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第43課:教義と聖約109-110章


「第43課:教義と聖約109-110章」教義と聖約 教師用手引き

「第43課」教義と聖約 教師用手引き

第43課

教義と聖約109-110章

紹介とタイムライン

1833年7月23日,カートランド神殿の隅石が据えられた。それから3年の間,オハイオ州カートランドの教会員たちは,主の戒めに従って神殿を建設するために多くの犠牲を払った(教義と聖約88:11995:8-9参照)。カートランド神殿を奉献するための準備をしていたとき,預言者ジョセフ・スミスはオリバー・カウドリの助けを借りて,「啓示によって彼に与えられた」(教義と聖約109章,前書き)祈りを書いた。預言者は,この祈りを1836年3月27日の日曜日に行われた奉献式でささげた。この祈りは教義と聖約109章に記録されており,主が「この宮を〔主〕に奉献することを受け入れて」くださり(教義と聖約109:78),「〔神殿に〕入って来るすべての者が」祝福されることと(教義と聖約109:13),「〔主〕のすべての教会員を……思い起こし……〔主〕が人手によらずに設けられた王国が,大きな山となって全地に満ちますように」(教義と聖約109:72)という主への嘆願が含まれている。

1836年4月3日,カートランド神殿で,イエス・キリストが預言者ジョセフ・スミスとオリバー・カウドリに御姿を現された。預言者モーセ,エライアス,エリヤも姿を現し,大切な神権の鍵を委ねた。これらの現れに関する記述は,教義と聖約110章に記録されている。

1833年6月初旬教会員がオハイオ州カートランドでカートランド神殿の建設を開始した。

1836年3月27日預言者ジョセフ・スミスが,後に教義と聖約109章に記録されたカートランド神殿のための奉献の祈りを読み上げた。

1836年3月30日主イエス・キリストが,カートランド神殿での聖会に集まった人々の何人かに御姿を現された。

1836年4月3日教義と聖約110章に記録されているとおり,ジョセフ・スミスとオリバー・カウドリが,カートランド神殿でイエス・キリストの姿を見て声を聞き,モーセ,エライアス,エリヤから神権の鍵を受けた。

教えるための提案

教義と聖約109:1-28

預言者ジョセフ・スミスは,カートランド神殿を受け入れ,そこで礼拝する人々を祝福してくださるよう主に求める

神殿の写真を幾つか見せます。

  • わたしたちは,なぜ神殿を建てるのでしょうか。

今日のレッスンで教義と聖約109110章を研究するときは,この質問の答えとなる教義と原則を見つけるように生徒たちに勧めます。

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〔カートランド神殿の画像〕

カートランド神殿の写真を見せます(『福音の視覚資料集』117番。lds.org/media-libraryも参照)。一人の生徒に,次の文を声に出して読んでもらいます。

カートランドの聖徒たちの人数は少なく,そのほとんどが貧しかったため,カートランド神殿の建設は彼らにとって非常に大きな課題でした。1836年3月27日の日曜日,神殿内に約1,000人の人々が集まりましたが,何百人もの人々が神殿の外に残されました。残された人々のうち,多くが神殿の建設を助けるために犠牲を払った人々でした。預言者の提案により,「〔神殿に〕入ることができなかった人々の一部は隣にあった学校で集会を開き,それ以外の人々は二回目の奉献式を待つために家に戻りました。」奉献は開会の祈りと賛美歌で始まり,その後シドニー・リグドンが二時間半話しました。彼はその後,ジョセフ・スミスを「預言者かつ聖見者」として支持するために,「〔ジョセフ・スミスの〕名前を会衆に提示」しました(The Joseph Smith Papers, Documents, Volume 5: October 1835–January 1838, ed. Brent M. Rogers and others [2017], 189)。20分の休憩後,預言者ジョセフ・スミスは会衆に少しの間話し,教会の指導者たちを支持する挙手を求めました。預言者は次に,奉献の祈りを読み上げました。この式は,会衆が大きな声で「ホサナ,ホサナ,ホサナ,神と小羊に。アーメン,アーメン,アーメン。」と三度唱えるホサナ斉唱で終わりました。(See Joseph Smith Papers, Journals, Volume 1: 1832–1839, ed. Dean C. Jessee and others [2008], 203–11.)

カートランド神殿の奉献の祈りが教義と聖約109章に記載されていることを説明します。これは,その後に続くすべての神殿の奉献の祈りに対するひな形となりました。

数人の生徒に,教義と聖約109:1-5を順番に声に出して読んでもらいます。ほかの生徒には,一緒に黙読しながら,聖徒たちがカートランド神殿を建設した理由を見つけてもらいます。

  • 2節と5節によると,なぜ聖徒たちはカートランド神殿を建設したのですか。

  • 4節によると,預言者ジョセフ・スミスは主が何をしてくださるように祈りましたか。

教義と聖約109:6-11の要約として,奉献の祈りの一部で,預言者が神殿を建てるようにという主の戒めについて語り(教義と聖約88:117-120参照),神殿が完成したときに与えてくださると主が約束された祝福を願い求めたと説明します。

