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第39課:教義と聖約101章


「第39課:教義と聖約101章」,『教義と聖約 教師用手引き』

「第39課」,『教義と聖約 教師用手引き』

第39課

教義と聖約101章

紹介とタイムライン

1833年の終わりごろ,暴徒がミズーリ州ジャクソン郡の教会員を襲い,彼らを家から追い出した。暴挙の知らせがオハイオ州カートランドにいた預言者ジョセフ・スミスの耳に届いたとき,預言者はミズーリ州の聖徒たちのために悲しみ,彼らを自分たちの土地と家に戻してくださるよう主に嘆願した。1833年の12月16日から17日,主は,主の聖徒たちが苦しむことを許された理由を預言者に明らかにされた。教義と聖約101章に記録されているこの啓示には,「シオンの贖い」に関する勧告と慰めの言葉も含まれている(教義と聖約101:43)。

1833年7月23日暴徒による襲撃の危険にさらされたミズーリ州の教会指導者たちは,モルモン教徒全員が1834年4月1日までにジャクソン郡から立ち退くという合意書に署名した。

1833年10月20日ミズーリ州の教会指導者たちは,ジャクソン郡にとどまる意向の聖徒たちはそれぞれの土地の権利を守るように告知した。

10月31日-11月8日暴徒がジャクソン郡のモルモン入植地を襲い,家を焼き払って聖徒をジャクソン郡から追い出した。

1833年11月25日預言者ジョセフ・スミスは,暴徒による襲撃によって聖徒がジャクソン郡から追い出されたことを知った。

1833年12月16日-17日教義と聖約101章が与えられた。

教えるための提案

教義と聖約101:1-21

主,聖徒が苦しむことを許された理由を説明され,勧告と慰めをお与えになる

自ら行った悪い選択のために,神はもう助けてはくださらないと信じ込んでいる友人がいることを生徒たちに想像してもらいます。さらに,この友人に対して何を言うかを考えてもらいます。

教義と聖約101章を研究するときは,わたしたちが罪を犯したときにでも主はわたしたちをどう思っておられるかを理解するために役立つ,教義と原則を探すよう生徒に勧めます。

1833年7月の暴徒による襲撃のため,ミズーリ州の教会指導者たちが,1834年4月1日までにモルモン教徒全員がジャクソン郡から立ち退くことに同意したことを生徒たちに思い出してもらいます。1833年8月,オハイオ州カートランドの教会指導者たちは,政府に援助と保護を求めるようミズーリ州の聖徒に助言したことを説明します。ミズーリ州知事との会合の後,ミズーリ州の教会指導者たちは弁護士を雇い,その権利と土地を守る準備をしましたが,その後暴徒が聖徒を襲い,1833年11月に聖徒はジャクソン郡から暴力的に追い出されました。

生徒たちに,教義と聖約101章の前書きを黙読しながら,ミズーリ州の聖徒がどのような困難に遭ったかを探してもらいます。さらに,見つけた事柄を発表してもらいます。

一人の生徒に,パーリー・P・プラット長老(1807-1857年)による次の言葉を声に出して読んでもらいます。

画像
〔パーリー・P・プラット長老の画像〕

「女性や子供が散らされる中,暴徒は男たちを追い,銃で撃たれる者,縛られる者,鞭で打たれる者もいれば,何マイルも追いかけられる者もいました。

…… 〔ミズーリ川の〕岸は,どちらも男,女,子供を乗せた連絡船で覆われ始めました……。あちこちに何百もの人々がいて,雨が滝のように降る中,ある者はテントの中,ある者はたき火の周りに集まっていました。夫は妻を,妻は夫を,親は子供を,子供は親の行方を尋ねました。 …….

…… 冬のためのわたしの食糧はすべて台無しにされるか盗まれてしまい,わたしの穀物は敵によって収穫されるため地に植えられたまま残すことになりました。その後わたしの家は焼かれ,果樹と,手入れした箇所は破壊されたか略奪されました。」Autobiography of Parley P. Pratt, ed. Parley P. Pratt Jr. [1938], 121–22)

  • シオンから追い出された後,聖徒たちはどのような疑問を持ったでしょうか。

一人の生徒に,教義と聖約101:1-3,6-7を声に出して読んでもらいます。ほかの生徒には,一緒に黙読しながら,聖徒たちが迫害されることを救い主が許された理由を探してもらいます。さらに,見つけた事柄を発表してもらいます。

