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第13課:子供に福音の原則を教える


第13課

子供に福音の原則を教える

その1

目 的

参加者が基本的な福音の原則と儀式を子供に教えたいという望みと教える能力を増すよう助ける。

準 備

  1. 「教師としてのあなたの責任」(本書 ixxi)にある原則を応用する方法を検討する。

  2. 本課の太字の見出しに示されている教義と原則について深く考える。1週間を通しこれらの教義と原則を教える方法を思い巡らす。参加者の必要に合ったレッスンを行うには何を強調すればよいかを決めるに当たって,御霊みたまの導きを求める。

レッスンの進め方の提案

両親の教えは子供に強い信仰を持たせる

黒板に以下の絵を描く。

画像
2本の木
  • これらの二つの絵は何を表しているだろうか。これらの絵は子供を育てることについて何を教えているだろうか。

    参加者がこの質問の答えに困っているようであれば,第12課に出てきた木を植えることに関するヒンクレー大管長の物語を思い起こさせる。(本課のみを教えていて第12課を教えていない場合は,黒板の絵について話し合う前に51ページにある物語を紹介する。)

    左側の木は,両親が家庭で福音を教えず実践しなかったために福音から離れてしまった子供を表している。右側の木は,両親の言葉と模範があるために福音を学んでいる子供を表している。強い風が吹いても,ひもに導かれている若木はまっすぐに成長し続ける。同様に,両親から簡潔な福音の原則を学んできた子供は,よりしっかりと信仰にとどまるであろう。

参加者とともに教義と聖約68:25-28を読む。

  • この聖句によると,主は両親に対して子供に何を教えるように求めておられるだろうか。(参加者の答えを次に示されているように黒板に書き出す。)

    イエス・キリストへの信仰

    悔い改め

    バプテスマ

    聖霊の賜物たまものを受けること

    祈り

    主の前をまっすぐに歩むこと

  • 子供が幼いうちに両親がこれらの原則や儀式を子供に教えることが大切なのはなぜだろうか。

    管理監督であった当時,ロバート・D・ヘイルズ長老はこう説明している。「幼いときから祈ることを教えられ,親と一緒に祈った子供たちは,成長した後も祈り続ける可能性が高いものです。また,神を愛し神の存在を信じるように幼いときから教えられてきた子供は,成長とともに霊性を伸ばし続け,愛を深めていくことが多いのです。」(「どのように子供の心に残る親か」『聖徒の道』1994年1月号,10

両親は子供に福音の第一の原則と儀式を教える

以下の質問を用いて,両親は子供たちが信仰と悔い改めの原則を実践し,バプテスマを受けて聖霊の賜物たまものを授かる備えをするのをどのように助けることができるかについて話し合う。話し合いを進めながら,参加者に自分自身の経験を分かち合うように奨励する。

  • イエス・キリストへの信仰を行使するために,わたしたちは主の特質や属性について正しく理解していなければならない。両親は子供が救い主の特質や属性を理解するのをどのように助けることができるだろうか。

  • イエスがヤイロの娘をいやされた話(マルコ5:21-24,35-43)と,真鍮しんちゅうの版を入手するよう命じられたニーファイの反応(1ニーファイ3:1-7)について簡単に読む。これらの話は子供がイエス・キリストへの信仰を行使するうえで,どのように役立つだろうか。

  • わたしたちの人生での経験を分かち合うことは子供の信仰を強めるのにどのように役立つだろうか。

両親は,信仰が人生における試練や困難を切り抜けるのを助けてくれることを子供に教える機会を探す必要がある。例えば,子供が学校や友人関係において問題を抱えているとき,両親は子供とともに聖句を読み,子供が導きと慰めを求めて祈るのを助け,主がどのように助けを与えてくださるかを子供が理解できるように助けることができる。

  • 両親が悔い改めについて子供に教えようと努力するとき,日々の生活の中で教える機会をうかがうことが大切なのはなぜだろうか。

    両親は子供が賢明でない選択をするのを目にしたときに,子供にその選択についてどのように感じるか,またほかにどのようにすることができたかを尋ねることができる。両親は子供が過ちを正し,必要であれば主や傷ついた人々に後悔の念を表せるように導くことができる。また両親は,子供が真の悔い改めを通じてもたらされる幸福と平安を認識するよう助けることができる。