数人の生徒に,教義と聖約109:12-15を順番に声に出して読んでもらいます。ほかの生徒には,一緒に黙読しながら,預言者ジョセフ・スミスが祈った祝福を見つけてもらいます。生徒たちに,見つけた事柄を発表してもらいます。

  • 神殿で神を礼拝するときに受けることができる祝福について,これらの節からどのような原則を見いだすことができますか。(生徒たちが答えた後,次の原則をホワイトボードに書きます:神殿で神を礼拝する人は,神の力を感じ,神から学び,聖霊の全きを受けることができ,すべての必要な物を得るために備えられる。

「聖霊の全きを受け〔る〕」(教義と聖約109:15)とは,「永遠の命,すなわち日の栄えの王国の栄光について……〔の〕約束」を受けることを意味すると説明します(教義と聖約88:4D・トッド・クリストファーソン「聖約の力」『リアホナ』2009年5月号,23,注5も参照)。

ホワイトボードの原則に注目してもらい,次のように質問します:

  • 神殿で神を礼拝したとき,どのような点で祝福を受けましたか。

教義と聖約109:16-20の要約として,預言者ジョセフ・スミスは,主がカートランド神殿を主の宮として受け入れてくださるように祈り,「清くないものがあなたの宮に入る……ことが決してありませんように」(20節)と祈ったと説明します。

一人の生徒に,教義と聖約109:21を声に出して読んでもらいます。ほかの生徒には,一緒に黙読しながら,預言者ジョセフ・スミスが何のために祈ったか見つけてもらいます。

  • 預言者は,神の民が背くときに何が起こるように祈りましたか。

背きのために神殿参入にふさわしくない場合でも,わたしたちは悔い改めて,赦され,神殿においてふさわしい状態で主を礼拝する人々に主が約束されたすべてのものを受けることができると指摘します。

数人の生徒に,教義と聖約109:22-28を順番に声に出して読んでもらいます。ほかの生徒には,一緒に黙読しながら,預言者が主に対して,主の僕のために何をしてくださるよう求めたか見つけてもらいます。

  • 22-24節によると,預言者は,宣教師として奉仕する主の僕のために何をしてくださるよう主に求めましたか。

  • 宣教師が福音を分かち合うために「出て行〔く〕」前に,神殿で「力を帯び〔る〕」こと(22節)が彼らにとって大切なのはなぜだと思いますか。

  • 25-28節によると,預言者は聖徒たちのために何をしてくださるよう主に求めましたか。

  • 神殿で神を礼拝する祝福について,これらの節からどのような原則を見いだすことができますか。(生徒たちが答えた後,次の原則をホワイトボードに書きます:わたしたちが神殿で神を礼拝するとき,神の力と守りを帯びる。

  • 神の力を帯びるとは,何を意味すると思いますか。

一人の生徒に,十二使徒定員会のジョセフ・B・ワースリン長老(1917-2008年)の次の言葉を声に出して読んでもらいます。 ほかの生徒には,神の力を帯びるときに受けることができる祝福に耳を傾けてもらいます。

「主の家において,忠実な教会員は『高い所から力』を授けられます〔教義と聖約95:8〕。その力によってわたしたちは誘惑と戦い,また聖約を尊び,主の戒めに従い,家族,友人,隣人に対して,強くかつ恐れることなく福音を証することができます。」(ジョセフ・B・ワースリン「神聖な特質を養う」『聖徒の道』1999年1月号,29)

  • 「高い所から〔の〕力」(教義と聖約95:8)は,あなたにとってどのように祝福となり得ますか。

神殿で神を礼拝するとき,神の力と守りを帯びることについて証を述べます。

教義と聖約109:29-80

預言者ジョセフ・スミスは,聖徒とほかの人々を憐れんでくださるように,そして神殿を受け入れてくださるように主に求める

教義と聖約109:29-80の要約として,預言者ジョセフ・スミスが聖徒に関する「偽りの報告を世に言い広めた」人々が「辱め」られること(29節),そして教会員が「立ち上がって,〔主の〕御業を行えるように」(33節)祈ったことを説明します。また,主が神殿を「〔主〕の栄光で」満たしてくださるように(37節),そして福音を宣べ伝えるために必要となる証と力を主の僕たちに与えてくださるように祈りました(38-41節)。預言者はさらに,「地に住む者」が福音を受けるために備えられるように願い求めました(38-39節)。

一人の生徒に,預言者ジョセフ・スミスが神殿を奉献した後に起こった事柄に関する次の記述を声に出して読んでもらいます。

奉献後の夜,300人を超える神権者が神殿に集まった。建物が風の吹くような音で包まれ,全員が立ち上がった。多くの人々が預言し,異言で話し,示現と天使を見た。神殿の近くにいた人の中には,神殿の上に火の柱と天使を見た人や,天の歌声を聞いた人もいた(see Manuscript History of the Church, vol. B–1, addenda, note J, p. 3–4, josephsmithpapers.org)。それから6週間にわたって,カートランドの聖徒たちは数多くの霊的な現れを経験しました。最も重要な霊的な現れは,神殿が奉献されてから一週間後の1836年4月3日に起こりました。

