学び応用できるよう助けることです。この課は,問題をより明確に見るために永遠の視点から調べることができるようになる助けになります。

注:この課は年度初めに教えるのが最適かもしれません。この課を前後の週に移動させる必要がある場合は,学校が休みのためにできなかったマスター教義の課を代わりに教えるとよいでしょう。

生徒の準備:自分が抱えている課題や疑問について考えてもらいます。または,「霊的な知識を得る—第1部」の課で信仰をもって行動することを学ぶために選んだ質問について考えてもらってもよいでしょう。この課題や疑問を解決するうえでさらに助けとなるものを見つけるために,次に何をしたらよいか,生徒によく考えてもらいましょう。

学習活動案

疑問と課題

わたしたちは時に,信仰を試されるような課題や試練を経験します。ラッセル・M・ネルソン大管長は,義理の孫娘が経験した試練を紹介しています。

ビデオ「神に勝利を」(タイムコード5:50-6:39)を視聴するか,または次の文章を読んでください:

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Official portrait of President Russell M. Nelson taken January 2018

「少し前に,孫息子の妻が霊的な悩みを抱えていました。その女性を仮に『ジル』としましょう。断食と祈り,神権の祝福にもかかわらず,ジルの父親の命が尽きようとしていました。ジルは,父親も証も失ってしまうのではないかという恐れに襲われました。

ある晩遅く,わたしは妻のウェンディからジルの状況を聞きました。翌朝,ウェンディは,ジルの霊的な葛藤に対してわたしが言ったある言葉をジルに伝えた方がよいと感じました。それは,『近視眼的』という言葉でした。」

(ラッセル・M・ネルソン「神に勝利を」『リアホナ』2020年11月号,93)

「近視眼的」とは,目先のことしか見えない,短絡的という意味です。

  • 将来起きることに対するジルの恐れを和らげるうえで助けになるかもしれないのは,神とその計画についてのどのような真理ですか。

自分が今直面している課題や疑問について考えてください。それは,「霊的な知識を得る—第1部」という課で挙げてもらったものと同じかもしれません。

  • その疑問や課題を解決するためにあなたが助けを求め,必要としているのはなぜですか。

悲しみや痛みを経験しても大丈夫だということを忘れないでください。イエスでさえ,愛する人のために悲しまれました( ヨハネ11:32-36 参照)。永遠の視点から自分の状況を見れば,このような感情に対処できるよう主が助けてくださいます。自分の疑問や課題を解決するうえで助けになる真理を,この課で見つけてください。

霊的な知識を得るための原則

わたしたちが人生で試練に遭ったり,答えの見つからない疑問にぶつかったりするときには,霊的な知識を得るための次の原則が助けになります:

1.信仰をもって行動する。2.永遠の視点から概念や疑問について調べる。3.神が定められた情報源を通してさらに理解を深める。

この課では,永遠の視点から問題を調べれば,物事がはっきりと見えるよう聖霊が助けてくださるという真理に焦点を当てます。

『マスター教義に関する基本文書』の「霊的な知識を得る」の項の第8段落と,次の聖句を一つ以上学びましょう。ジルが永遠の視点から自分の試練を考えるうえで助けになる言葉やフレーズに,印をつけてください。

2コリント4:17-18

モーサヤ4:9

教義と聖約58:2-4

  • 永遠の視点を持つことについてジルに何を知ってもらいたいですか。読んだ内容を基に考えてください。

  • 永遠の視点を持つことに関する自分(またはほかの人)のどのような経験を,ジルに伝えたいですか。

永遠の視点から疑問や悩みについて調べる方法

疑問や悩みがあるとき,永遠の視点から物事を見るうえで助けになる一連のプロセスは以下のとおりです:

この課ではこれから,次の3つのステップを生徒に紹介していきます。

1.天の御父またはその計画についての誤解につながりかねない,自分が前提としているものを見つける。2.その前提が間違っていることを教えてくれる天の御父やその計画についての真理を見つける。3.永遠の視点からよく考えるか,福音の真理を反映するように考え直すことによって,疑問に対する見方を変える。

