大管長会メッセージ
わたしたちを導く預言者
トーマス・S・モンソン大管長
数年前のこと，わたしは大管長会と十二使徒定員会が週に1度集まるソルトレーク神殿の部屋で，椅子に腰掛けていました。大管長会の席に面した壁を見上げ，そこに掲げられた教会の歴代大管長の肖像に，見入っていたのです。
預言者ジョセフ・スミス（1805－1844年）からゴードン・B・ヒンクレー大管長（1910－2008年）に至るまで，わたしの前任者たちを見詰めながら，こう思いました。「この大管長一人一人の導きに，わたしはどれほど感謝していることだろう。」
決して揺らぐことも，ひるむことも，諦めることもなかった偉大な人々—皆，神の人です。わたしがよく知り，愛してきた現代の預言者たちについて考えると，彼らの生涯，特質，その霊感あふれる教えが思い出されます。
ヒーバー・J・グラント大管長（1856－1945年）は，わたしが生まれた当時の大管長でした。その生涯と教えについて思いをはせると，グラント大管長がどんなときにも体現してきた特質は，強固な精神であったと思います。善と高潔さを固く守り抜く人でした。
ジョージ・アルバート・スミス大管長（1870－1951年）は，わたしがソルトレーク・シティーのワードでビショップとして奉仕していたころの大管長でした。スミス大管長は，主とサタンとの間で繰り広げられる大いなる戦いを目にし，次のように教えました。「もし主の側にとどまれば，あなたたちは主の影響力を受け，悪いことをしようなどとは思わない。」1
1963年のこと，わたしはデビッド・O・マッケイ大管長（1873－1970年）により，十二使徒定員会の会員として奉仕するよう召されました。その生き方を通して思いやりを教えたマッケイ大管長は，このような言葉を残しています。「真のキリストの教えは愛を行動で表すことです。」2
ジョセフ・フィールディング・スミス大管長（1876－1972年）は，教会で最も多くの著作を残した一人であり，福音を学び続けることを生涯の指針としていました。スミス大管長はたゆむことなく聖文を読み，わたしの知るだれよりも聖文の教えと教義に精通していました。
ハロルド・B・リー大管長（1899－1973年）は，わたしの少年時代のステーク会長でした。リー大管長が好んで引用したのは，この聖句です。「あなたがたは聖なる場所に立ち，動かされないようにしなさい。」3リー大管長は，聖霊のささやきに波長を合わせ，すぐに従うよう聖徒たちに勧めました。
スペンサー・W・キンボール大管長（1895－1985年）がその生涯において指針としてきた原則は，献身であると思います。キンボール大管長は全身全霊をかけて，確固として主に献身し，福音に従って生きることに生涯をささげました。
エズラ・タフト・ベンソン大管長（1899－1994年）が教会の大管長になったとき，わたしは大管長会第二顧問として奉仕するよう召されました。ベンソン大管長にとって指針となった原則は，愛でした。それはベンソン大管長が好んで引用した，救い主の次の言葉に集約されています。「あなたがたはどのような人物であるべきか。まことに，あなたがたに言う。わたしのようでなければならない。」4
ハワード・W・ハンター大管長（1907－1995年）は，いつでも人々が持つ最良の特質を見いだす人であり，常に礼儀正しく，謙虚な人でした。ハンター大管長の第二顧問として奉仕することは，わたしにとって特権でした。
ゴードン・B・ヒンクレー大管長は，最善を尽くすよう教えました。救い主とその使命について力強い証を述べ，愛をもってわたしたちを教えました。ヒンクレー大管長の第一顧問として奉仕したことは，わたしにとって名誉であり，祝福です。
救い主が預言者を遣わしてくださるのは，わたしたちを愛しておられるからです。この10月の総大会の間，教会の中央幹部は，再び主の言葉を皆さんと分かち合う特権にあずかります。わたしたちはへりくだり，厳粛にこの責任に向き合います。
回復されたイエス・キリストの教会がこの地上にあり，その教会が啓示の岩の上に立てられていることは，わたしたちにとってどれほどの祝福でしょうか。絶えることのない啓示は，イエス・キリストの福音において根幹を成すものです。
わたしたちがよく備え，総大会を通して豊かに注がれる個人の啓示を受けることができますように。挙手をもって生ける預言者と使徒への支持を表すとき，その心が確固とした決意に満たされますように。彼らの言葉に耳を傾けるときに，思いが照らされ，高められ，慰めを受け，強められますように。主イエス・キリスト，すなわち主の福音とその業に対する決意を新たにする心構えができますように。またその新たな決意をもって主の戒めを守り，主の御心を行う心構えができますように。