2017
カヨとアンソニー——フランス,パリ
2017年9月


信仰の肖像

カヨとアンソニー

フランス,パリ

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Cayo and Anthony walking through their neighborhood

フランスのパリ郊外にある自宅周辺を歩くカヨ・ソピ(左)とアンソニー・リナ(右)。二人は幼友達です。

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Cayo and Anthony standing on the sidewalk

「仲良くなるにつれ,カヨがほかの友達とは違うことが分かりました」とアンソニーは振り返ります。カヨの模範を通して,アンソニーは徐々に回復された福音に関心を持つようになりました。

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Cayo and Anthony walking down the street

アンソニーがガイアナに引っ越してからも,カヨとアンソニーは連絡を取り合うつもりです。

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Cayo and Anthony in front of a market

アンソニーは次のように言っています。「教会に入って以来,まっすぐな道にとどまり,周りの人々に福音を伝えるために必要なことを行っています。」福音を紹介するのは「とても簡単なことだ」と彼は言います。

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Cayo and Anthony walking alongside a waterway

カヨは,友達に福音を紹介する機会があったことをずっと感謝しています。「わたしたちがほんとうに,真の,心からの変化を遂げられるよう,主はできることをすべてしてくださると信じています」とカヨは言います。「わたしはアンソニーにそんな変化が起きたのを見ました。」

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Cayo and Anthony walking around their neighborhood

福音を見いだして生活が祝福されてきたとアンソニーは言います。「自分には天の御父がいると知ることで慰めが得られます。また,御父が御子イエス・キリストを送ってくださったことを知ることも慰めとなっています。」

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Cayo and Anthony walking and talking

カヨはこう語ります。「主のなさり様は興味深いものです。」アンソニーがバプテスマを受けるまで10年以上かかりましたが,その間に,アンソニーは強い証を得たのです。

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anthony and cayo walking together

カヨ・ソピとアンソニー・リナは幼友達です。教会員のカヨは,アンソニーに教会に入ってほしいと思っていました。

写真撮影,レスリー・ニルソン

カヨ——

アンソニーと出会ったのはずっと前です。わたしは家族と一緒に彼の近所に引っ越して来たばかりでした。転校先の学校で友達ができ始めたとき,彼もその中にいたのです。たぶん6歳か7歳の頃だったと思います。そう考えるとおかしいですよ。わたしはもう26歳ですから。

あるとき,「ポグ(Pog)」というゲームを一緒にしていたんです。フランスでよくやる〔めんこに似た〕ゲームです。ほかの国でもするのかどうか分かりませんが。ゲームの最中に,アンソニーがわたしのめんこを1,2枚盗もうとしたんです。突然わたしたちは取っ組み合いのけんかを始め,担任の先生が二人を引き離さなければなりませんでした。そんなことがあってから,わたしたちは互いを認め合うようになったと思います。いろいろなことを一緒にするようになりました。ビデオゲームをしたり,スケートボードやサイクリングをしたりもしました。だんだん,二人で一緒に過ごす時間が増えていきました。

わたしの母は家族で祈ることを大切にしていました。祈りは家族の習慣になっていました。聖文学習もです。どちらも,わたしたち子供たちにしっかりと根付いていました。ある晩,わたしはアンソニーの家に泊まりに行きました。寝る前に祈っているわたしを見て,アンソニーが何をしているのかと尋ねました。どう答えたのか,よく覚えていません。記憶にあるのは,彼の部屋で祈りについて話し合ったことだけです。

アンソニーも何回かわたしの家に泊まりに来て,わたしたちが家族で聖文を読んだり,食事の祝福をしたり,祈ったりする姿を目にしたことがありました。家族で賛美歌を歌うのも見ました。1,2度,彼を教会に誘ったこともあります。そのときの彼の反応から,わたしは教会についてはあまり関心がなさそうだと判断したのでしょう。「しかたがない。残念だけど,これからもずっと仲良しでいよう」と自分に言い聞かせたのです。

