セミナリー
単元16—第3日,アルマ13章


単元16—第3日

アルマ13章

はじめに

アルマは,アモナイハの反抗的な民に,メルキゼデク神権を持つ大祭司について教えました。「ほかの人々が悔い改めて主の安息に入れるように助ける」ために聖任された人です。アルマは悔い改めを説き,民が平和に暮らせるように助けたメルキゼデクの例を引用しました。アルマは信仰と希望を持つようアモナイハの民に教え,生活を変えて主の安息に入れるようにしなさいと呼びかけました。

アルマ13:1-12

アルマ,大祭司の召しについてアモナイハの民に教える

  1. 次の引用文を読んで,質問に答えてください。

    「神はある霊に現世で特別な使命を果たさせるために前世で任命されました。これを予任と呼びます。

    予任は一人一人がある特定の召しや責任を受けるという保証ではありません。そのような機会は,予任が前世で義を選んだ結果与えられたのとまったく同様に,現世で選択の自由を義にかなって行使した結果与えられるものです。」(『真理を守る-福音の参考資料』190)

    1. 前世で行った選択と予任にはどんな関係があるでしょうか。

    2. 現世で行った選択は予任されていた事柄にどんな影響を及ぼすでしょうか。

アルマ13章は神権者についての話ですが,スペンサー・W・キンボール大管長は,姉妹たちにも前世で貴い召しが与えられたことを忘れてはならないと言っています。「ここへ来る前の世界において,忠実な男性が特定の神権の務めに予任された一方で,忠実な女性にも特定の任務が与えられていたことを覚えておきましょう。」(『歴代大管長の教え—スペンサー・W・キンボール』216)

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〔天上の大会議の画像〕

十二使徒定員会のニール・A・マックスウェル長老は,次のように教えています。「前世に関する教義は決してわたしたちの努力をゆるめさせるものではありません。わたしたちにはそれぞれ,選択すべきことがあり,絶え間なくしなければならない仕事があり,経験しなければならない逆境があり,有効に使うべき時間と才能と(たま)(もの)があります。前世で選ばれたからと言って,現世で福音に無関心になることはできません。前世で聖任されたか否かにかかわらず,召され備えられた者は,『選ばれた,忠実な者』であることを証明しなければならないのです(黙示17:14。教義と聖約121:34-36参照)。」(『聖徒の道』1986年1月号,18)

多くの男性が神権を受けるよう前世で予任されていた,とアルマはアモナイハの兄弟たちに教えました。アルマ13:1,8-9を読み,アルマが話しているのはどの神権のことなのか調べてください。この章に出てくる「聖なる位」がメルキゼデク神権,つまり「神の御子の位に従う聖なる神権」(教義と聖約107:3)だと分かると,理解しやすくなるかもしれません。この章の残りの部分を学習しながら,「聖なる位」という言葉に印を付けてもよいでしょう(アルマ13:2,6-7,10-11,16,18参照)。十二使徒定員会のブルース・R・マッコンキー長老はこう言っています。「ニーファイ人は忠実でモーセの律法を守っており,メルキゼデク神権を持っていました。つまり,完全な福音を持っていたのです。」(The Promised Messiah: The First Coming of Christ〔1978年〕421)このことは,モルモン書に登場する預言者はメルキゼデク神権を持っており,その働きを知っていたことを意味しています。

アルマ13:2-6,10を調べて以下の質問の答えを考え,手引きに書きましょう。

  • メルキゼデク神権に聖任された人はどんな特質を持っていましたか(アルマ13:3-5,10参照)。

  • メルキゼデク神権者は,何をするために聖任されたのでしょうか(アルマ13:6参照)。

  • あなたは,自分のワードまたは支部のメルキゼデク神権者がそれを行うのを見たことがありますか。また,その行いによって,あなたやほかの人たちの生活にどのような祝福がありましたか。

アルマ13章では,メルキゼデク神権について掘り下げた話が書かれています。ここでは,この神権を受ける者は前世でそれを受けるよう予任されていたと教えています(3節参照)。この神権を持つ者は神の戒めをほかの人に教えて,「彼らも神の安息に入ることができるように」します(6節)。この神権は永遠に続くものであり(9節参照),「非常に深い信仰と悔い改めと,神の()(まえ)での……義」に応じて男性に与えられます(10節)。神権者は罪を忌み嫌うときに聖霊によって(きよ)められ,「清められて,主なる神の安息に入〔る〕」のです(12節)。

アルマ13:11-12を読み,これらの神権者がその信仰と悔い改めと義のゆえにイエス・キリストの(しょく)(ざい)による清めを受けてどうなったかを調べてください。

  1. 聖典学習帳に次の質問の答えを書きましょう。贖罪による清めを自分の生活の中で受けられるようにするために,あなたには何ができるでしょうか。これについて,このようなメルキゼデク神権者の模範から何が分かりますか。