教義と聖約110:1-10

救い主が栄光の中に御姿を現され,カートランド神殿を主の宮として受け入れられる

1836年4月3日,教会員の一団が聖餐会のために神殿に集まったと説明します。聖餐が執り行われた後,預言者ジョセフ・スミスとオリバー・カウドリは神殿の西端にあった高い位置にある教壇に入り,教壇を囲む幕を下げました。預言者とオリバー・カウドリはこの人目に付かない場所の中でひざまずき,祈りました。

生徒たちに,教義と聖約110:1-3を黙読しながら,この祈りに応じて起こった事柄を見つけてもらいます。生徒たちに,見つけた事柄を発表してもらいます。

次の画像を見せます:

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〔カートランド神殿で御姿を現された救い主の画像〕
  • 預言者は,救い主をどのように表現しましたか。

数人の生徒に,教義と聖約110:4-8を順番に声に出して読んでもらいます。ほかの生徒には,一緒に黙読しながら,主が預言者ジョセフ・スミスとオリバー・カウドリに言われた事柄を見つけてもらいます。

  • 5節によると,ジョセフ・スミスとオリバー・カウドリが「喜びなさい」と言われたのはなぜですか。

  • 6-8節によると,聖徒たちが「心を喜ばせ」る理由があったのはなぜですか。

  • 主の戒めに従い,「〔主の〕聖なる家を汚さなければ」(8節)起こる事柄に関して,7-8節からどのような原則を見いだすことができますか。(次の原則を見いだせるように生徒を助けます:主の戒めに従い,主の宮を清く保つならば,主は,主の神殿で御自身をわたしたちに現してくださる。

主は通常,聖霊の力を通じて主の民に御自身を現されると説明します(3ニーファイ15:23参照)。しかし,主は「〔主の〕僕たちに現れ〔る〕」(教義と聖約110:8)ことで御自身を現されることもあります。

  • わたしたちは,どのように主の宮を清く,汚れなく保つことができますか。

  • 主が神殿でわたしたちに御姿を現してくださるには,わたしたちが従順であり,自らを清くしなければならないのはなぜだと思いますか。

一人の生徒に,教義と聖約110:9-10を声に出して読んでもらいます。ほかの生徒には,一緒に黙読しながら,神殿の祝福が回復されたことで,だれが祝福を受けるかを見つけてもらいます。生徒たちに,見つけた事柄を発表してもらいます。

教義と聖約110:11-16

モーセ,エライアス,エリヤが神権の鍵をジョセフ・スミスとオリバー・カウドリに委ねる

カートランド神殿における救い主の示現が終わった後,預言者ジョセフ・スミスとオリバー・カウドリは,ほかの天の使者による訪問を受けたと説明します。数人の生徒に,教義と聖約110:11-16を順番に声に出して読んでもらいます。ほかの生徒には,一緒に黙読しながら,ほかのだれがジョセフ・スミスとオリバー・カウドリに姿を現したのかを見つけてもらいます。

  • カートランド神殿で,ほかのだれがジョセフ・スミスとオリバー・カウドリに姿を現しましたか。

  • 天の使者はそれぞれ,ジョセフ・スミスとオリバー・カウドリに何を委ねましたか。

モーセが,伝道の業を導くために使用される「イスラエルの集合……の鍵をわたしたちにゆだねた」(教義と聖約110:11)ことを生徒たちが理解できるように助けます。エライアスは「アブラハムの福音の神権時代をゆだね」ました(教義と聖約110:12)。これはつまり,「地のすべての氏族は」,アブラハムの「子孫に……よって,救いの祝福すなわち永遠の命の祝福である福音の祝福を授けられる」(アブラハム2:11)という約束です。エリヤは,結び固めの力の鍵を委ねました(教義と聖約110:13-16参照)。これによって,ふさわしい夫婦と家族が永遠に結び固められることが可能になります。

  • 末日にこれらの神権の鍵が回復されることが大切だったのはなぜですか。(生徒たちが答えた後,次の教義をホワイトボードに書きます:主の権能を授けられた僕は,神権の鍵を通じて救いの業を導き,達成する。

預言者ジョセフ・スミスとオリバー・カウドリに委ねられた神権の鍵は,今日,教会の大管長の指示に従って,大管長会と十二使徒定員の各会員によって保持され,使用されていることを説明します。

  • カートランド神殿でモーセ,エライアス,エリヤがジョセフ・スミスとオリバー・カウドリに委ねた神権の鍵と権能によって,あなたはどのように祝福を受けてきましたか。

今日のレッスンで見いだした教義と原則を見直して,これらの真理に関するあなたの証を述べます。時間が許せば,教会員が神殿の祝福について証するビデオ「聖なる宮」(5:08)を見せてもよいでしょう。このビデオはLDS.orgで視聴できます。

神の力と守りを受けることができるように,事情が許す限りできるだけ頻繁に神殿に参入する目標を立てるように生徒たちを励まします。