  • 息子アルマ(モーサヤ27章アルマ36章)およびアンタイ・ニーファイ・リーハイ人(アルマ23章)の改宗を簡単に読む。これらの話は子供が悔い改めとゆるしの祝福を重んじるようになるうえで,どのような助けとなるだろうか。

  • 参加者とともにモーサヤ18:8-10および教義と聖約20:37を読み,バプテスマの聖約を復習する。両親は子供がバプテスマの聖約を交わして守る備えをするのをどのように助けることができるだろうか。

  • 子供がバプテスマを受けて聖霊の賜物たまものを授かることを心待ちにするよう,両親はどのような助けができるだろうか。

両親は「その子供たちに祈ることと,主の前をまっすぐ歩むこと」を教えなければならない

  • 子供が祈りを習慣にできるように助けるうえで,両親の模範が最も偉大な教師であるのはなぜだろうか。

  • 祈りの模範を示すこと以外に,祈りについて両親が子供に教えることができる原則にはどのようなものがあるだろうか。(参加者がこの質問に答える際,以下の聖句および引用を読んで話し合う。これらの教えに関連した経験を分かち合うよう参加者に奨励する。)

    1. ヤコブの手紙1:5-6(わたしたちが信仰を持って尋ねるなら神は知恵を与えてくださる。)

    2. 2ニーファイ32:9(常に祈らなければならない。イエス・キリストの御名みなによって御父に祈る。)

    3. アルマ37:37(すべての行いについて主と相談するとき,主はわたしたちのためになる指示を与えてくださる。)

    4. 3ニーファイ18:19-21(イエス・キリストの御名みなによって御父に祈るとき,求めるものが正当であればそれを受ける。家族の中で祈らなければならない。)

    5. 教義と聖約112:10謙遜けんそんであるならば,主は祈りにこたえてくださる。)

    十二使徒定員会会員のダリン・H・オークス長老は,「祈りの言葉」を用いることの大切さについて語っている。オークス長老は,子供たちは祈りの言葉を両親から学ぶことができると言っている。

    「人は周囲の人が話すのを聞いて,自分の母国語を身に付けます。天父に語りかける言葉についても同じことが言えます。祈りの言葉は,どのような言語よりも簡単に楽しく習得できます。子供たちにそのような特権を与えてください。家庭での日々の祈りの中で両親がそのような言葉を使っているところを,子供たちに聞かせる必要があります。」(「祈りの言葉」『聖徒の道』1993年7月号,18

  • 両親は家族の祈りを,子供たちを教える時間としてどのように活用できるだろうか。

  • 両親はどのようにして子供たちに個人の祈りをするよう奨励できるだろうか。

  • 主は,両親は子供たちに「主の前をまっすぐに歩む」よう教えなければならない,と言われた(教義と聖約68:28)。子供たちに「主の前をまっすぐに歩む」よう励ますために,両親は家庭においてどのようなことができるだろうか。(両親は子供たちに福音の律法と儀式に従い,いつでも,どのような所にいても神の証人になるよう教えることができる,などの答えが考えられる。)

  • 祖父母やその他の親族は,両親が子供たちに福音の原則を教えるのをどのように助けることができるだろうか。親族が子供たちを助けているよい例として,あなたはこれまでどのようなものを目にしてきただろうか。

結 び

神は両親に対して,子供たちに義の原則を教える責任を与えておられることを強調する。レッスンで教えられた原則を実践するよう努力し,これらの原則を子供たちにさらによく教えるためにどのような方法を用いるか,参加者に決めてもらう。

御霊みたまの促しに従って,レッスンで話し合った真理に対する教師の確信を述べる。

『結婚と家族関係参加者用学習ガイド』の57-60ページを見てもらう。レッスンでの教義や原則を復習するため,参加者に以下を行うよう奨励する。(1)「応用のためのアイデア」にある提案から少なくとも一つを行う。(2)ロバート・D・ヘイルズ長老の説教「家族を強めること-わたしたちに託された神聖な義務」を読む。学習ガイドに掲載されている説教を夫婦でともに読んで話し合うことは,既婚者にとって大変有益であることを指摘する。