ChurchofJesusChrist.orgでビデオ「永遠の視点から疑問について調べる」(2:56)を視聴し,ローレンという若い女性がこのプロセスに従うことによってどのように友人を助けたか考えてください。

  • このビデオは,永遠の視点から概念や疑問について考えることを理解するうえでどのような助けになりましたか。

  • ローレンは,先に述べた3つのステップをどのように活用しましたか。

この同じプロセスが,ネルソン大管長が紹介したエピソードの孫娘ジルにとって,どのような助けになるか,考えてください。

  • ジルには,疑いや恐れを招きかねない,どのような思い込みがありましたか。

ジルのような状況にある人には,「愛する人の死は早すぎた」「亡くなった愛する人には二度と会えない」といった近視眼的な考えを前提とし,愛する人を死から救う奇跡に証のよりどころを求めることがあります。このような前提があるために,嘆き苦しんでいる人々は「神がわたしを愛しておられるなら,なぜわたしの愛する人を連れ去ってしまわれるのか」という疑問を持ちます。

多くの場合,このような前提があると,すでに経験している悲しみや痛みにさらに拍車がかかります。天の御父とその計画についての真理を知れば,助けになります。

  • 天の御父とその計画について知っている真理で,どのようなことが助けになるでしょうか。

次のような答えが考えられます:

  • 主の思いと道は,わたしたちの思いと道よりも高い( イザヤ55:8-9 参照)。

  • 神殿の聖約を交わしてそれを守っていれば,わたしたちは次の世で救い主の力によって愛する人と再会する( 教義と聖約138:47-48 参照)。

  • 神は,わたしたちが信仰を試される試練を経験することをお許しになる( エテル12:6教義と聖約98:14 参照)。

  • ジルのような状況にある人の潜在的な悩みを永遠の視点から見直すには,どのような方法がありますか。(例えば,「永遠の時の中では一時的なものだと分かっていても,このつらい喪失感を経験しているさなかにどうすれば神の愛を感じることができるのでしょうか」や「救い主への信仰に頼り,愛する人に再び会えると信じるにはどうすればよいでしょうか」など,永遠の視点を反映した質問をすることができます。)

ネルソン大管長は,ジルが試練を通して永遠の視点を持つようになったことによって,どのような祝福を受けたかを紹介しました。ChurchofJesusChrist.orgでビデオ「神に勝利を」(タイムコード6:58-8:24)を視聴するか,または次の文を読んでください:

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Official portrait of President Russell M. Nelson taken January 2018

「ジルの父親が亡くなった後,『近視眼的』という言葉が繰り返しジルの脳裏によみがえりました。心を開くと,『近視眼的』という言葉は,目先のことしか見えないことだという理解をさらに深めました。すると,考え方が変わり始めました。ジルはこう続けました。『「近視眼的」という言葉のおかげで,立ち止まり,考え,癒されました。この言葉のおかげで,今では平安で満たされます。視野が広がり,永遠を求めることを思い起こします。神の計画が存在し,父はまだ生きていて,わたしを愛し,見守ってくれていることを思い出します。「近視眼的」という言葉のおかげで神へと導かれたのです。』

貴い義理の孫娘を誇りに思います。人生のこの痛ましい時期に,愛するジルは,自分の人生に対する永遠の観点に立ち,父親に関する神の御心を受け入れつつあります。神に勝利を得ていただくことを選択することにより,ジルは平安を見いだしつつあります。」

(ラッセル・M・ネルソン「神に勝利を」93)

  • ジルは永遠の視点を持ったことによって,どのような祝福を受けましたか。

この課の冒頭であなたが挙げた課題や悩みを振り返ってください。学んだばかりの3つのステップを活用して,その課題や悩みに取り組み,学習帳に書いてください。

十分に時間を取った後,この活動から学んだことを生徒に発表してもらい,まだ知りたいことがあれば質問してもらいます。この課で取り上げた真理について証を述べ,生徒にも自分の証を分かち合うよう勧めましょう。

