歴代大管長の教え


大管長会ならびに十二使徒定員会は,教会員が天の御父にさらに近づけるように,またイエス・キリストの回復された福音への理解を深められるように,『歴代大管長の教え』シリーズを作成した。本シリーズに新たな書籍が追加されるにつれ,家庭で活用するための福音の参考図書のコレクションが増えるであろう。本シリーズの書籍は,個人学習と日曜日のレッスンの両方における使用を目的として作成されている。また,そのほかのレッスンや話を準備する際,および教会の教義についての質問に答える際にも役立てることができる。

本書では,1985年11月10日から1994年5月30日まで末日聖徒イエス・キリスト教会の大管長を務めたエズラ・タフト・ベンソン大管長の教えを採り上げている。

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Protraits of the First Presidency and other General Authorities [cac. 1962, 1971-1974] Ezra Taft Benson. Black and white version.
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Signature of Ezra Taft Benson.

個人学習

エズラ・タフト・ベンソン大管長の教えを研究するとき,よく祈ってたまの導きを求めるようにする。各章の最後に載っている質問は,ベンソン大管長の教えについて深く考え,教えを理解し,生活に応用する助けとなるであろう。以下のアイデアも役立つであろう。

  • 研究するときに聖霊から受けた考えや思いを書き留める。

  • 覚えておきたい語句に下線を引く。そのような語句を暗記したり,聖典の関連聖句の横にそれを書き込んだりするとよい。

  • 理解を深められるよう,章や文章を複数回読む。

  • 次のように自問する。「ベンソン大管長の教えは,福音の原則に対するわたしの理解をどのように深めてくれるだろうか。」「主は,これらの教えからわたしが何を学ぶよう望んでおられるだろうか。」

  • 学んだ事柄を家族や友人と分かち合う。

  • 自分の問題や心配事に対処するうえで本書の教えをどのように役立てられるか自問する。

本書から教える

本書は家庭と教会で使用するために作成されたものである。本書から教える際に,以下の指針が役立つであろう。

教える準備をする

教える準備をするときに聖霊の導きを求める。該当する章をよく祈って研究し,ベンソン大管長の教えを理解できたという確信を持てるようにする。教師自身がベンソン大管長の言葉から影響を受けるとき,よりいっそう心から力強く教えられるようになるであろう(教義と聖約11:21参照)。

メルキゼデク神権や扶助協会のレッスンを教える場合,本書を無視したり,別の資料からレッスンを準備したりするべきではない。該当する章から,自分が教える人々にとって最も役立つと感じる教えを,よく祈って選ぶ。章によってはクラスの時間内に十分話し合えない量の内容が含まれている。

参加者には,レッスンの前に該当する章を研究しておくように,また本書を持って来るように勧める。そうするときに,話し合いに参加して互いに教化し合う準備がさらによくできるであろう。

教える準備をする際には,各章の最後にある「研究とレッスンのための提案」に特に注意を払う。この項には,質問,関連聖句,学ぶ際のヒントや教える際のヒントが書かれている。質問と関連聖句は,各章の内容と具体的な関連がある。学ぶ際のヒントと教える際のヒントは,ほかの人々が福音を学び,福音に従って生活することに喜びを見いだせるよう教師が働きかける際の指針となる。

レッスンの導入を行う

該当する章についての導入を行うとき,またレッスン全体を通じて,たまが参加者の心と思いに触れることのできる雰囲気を作るように努める。レッスンを始める際に,参加者がその章で採り上げられている教えに注意を向けるように助ける。以下の方法を一つ,あるいは複数用いるとよい。

  • 章の冒頭にある「エズラ・タフト・ベンソンの生涯から」の項を読み,話し合う。

  • 章に載っている写真や絵,引用されている聖句について話し合う。

  • 関連のある賛美歌を歌う。

  • テーマに関する個人的な経験を簡潔に述べる。

ベンソン大管長の教えについての話し合いを促す

本書から教えるときには,自分の考えを述べ,質問をし,互いに教え合うように人々に勧める。人は積極的に参加するとき,学び,個人的な啓示を受ける備えがさらによくできるようになる。すべての教えを網羅しようとせずに,有意義な話し合いを続けさせる。話し合いを促すために,章の最後にある質問を活用する。また,レッスンを受ける人々のために特別に教師自身で質問を用意してもよい。

ほかにも以下のような方法が考えられる。

  • 参加者に,その章について個人学習で学んだことを発表してもらう。その週に数人の参加者に連絡を取り,学んだことを発表する準備をしておくように依頼するとよいであろう。

  • 章の最後にある質問を幾つか選び,それを読むように参加者に割り当てる(個人または小さなグループで行わせる)。質問に関連のある教えを章の中から探すように言う。その後,自分の考えや理解したことを発表してもらう。

  • 章の中から選んだベンソン大管長の教えを幾つか一緒に読む。参加者に,その教えを説明する実例を,聖文や自分自身の経験から紹介してもらう。

  • 参加者に,一つの項を選んで黙読するように言う。同じ項を選んだ人同士で2,3人のグループを作り,学んだことを話し合うように勧める。

分かち合いと応用を促す

ベンソン大管長の教えが最も大きな意味を持つのは,参加者がそれをほかの人々に分かち合い,また自分の生活に応用するときである。以下の方法を一つ,あるいは複数用いるとよい。

  • 家庭や教会で責任を果たす際に,ベンソン大管長の教えをどのように応用できるか参加者に尋ねる。例えば,夫や妻,親,息子や娘,ホームティーチャーや訪問教師として大管長の教えをどのように応用できるかについて深く考え,話し合ってもらうとよい。

  • ベンソン大管長の教えの幾つかを家族や友人に分かち合うように,参加者に勧める。

  • 学んだことを応用し,その経験について次回のクラスの冒頭で話すように,参加者に勧める。

話し合いを終える

教師がレッスンを簡単に要約するか,または一人か二人の参加者に要約してもらう。話し合ってきた教えについてあかしする。また,証を述べるようにほかの人に勧めてもよい。

本書で引用されている資料に関する情報

本書に収められている教えは,エズラ・タフト・ベンソン大管長の説教,記事,著書,日記から直接引用したものである。出版物からの引用文は,読みやすくするために編集上または印刷上必要な変更が加えられている場合を除いて,原文で使われている句読点,語のつづり,大文字の使用,段落分けをそのまま使用している。このため,読者は本文に多少統一を欠く点があることに気づくかもしれない。例えば,神会を指す代名詞は小文字で始まっている場合とそうでない場合とがある。

また,ベンソン大管長は度々,男性と女性の両方に対して“men”“man”“mankind”などの用語を使用している。また男女両方を指す代名詞として頻繁に“he”“his”“him”を使用している。これは当時の言葉遣いにおいて一般的なことであった。当時の言語慣習と現在の用法には相違があるものの,ベンソン大管長の教えは女性と男性の両方に当てはまるものである。