アンソニー——

最初,教会とは少し距離を置いていました。あまりよく分からなかったし,カヨの家族がどうして一緒に祈るのか,彼に聞くのが少し怖かったのです。それで,教会に誘われても,始めは良い返事をしなかったんです。でも,少しずつ気持ちが和らいでいきました。心の中では,カヨの家族はほかの家族と違うと感じていたんです。

カヨ——

そのうち,二人とも別なことに関心が移っていきました。その後数年,何度か音信不通になりましたが,その度にいつも偶然再会するんです。10代になって,また親友になりました。

アンソニー——

カヨがほかの友達とは違うと知っていました。成長過程にある子供って皆ばかなことをするものですが,カヨはわたしが正しい道を選べるよう助けてくれました。

カヨ———

アンソニーは,わたしの家族と教会に来るようになりました。そこからは,物事は自然に運びました。宣教師たちが家によく来るようになり,アンソニーは教会にかなり詳しくなりました。祈りとは何か知っていましたし,賛美歌も知っていました。そういうことを全部知っているのに,教会員ではなかったのです。

アンソニー——

8歳から18歳まで,バプテスマを受けることについて随分考えました。時間がかかった理由は,良い原則に従って生きようと努力はしていたものの,自分の生活の中で変えなければならないことがたくさんあったからです。

18歳のとき,カヨの家で宣教師に会いました。宣教師たちは,わたしをバプテスマに備えるためにレッスンを教えてくれました。宣教師たちが助けてくれ,彼らのメッセージに心を動かされました。同じ時期に,母と妹も宣教師に紹介されました。二人はわたしより数か月前にバプテスマを受けました。わたしは2007年3月10日にバプテスマを受けました。

カヨ——

10年以上かかりましたが,アンソニーはようやくバプテスマを受けたのです。

主のなさり様は興味深いものです。その後,わたしはフランスでの伝道に赴きましたが,わたしたちは手紙で連絡を取り合いました。今度また,わたしたちは離れ離れになります。アンソニーが警察官になり,2年から5年の任期でガイアナに派遣されることになったからです。でも,必ず連絡を取り合います。

アンソニー——

教会に入って以来,まっすぐな道にとどまり,周りの人々に福音を伝えるために必要なことを行っています。とても簡単なことなのですが,福音を受け入れて生活することを難しく感じる人々もいます。教会の会員であるわたしたちは,人とはとても違っています。

母と妹とわたしが毎週日曜日に教会に行く支度をするのを見る家族の中には,その理由を理解できない者もいます。朝9時まで教会に行くために,わたしはスーツを着て8時30分に家を出ます。召しを果たすために午後3時まで教会にいることがよくあります。ほかの会員とおしゃべりして,彼らの近況を聞くのが好きですし,会員たちと一緒に集えるのがうれしいんです。最高だと思っています。周りに会員たちがいること,一致して,互いに強め合っていると感じることが大切です。

カヨ——

わたしたちがほんとうに,真の,心からの変化を遂げられるよう,主はできることをすべてしてくださると信じています。末日聖徒となり,キリストの弟子となることは,単に何かについて考え方を変える決断をするといったことではありません。自分の中に深い変化を起こすことなのです。わたしはアンソニーにそんな変化が起きたのを見ました。

アンソニー——

自分には天の御父がいると知ることで慰めが得られます。また,御父が御子イエス・キリストを,わたしたちの,わたしの身代わりとして死ぬために送ってくださったと知ることも慰めとなっています。

とにかく,それが真実だと知っています。聖文が真実であることも知っています。モルモン書は真実です。一点の疑いもありません。教会も真実です。わたしたちには真の預言者であるトーマス・S・モンソンがいます。十二使徒はほんとうに神によって召された人々です。

前はそのことが分かりませんでしたし,今でも完全に理解しているわけではないと思います。それはとても力強く,特別な気持ちです。