注釈と背景情報

悲しんでいるときや愛する人を亡くしたとき,永遠の視点を持ち続けることはどのような助けになるか

ラッセル・M・ネルソン大管長は,妻のダンツェルが突然亡くなったとき,そしてがんとの長い戦いの末に娘のウェンディが亡くなったときに,永遠の視点を持ち続けることがどのような助けになったかを説明しています:

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Official portrait of President Russell M. Nelson taken January 2018

「2005年,結婚して60年近くが過ぎた後,愛するダンツェルが思いがけず神のみもとに召されました。しばらくの間,わたしは悲しみの淵に沈みましたが,復活祭のメッセージと復活の約束が支えてくれました。」

(ラッセル・M・ネルソン「教会のための啓示,わたしたちの人生のための啓示『リアホナ』2018年5月号,94)

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Official portrait of President Russell M. Nelson taken January 2018

「娘がいなくてどれほど寂しいことでしょう。それでも,回復されたイエス・キリストの福音があるので,娘のことは心配していません。神との聖約を守り続け,娘と再び会える時を心待ちにしながら過ごしています。それまでの間,わたしたちはここで主に仕え,彼女は幕の向こうのパラダイスで主に仕えます。」

(ラッセル・M・ネルソン「わたしに従ってきなさい『リアホナ』2019年5月号,88)

前提が問題になる理由

大管長会のダリン・H・オークス管長は次のように述べています:

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Official Portrait of President Dallin H. Oaks taken March 2018.

「末日聖徒は,天の御父が御自分の子供たちのために立てられた計画を知っているので,この現世は,知ることのできない過去と不確かな未来の間に挟まれた一幕劇ではないことを知っています。現世は,3幕ある劇の第2幕のようなものなのです。霊の存在である第1幕と,永遠の行く末である第3幕について明らかにされているので,第2幕の目的は決まっています。 わたしたちは,神が明らかにされたこの計画とその他の真理を知っているため,これを知らない人々とは異なる前提をもって始めます。その結果,わたしたちは,人々がこの現世についての自分たちの見解によってのみ判断している多くの重要な事柄について,異なる結論にたどり着きます。」

(ダリン・H・オークス,「人,その心に思うがごとく」〔中央幹部との夕べ,2013年2月8日〕3-4)

永遠の視点から概念や疑問を見るには,見方をどう変えればよいのでしょうか。

セミナリー・インスティテュート教育長のチャド・H・ウェッブ兄弟は次のように述べています:

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Portrait of Chad Webb

「もし永遠の観点から出発すれば,永遠の真理を映し出した結論に到達します。しかし,世の仮定から出発すれば,世の結論にたどり着く可能性が高いのです。ですから一部の質問は,その基となっている前提をそもそもわたしたちが受け入れていないため,再検討を要する場合があります。

例えば,こんな質問をされたことがあるでしょう。『愛し合っている二人ならだれでも結婚していいんじゃない?』世の中の観点からすると,答えは『はい』となりそうです。しかし,救いの計画や,御父が結婚を定められた目的について自分が知っていることを考えてみてください。救いの計画が与えてくれる永遠の観点と福音の前提は,この質問を再検討する助けとなります。すると,このような疑問について考えるでしょう。『家族が神によって定められているのはなぜだろう』,『主はなぜ男女間に結婚を定められたのだろう。』天の御父の霊の子供たちについて知っていることについて考えてください。霊の子供たちはどこから来て,現在と永遠の時間の中で何をするよう神から望まれているかを考えてください。神殿で家族を結び固める力を神がわたしたちに授けてくださったのはなぜか,考えてください。このような原則を理解することにより,どのように質問を見直し,福音の光を通して問題を見ることができるでしょうか。」

(Chad H Webb, “That They May Know How to Come Unto Him and Be Saved” [Brigham Young University–Hawaii devotional, Mar. 22, 2016], byuh.edu