  2. 自分の聖典のアルマ13:1-12のところ,または聖典学習帳に次の真理を書きましょう。#「末日聖徒イエス・キリスト教会の男性会員で大きな信仰を働かせて義を選ぶ人は,メルキゼデク神権を受けてほかの人々を神のもとに導くよう召される。」#次に,この福音の真理を知っていると,あなたが生涯にわたって神権指導者に示す態度はどのように変わるか,聖典学習帳に書いてください。

アルマ13:13-20

アルマ,民の間に平和を確立した偉大な大祭司メルキゼデクについて教える

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〔アブラムを祝福するメルキゼデクの画像〕

アルマ13:13-18を読み,メルキゼデクがどのような人で民のために何を行ったかを説明するためにアルマが使った言葉を探してください。その言葉が,メルキゼデクのキリストのような生き方をどう説明しているか考えてください。メルキゼデク神権者は「御父のもうけられる独り子であり……御子」である御方,つまりイエス・キリスト「の位に従う」者であると教えています(アルマ13:9教義と聖約107:2-4も参照)。また,アルマは,メルキゼデク神権者は模範と教えによってわたしたちの心をイエスに向かわせると教えていますブルース・R・マッコンキー長老は次のように述べています。「多くの預言者の生き方の中には,彼らがメシヤの予型として影として任命させたことを示す事柄がたくさん見られることは疑いのない事実です。キリストのひながたを至る所で探し,それを使ってキリストとその律法をまず思いに刻み込むことは,健全であり,適切なことなのです。」(The Promised Messiah, 453)

アルマ13:19を読み,メルキゼデクについてこの聖句には何と書いてあるか探してください。アルマ13:17をもう一度見て,メルキゼデクが王になったときサレムの民はどんな状態だったとアルマは言っているか確認しましょう。アモナイハの民も同じような状態だったことに注目してください(アルマ8:99:28参照)。メルキゼデクが努力した結果,サレムの民はどうなりましたか(アルマ13:18参照)。

メルキゼデクがアルマ13:18で何を働かせ,何を受け,何を説いたかに注目してください。神権者がメルキゼデクから学ぶべき事柄にはどんなことがあるか,考えましょう。

  1. 聖典学習帳に次の質問の答えを書きましょう。義にかなった神権指導者の勧告に従って平安を感じたことがありますか。それはどんな時でしたか。または,そのような経験をした人を知っていますか。それはどんな経験でしたか。

アルマ13:21-31

アルマ,主の声に聞き従って主の安息に入るように民に勧める

「主の安息に入る」という繰り返し出てくる言葉(またはそれに似た言葉)をアルマ13:12,13,29で探して,それに印を付けてください。主は人々が主の安息に入れるよう助けるために神権の業に人を召す,とアルマはアモナイハの民に教えました。メルキゼデクの例を挙げて,不道徳と邪悪な行いに満ちた民でも悔い改めて主の安息に入ることができることを示したのです(アルマ13:17-18参照;教義と聖約84:24も参照)。

ジョセフ・F・スミス大管長は,「神の安息に入る」とは,「神の知識と愛を知ること」だと言っています。「すなわち,わたしたちが正しい道を歩んでいるのであり,間違ったものを追求しているのではなく,人々の悪巧みによって起こる様々な教えの風に吹きまわされたりもてあそばれたりするのではないことを理解できるほど,神の目的と計画に対して信仰を持つことです。わたしたちは,この教義が神から与えられたものであることを知って〔います。〕」(『歴代大管長の教え—ジョセフ・F・スミス』57

ジョセフ・F・スミス大管長が言うように主の安息に入っている人はどのような行いをすると思いますか。

ブルース・R・マッコンキー長老は次のように教えています。「まことの聖徒はこの世にいる間に主の安息に入り,真理のうちにとどまることによって,天において主とともに安息を得るまで,そのように祝福された状態を保ち続ける。……永遠において,主の安息とは永遠の命を受け継ぎ,主の完全な栄光を得ることである。」(Mormon Doctrine, 第2版〔1966年〕633)

アルマは,キリストの来臨に備えるようにアモナイハの民に警告してから(アルマ13:21-26参照),主の安息に入る方法をさらに説明しました。アルマ13:27-29を読み,どんな説明をしたのか見てください。

アルマの教えは,次の原則にまとめることができます。「わたしたちが悔い改めの招きにへりくだって従うとき,()(たま)はわたしたちを主の安息に導く」

  1. アルマ13:27-29に書かれている祝福の中から,あなたが受けたいと思うものを一つ選んでください。選んだら,その祝福を受けられるようにするのに役立つアドバイスをアルマの言葉の中から探します。次に,この世と次の世で主の安息に入るために,アルマの勧告をどんなふうに実践するかを聖典学習帳に書いてください。

  2. 聖典学習帳の今日の課題の下に,次のように書いてください。

    _月_日,アルマ13章を研究し,このレッスンを終了しました。

    教師に伝えたいこと(質問,思ったことや分かったこと)。