  • 聖徒が背いたにもかかわらず,主は彼らに何を約束されましたか。(生徒たちが答えた後,「わたしが来てわたしの宝石を集める日に,彼らはわたしのものとなるであろう」という言葉に注目してもらい,これは,主が将来忠実な者に報いてくださり,彼らを宝として取り分けられる日を指すと説明します。)

生徒たちに,教義と聖約101:4-5を黙読しながら,主の「宝石」となることができるように聖徒が経験しなければならなかったと主が言われた事柄を探してもらいます。さらに,見つけた事柄を発表してもらいます。

  • 懲らしめとはどういう意味ですか。(必要に応じて,懲らしめが「個人やグループの改善と強化のためになされる矯正や懲戒」であると説明します〔『聖句ガイド』「懲らしめ」の項,scriptures.lds.org〕。)

  • 試練を堪え忍ぶことについて聖徒に教えられるときに,主がアブラハムに言及されたのはなぜだと思いますか。(アブラハムの試しの苛酷さは,厳しい試しを受けるときに忠実であり続けることの重要さを表している。)

  • 主の懲らしめを信仰深く堪え忍ばない場合に起こる事柄に関して,5節からどのような原則を見いだすことができますか。(生徒は次のような原則を見いだせるでしょう:懲らしめに信仰深く堪え忍ばなければ,聖められることができない。

  • 懲らしめや試練に信仰深く堪え忍ぶことは,わたしたちが聖められるためにどのように役立ちますか。

主は,わたしたちを懲らしめるために,数多くの手段を使われるかもしれないことを指摘します。いさめは,聖霊,霊感を受けた教会指導者たち,または友人と家族によってもたらされる場合があります。シオンの聖徒にとって,懲らしめは,彼らが迫害されることを主が止められなかったときにもたらされました。

一人の生徒に,教義と聖約101:9を声に出して読んでもらいます。ほかの生徒には,一緒に黙読しながら,主がこれらの聖徒たちに与えられた希望に満ちたメッセージを探してもらいます。

  • 9節から,わたしたちが自分の罪の結果に苦しむときの助けとなる,どのような真理を見いだすことができますか。(生徒たちが答えた後,次の教義をホワイトボードに書きます:わたしたちは罪を犯しますが,主はそれでもわたしたちを哀れんでくださる。

わたしたちを哀れんでくださるため,主は,わたしたちが最終的に主とともに住むために戻ることができるように,主を信じる信仰を働かせ,罪を悔い改めることをわたしたちに望んでおられると指摘します。

  • この真理は,どのようにミズーリ州の聖徒たちを慰める助けになったと思いますか。

  • この真理は,わたしたちの時代で,主の助けと愛にふさわしくないと感じている人をどのように助けるでしょうか。

教義と聖約101:10-21の要約として,主が聖徒を迫害した者たちを罰すると言われたと説明します。また,主の民を集めて,シオンとシオンのステークを確立するとも約束されました。

教義と聖約101:22-42

主,福千年の間の状態を説明され,主の民が地の塩となると宣言される

教義と聖約101:22-34の要約として,主が聖徒たちに,イエス・キリストの再臨に備えて聖なる場所に集まってそこに立つよう勧告されたと説明します。主はまた,主の再臨後に義人が受ける祝福を幾つか説明されました。

ホワイトボードに迫害と書きます。教会員が,今日どのように迫害を経験するかについて生徒たちに説明してもらいます。

一人の生徒に,教義と聖約101:35-38を読んでもらいます。ほかの生徒には,一緒に黙読しながら,「〔主の〕名のために迫害を受け〔る〕」ことを(35節)信仰深く耐え忍ぶ人に主が約束された事柄を探してもらいます。

  • 35節の主の約束から,どのような原則を見いだすことができますか。(生徒が次の原則を見いだせるよう助けます:イエス・キリストの名のために迫害を受け,信仰をもって耐え忍ぶ人は,主の栄光にあずかる。

  • 36-38節によると,わたしたちはどのように信仰をもって迫害を耐え忍ぶことができますか。

次の質問を提示するか声に出して読み,生徒たちにそれぞれの答えを書いてもらいます。生徒たちが答えを書くために十分な時間を取ってから,二人一組でそれぞれの答えを話し合ってもらうことを検討します。または,クラスで答えを発表してもよいという数人の生徒に発表してもらうこともできます。

