インスティテュート
第17課 教師用資料:結婚生活における対等な協力関係


「第17課 教師用資料:結婚生活における対等な協力関係」『永遠の家族 教師用資料』

「第17課 教師用資料」『永遠の家族 教師用資料』

第17課 教師用資料

結婚生活における対等な協力関係

アダムとエバの時代から,主は夫と妻が結婚生活において対等のパートナーとなることを意図しておられます。生ける預言者は,現代においてこの原則を改めて明言しています。本課は,生徒にとって,結婚生活における対等な協力関係と家庭の管理に関する福音の教えを説明する機会となります。生徒はまた,結婚生活において対等のパートナー関係を築くために,今何ができるかを決心するように勧められます。

教えるための提案

夫と妻は対等のパートナーであるよう定められている。

レッスンを始めるにあたり,中央扶助協会会長のジーン・B・ビンガム会長の次の言葉を提示するか配付するとよいでしょう。生徒にこの言葉を読んでもらい,サタンがどのように結婚と家族を滅ぼそうとしているかを見つけてもらいます。

画像
ジーン・B・ビンガム会長

ルシフェルは,男女の一致を損なわせ,わたしたちの神聖な価値と聖約の義務について混乱させることができれば,永遠の中で不可欠な単位である家族の破壊に成功すると知っているのです。

サタンは,男女が生まれながらに持つ違いが神から与えられたもので,等しく価値があるという永遠の真理を隠し,比較によって優劣の感情を作り出すようあおり立てます。……男女に互いを補完させ,一致をもたらす独自の貢献をたたえ合うことよりも,勢力争いを助長させることがサタンの目標です。(「一致して神の業を成し遂げる『リアホナ』2020年5月号,60)

  • 夫や妻が相手よりも劣っているあるいは優れていると感じている場合,結婚にはどのような困難が生じるでしょうか。

生徒とともに,モーセ3:18,21-23を読み直し,次の質問をします。

  • この記録に記載されているエバの肉体の創造に関する主の描写の仕方から,何を学べるでしょうか。(必要に応じて,生徒に準備資料のセクション1にあるこの聖句に関する教会指導者の説明を参照するように伝えます。生徒が次のような真理を見つけられるよう助けてください。「天の御父は,結婚生活において,夫と妻が対等のパートナーとして互いに助け合うよう意図しておられる。

生徒がこの真理をさらに理解できるよう助けるために,一対になったときに完成するものを幾つか見せるとよいでしょう。例えば,はさみの2枚の刃,フォークとナイフ,二つの部品が必要な楽器(バイオリンなど),靴や手袋,イヤホンやヘッドホンなど。生徒に,その対となっているものの片方のみを使って作業をしたらどうなるのかを想像してもらいます。

  • これらのものは,協力し合う夫と妻とどのような点で似通っていますか。

  • 夫と妻が対等のパートナーとして互いを見て支え合うなら,結婚生活にはどのような祝福がもたらされるでしょうか。

教え方と学び方を改善する

生徒の反応を,肯定的に受け止める。生徒が返答したら,肯定的な形でそれを認めてください。単純に「ありがとう」と言うだけでもよいですし,その答えに対してコメントすることもできます。そうすることで,生徒が自分の話を聴いてもらっていると感じ,大切にされていると感じる助けとなります。こうした肯定的な反応は,生徒が将来,より抵抗なく答えや洞察,経験を分かち合う気持ちになる助けとなり得ます。

準備資料の中で,主が家庭において,夫と妻に「価値と重要性においては同等」な特有の責任を任せられたことについて読んだことを生徒に思い起こしてもらいます(クエンティン・L・クック「御父の子供たちに対する大きな愛『リアホナ』2019年5月号,79)。同様に,預言者たちも次のように教えています。「これらの神聖な責任において,父親と母親は対等のパートナーとして互いに助け合うという義務を負っています。」(「家族—世界への宣言ChurchofJesusChrist.org

これらの責任の一部については,今後のレッスンで説明することを伝えてもよいでしょう。しかし,その一つの例について説明をするために,次の真理を提示します。「神の計画により,父親は愛と義をもって自分の家族を管理しなければな〔らない〕。」(「家族—世界への宣言」)

