2021
子供たちがバプテスマに備えるのを助ける
2021年2月号


子供たちがバプテスマに備えるのを助ける

わたしたちは祈りながら,目的を持って忍耐強く,子供たちが聖約の道のこの一歩を踏み出せるよう助けることができます。

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illustration of woman, scriptures

イラスト/ブライアン・ビーチ

バプテスマと確認を受けることは,教会の子供たちにとって喜びに満ちた節目となる出来事です。多くの子供たちがこの儀式を楽しみにしていますが,緊張や恐れを感じることも珍しくありません。

わたしは教会の子供向け機関誌『フレンド』の執筆者として,自分はこの聖約を交わす準備ができていないのではないかという不安を抱く子供たちの話をたくさん聞いてきました。自分には強い証が十分にないのではないかと心配する子もいれば,水を怖がる子もいます。完全にならなければならないと,信じられないほどのプレッシャーを感じる子もいます。

この記事では,皆さんの子供たちが自分は聖約の道の次の一歩を踏み出す用意ができていると感じ,自信を持てるよう助ける方法を,幾つか紹介します。

目的を持って教える

バプテスマを通過儀礼または子供が8歳になれば行われる行事と捉えることは簡単かもしれません。しかし実際には,バプテスマは神聖な選択です。つまり,バプテスマがなぜ重要なのかを,子供たちは理解する必要があるのです。目的を持って教えることによって,バプテスマをより意義深い(そしてあまり怖くない)ものにすることができます。バプテスマを受ける前に教会について学ぶ人たちに教えるのと同じ方法で,子供たちにも教えましょう。

バプテスマのときに交わす聖約について子供たちに教えることは重要です。そしてうれしいことに,これはたった一晩,あるいはたった1週間で行わなければならない(あるいは行うべき)ものではありません。長い時間をかけて家族で福音を学ぶことが,子供がこの聖約を交わす準備をするのを助けるための最善の方法です。子供のバプテスマが近づいてきた時期に特に重点を置くとよいことが,幾つかあります:

  • バプテスマを受けることがなぜイエス・キリストに従うと約束するという意味になるのか,簡単な言葉で話し合う。

  • モーサヤ18:8-10など,聖文からバプテスマについて読む。聖句を説明して,子供がそこで教えられていることを理解し,逆にあなたに教えることができるようにしてください。例えば,最近アメリカ合衆国ハワイ州でバプテスマを受けた女の子は,「互いに重荷を負い合うこと」を,「助けが必要な人を,いつでも,だれでも助けること」と説明していました。

  • 聖霊の賜物について必ず話し,聖霊があなたの人生を祝福してくれた経験を分かち合う。

自分には強い証が十分にないと思って,バプテスマについて心配する子もいます。何か親切なことをしたとき,初等協会で歌っているとき,福音について話しているときなどに感じた良い気持ちを,子供たちが思い出せるよう助けてください。天の御父が自分を愛してくださっていることがどうすれば分かるか考えるよう励ましてください。これらのことはすべて証の始まりであり,証は良い選択をし続けることで徐々に育っていくことを説明します。

何が行われるかを教える

もし子供がバプテスマを受けることについて緊張しているようなら(あるいはそうでないように思われても),どんなことが行われるのか話しておくとよいでしょう。まず,ビショップまたは支部会長との面接に向けて準備することから始めるのがお薦めです。「バプテスマが重要なのはなぜですか」とか「キリストの御名を受けるとはどういうことですか」といった質問に答えられるよう助けることで,この話し合いの備えをさせることができます。ビショップが面接するのは子供の準備を助けるためであって,テストをしたり,難しいことを聞いて困らせたりするためではないことを,子供が覚えておけるように助けましょう。そして覚えておいてほしいのは,希望すれば,いつでも親が面接に同席できるということです。

もう一つ,子供の準備のためにできることは,バプテスマの日に実際にどんなことが行われるかを教えることです。フォントの中にいるとき,どのように立てばよいのかを見せてあげてください。子供にバプテスマを施す予定の神権者を招いて,バプテスマのときの体の動きを,水に入っていない状態で練習してもよいでしょう。そうすれば子供も,水に沈められてまた起こされるのがどういう感じかが分かります。確認の間に何が行われるかを説明してください。

もし子供が水に沈められることを恐れているなら,バプテスマが近づいたときにその恐れを克服できるようにする方法を,祈りながら考えてください。だれかがバプテスマを受けるのを子供と一緒に見て,水に沈められている時間がどれほど短いかを見てもらうとよいかもしれません。あるいは,子供と一緒に,鼻をつまんで一度に数秒間ずつ顔を水につける練習をしてみてはどうでしょうか。子供に水泳を教えている人が近所にいれば,何か助言をもらえるかもしれません。何をするにしても,愛と忍耐を持って行うようにしてください。

バプテスマで物理的に行われることに対して自分は準備ができているという気持ちが強ければ強いほど,子供はリラックスして,自分が交わそうとしている霊的な聖約に集中することができます。

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完全であることではなく,進歩することに意識を向ける

時々,恐らく大人たちがバプテスマの清めの側面について何度も話をするために,子供たちが誤解し,バプテスマを受けたら自分は完全でいなければならないと思い込んでしまうことがあります。『フレンド』にも,子供がバプテスマを受けた後に初めて間違いを犯したときパニックに陥る話はよく出てきます。とても清らかで純粋な気持ちを経験した後で,きょうだいと口論になったり,お手伝いを忘れたりすると,その心地よい感覚を永遠に台無しにしてしまったように感じるのです。

親として,また指導者として,子供たちが悔い改めの原則を理解できるよう助けることは,きわめて重要です。子供たちは,自分の間違いを認識してそこから学ぶことがこの地上での学びと成長の一部であることを,理解しているでしょうか。子供たちは,いつでも赦しを祈り求めることができることを知っているでしょうか。また,毎週聖餐を受けるとき,バプテスマのときに交わした聖約を新たにすることを知っているでしょうか。悔い改める機会は祝福であり,賜物であることを証してください。バプテスマは,今完全になることを意味するのではなく,聖約の道に入って日々着実にイエス・キリストのようになる道を歩んで行くことを意味しているのです。

輝かしい始まり

バプテスマと確認の儀式を到達点として見るのではなく,輝かしい始まり,すなわちイエス・キリストと聖約を交わした弟子としての,新しい人生の始まりとして見ることができるよう,子供たちを助けましょう。あなたの子供が儀式を楽しみにしていても,緊張していても,あるいはその両方であっても,この道を一人で歩むことがないようにしてあげてください。祈りながら,目的を持って忍耐強く教えることによって,子供たちが天の家に戻るためのこの一歩を踏み出すときに喜びを感じられるよう助けることができるのです。