  • あなた,またはあなたの知っている人が,イエス・キリストとキリストの福音を信じる信仰のために迫害を受けたことはありますか。

  • あなた,またはその人は,どのように信仰をもって耐え忍びましたか。

イエス・キリストを信じる信仰のために迫害されるときに,信仰をもって耐え忍ぶ決心をするよう生徒を励まします。

教義と聖約101:39-42の要約として,主が聖徒を「地の塩」と呼ばれたことを説明します(39節)。不純物と混ぜられると塩がその味を失うように,この世の罪に汚染されることは,わたしたちがほかの人の模範となり,祝福となる妨げになる場合があります。

教義と聖約101:43-75

主,身分の高い人とオリーブの木のたとえについて話され,引き続き集合するよう聖徒たちを諭される

シオンがどのように贖われるか,または取り戻されるかを聖徒が理解できるように,主は教義と聖約101:43-62に記録されている身分の高い人とオリーブの木のたとえを話されたことを説明します。

次の参照聖句と質問をホワイトボードに書くか提示します:

教義と聖約101:43-62

このたとえで述べられている出来事は,ミズーリ州で聖徒に起こった事柄にどのように関係していますか。

主は,シオンの贖いについて何を教えられましたか。

生徒たちに二人一組になってもらい,各組で教義と聖約101:43-62を読んで,この質問について話し合ってもらいます。十分な時間を取った後,数人の生徒に話し合った内容について発表してもらいます。

たとえの中の見張り台が,ミズーリ州ジャクソン郡に建設するよう主が聖徒に命じられた神殿を指しているかもしれないことを指摘します(教義と聖約57:2-384:1-597:10-12参照)。さらに広い意味で,見張り台は,聖徒が主の律法への従順によってのみ築くことができるシオンを表すのかもしれません(教義と聖約101:11-12105:3-6参照)。55-62節に記されている僕が,預言者ジョセフ・スミスであることを説明します(教義と聖約103:21参照)。教義と聖約101章に記録されている啓示を受けてから数か月後,シオンを贖い,聖徒たちをそれぞれの土地と家に戻すため,預言者はイスラエルの陣営と呼ばれる(後にシオンの陣営と呼ばれた)団体を組織しました(教義と聖約103:29-40参照)。

ジャクソン郡から追い出された後,ミズーリ州の聖徒の一部が,ほかの郡に住むべきではないかと考えたと説明します。一人の生徒に,教義と聖約101:63-67を読んでもらいます。ほかの生徒には,一緒に黙読しながら,集合することの重要性について主が聖徒に教えられた事柄を探してもらいます。

  • 64-65節によると,引き続き集合するよう主が聖徒に言われたのはなぜですか。

65節にある「小麦が倉に安全に納められて永遠の命を得〔る〕」という言葉に注目してもらいます。ジョセフ・スミスの時代,収穫された小麦は,安全に保存し,保護するために倉(穀物貯蔵庫)に入れられたと説明します。十二使徒定員会のデビッド・A・ベドナー長老は,聖文の中の倉が「聖なる神殿」を表すと教えました(「名と地位を立派に維持する」『リアホナ』2009年5月号,97)。

  • 65節から,どのような原則を見いだすことができますか。(生徒が次の原則を見いだせるよう助けます:聖なる神殿に集まるとき,わたしたちは守りを受け,自分自身を永遠の命のために備える。

  • 礼拝して奉仕し,救いの儀式を受けるために神殿に集まることは,どのようにわたしたちの守りとなり,永遠の命のための備えとなりますか。

教義と聖約101:76-101

主,聖徒に,ミズーリ州の家に戻る方法を探し求めるよう勧告される

教義と聖約101:76-101に記録されているように,主は,主が「〔賢人たち〕の手によって〔米国〕の憲法を制定し〔た〕」こと(80節参照),および聖徒は国の法律に頼り,政府から「補償」,つまり救済を求めるべきこと(76節参照)を宣言されたと生徒に伝えます。

一人の生徒に,教義と聖約101:77-78を声に出して読んでもらいます。ほかの生徒には,一緒に黙読しながら,主が米国の憲法を制定する霊感を与えられた理由を探してもらいます。

  • これらの節によると,主が憲法を制定する霊感を与えられたのはなぜですか。

  • 道徳的な選択の自由,つまり自分自身のために選択して行動する能力が,神の救いの計画に欠かせないのはなぜですか。

  • 信仰に関する個人の道徳的な選択の自由の行使を確実にするうえで,宗教の自由が重要であることを理解するために,77-78節はどのように役立つでしょうか。

レッスンで見いだした真理についての証を述べ,それらの真理を実践するよう生徒に勧めて,レッスンを終えます。