  • 愛と義をもって管理するとはどういうことか,どのように説明しますか。救い主の模範から,管理することについてどのようなことを学ぶことができると思いますか。(必要に応じて,『総合手引き』の言葉と,準備資料のセクション2にあるエズラ・タフト・ベンソン大管長の言葉を生徒と一緒に復習します。)

生徒に,教義と聖約121:41-43には,家庭を義にかなって管理することに関連するキリストのような特質が幾つか挙げられていることを生徒に思い起こしてもらいます。生徒に,この聖句と準備資料のセクション2にある「自分の考えを記録する」活動の回答として書いたことを見直してもらいます。何人かの生徒に書いた内容を発表してもらいます。その後,次の質問をしてもよいでしょう。

  • 対等のパートナー関係と家庭を義にかなって管理することの模範として,これまでどのようなことを見たり聞いたりしたことがありますか。

夫と妻は,家族のために決断を下すうえでともに評議するべきです。

次のシナリオは,生徒が結婚生活における対等な協力関係と家庭の管理に関する自分の理解を分析する助けとなるように用意されています。(自国の文化により適した形になるよう,あるいは生徒の特定の必要を満たせるよう,必要に応じてシナリオをどうアレンジすればよいか考えてください。)

クラス全体または少人数のグループで,次のシナリオを復習し,配付資料の最後にある質問について話し合います。

ニコラスとエレナのストーリー

『永遠の家族 教師用資料』—第17課

ニコラスとエレナは10年間幸せな結婚生活を送り,3人の子供がいます。二人とも,イエス・キリストと主の福音を土台とした家族を築きたいと願い,それぞれが神から与えられている家族の責任を果たそうと努めています。

ほかの夫婦と同様,ニコラスとエレナにも意見の相違があります。意見の相違はたいてい,金銭に関するものです。ニコラスは家の外でフルタイムで働いています。エレナは時折小さな副業を行っていますが,専業で育児と家の管理を行うことができます。ニコラスは,家庭を管理するという自分の役割を信じていますが,同時に,自分のほうが稼いでいるため,お金の使い道について自分に最終的な決定権があるはずであると考えています。エレナは,ニコラスよりも子供たちと一緒にいる時間が長いので,子供たちにかかわる決断は自分がするべきだと思っています。これまで時折,ニコラスには内緒で,自分のしたいことにお金を使ったこともあります。

ニコラスとエレナは最近,自分たちがためたお金をどうするかについて話し合っています。ニコラスは,通勤や家族の移動をより便利にできる車を購入するために使いたいと思っています。エレナは,そのお金を使って,子供たちが大きくなる前に,休暇を取って子供たちを親戚を訪ねる旅行に連れて行ったり,一緒に楽しいことをしたいと考えています。

ニコラスとエレナの意見の相違が二人に重くのしかかっていますが,決断は下さなければなりません。

  • このお金の使い道を決めるうえで,ニコラスとエレナが直面している最大の課題は何だと思いますか。

  • 家族のための決定を下すため,対等のパートナー関係と管理するということについて,二人はどのようなことをもっとよく理解する必要があると思いますか。(準備資料のセクション3参照)

  • 自分がニコラスやエレナだったら,この決断についてキリストのような方法でともに評議するために,どのように伴侶に働きかけることができるでしょうか。

ニコラスとエレナのストーリー

画像
教師用配付資料

生徒がシナリオについて話し合う時間を十分に取ってから,次の質問をするとよいでしょう。

  • 義をもってともに評議することは,夫婦とその子供たちにどのような祝福をもたらすでしょうか。

レッスンを終えるに当たり,次の質問を提示し,生徒に十分な時間を与えて,静かに深く考え,受けた印象を書き留めてもらいます。

  • 結婚生活において対等なパートナー関係を育むために,キリストのような態度,特質,行いにおいて,どのようなものを身につけ,強めることができますか。努力をするうえで,どのように主の助けを求めることができますか。

次回に向けて

結婚生活と子供について考える際に夫婦が抱く主な懸念は,家族の経済的な必要をどのように満たすことができるかという問題であることが多いことを生徒に伝えます。生徒に,次のレッスンの準備資料を祈りの気持ちで研究し,経済的に賢明な選択をし,さらに自立するうえで助けとなる促しに耳を傾けるように勧めます。