セミナリー
家庭学習レッスン:教義と聖約29:31-50,30-35章(単元8)


家庭学習レッスン

教義と聖約29:31-50;30-35章(単元8)

家庭学習を行う生徒を教えるための準備資料

毎日の家庭学習レッスンの要約

以下は,生徒が教義と聖約29:31-5030-35章(単元8)を研究して学んだ出来事や教義,原則についての要約であり,レッスンの一部として教えるよう意図されたものではありません。実際に教師が教えるレッスンは,これらの教義や原則の一部に的を絞ったものにします。生徒の必要に合わせてレッスンを行えるよう,聖霊の促しに従うべきです。

第1日(教義と聖約29:31-50

生徒たちは,教義と聖約29章から救いの計画について学ぶことにより,神のすべての戒めが霊的なものであり,わたしたちの選びとその結果から学ぶ経験をするために神がわたしたちに選択の自由という賜物を与えてくださったことに気づくことができました。生徒たちは,アダムの堕落がどのように霊の死をもたらしたかについて深く考えて,主を信じる信仰を表し,自分の罪を悔い改めるすべての人に,イエス・キリストが赦しと永遠の生命をお与えになるということを学びました。

第2日(教義と聖約30-32章

このレッスンで生徒たちは,主が福音を宣べ伝えるように召された6人の男性たちにお与えになった勧告と約束について読みました。レッスンでは主がともにおられるのだから,わたしたちは精神を尽くして主に仕えなければならない,ということに焦点を当てました。わたしたちが忠実であれば,家族も祝福されて,信じ,真理を知る時が来るということも学びました。

第3日(教義と聖約33-34章

生徒たちは,主がエズラ・セアとノースロップ・スイートという二人の宣教師に与えられた言葉について学びました。また生徒たちは,もしわたしたちが口を開いて福音を宣べ伝えるなら,主は言うべきことを霊感によって教えてくださる,ということを見いだしました。主がオーソン・プラットに与えられた言葉から,生徒たちは適切に,また勤勉に福音を教える者は,聖霊の力によってそれを行うことを生徒たちは学びました。

第4日(教義と聖約35章

生徒たちはシドニー・リグドンの改宗について読み,主が彼に与えられた言葉について学びました。主はわたしたちを御存じであり,わたしたち一人一人が成すべき業をお持ちであること,そして御業のために弱いものを召されて,主の御霊の力を通してそれを成し遂げられるということを,生徒は学びました。そして,わたしたちが戒めを守り,聖約を尊ぶなら,主はわたしたちが御業を成し遂げるための助けを与えてくださるということも学びました。

はじめに

このレッスンは特に,1830年9月に行われた教会の大会の後で,主がデビッド・ホイットマーとピーター・ホイットマーに与えられた勧告に焦点を当てます。大会の間,主はハイラム・ページが受けたという啓示が偽りであることを明らかにされました。教義と聖約30章で,主はデビッド・ホイットマーが石を信じていたことを懲らしめられ,ピーター・ホイットマーはオリバー・カウドリーとともに伝道に出るように召されました。

教えるための提案

教義と聖約30:1-4

デビット・ホイットマー,人に聞き従ったために懲らしめを受ける

生徒に,次の質問について静かに考えてもらいましょう:

  1. ある若い男性が『若人の強さのために』で述べられている標準に合わない音楽を聞き続けています。その男性はこの曲が好きなのですが,その歌の内容がだんだんと御霊を失わせたり,家族や友人,教会から自分を遠ざける原因になっていることに気付き始めています。

  2. ある若い女性は,ある若い男性と何回かデートを重ねた後,聖霊の促しによって,この男性が言葉巧みに少しずつ彼女に純潔の律法を破らせようとしていることに気付き始めています。

その後,次の質問をします:

  • わたしたちが,これらの話に出てきた人たちのように,自分が欺かれていると気づくにはどうすればよいでしょうか。

教義と聖約30章には,わたしたちが御霊の警告を受けてそれに従う備えをするために,また欺かれないようにするために,助けとなる真理が書かれていることを説明します。今日この章を学ぶにあたって,それらの真理を見つけるように生徒たちに勧めます。

生徒たちが,教義と聖約30章の背景を理解するのを助けるために,彼らがこれまで教義と聖約や教会歴史を学んだ中で,デビッド・ホイットマーについてどんなことを知っているか尋ねます。(彼はモルモン書の三人の証人の一人で,モルモン書の翻訳の間,必要なものを提供した人である。)

デビッド・ホイットマーがハイラム・ページの義理の兄弟であることを生徒たちに伝えてください。教義と聖約28章で学んだことから,彼らがハイラム・ページについてどんなことを覚えているかを聞いてみるのもよいでしょう。(彼はモルモン書の八人の証人の一人で,啓示を受けることができる石を見つけたと言っていた。)ハイラム・ページが偽りの聖見者の石と,それによって受けたという啓示をオリバー・カウドリやホイットマー家族,およびフェイエットの地域にいるその他の人々に紹介したときに,彼らはハイラムの言うことを信じてしまったことを説明してください。

  • なぜデビッド・ホイットマーはハイラム・ページの言うことをすぐに信じてしまったのでしょうか。

生徒たちに,教義と聖約30:1-2を参照して,次の質問に答えるように言います:

  • 主は,デビッド・ホイットマーが欺かれやすくなってしまったのは,何をしたことによると述べられましたか。

  • 主は,デビッドが何をしなかったと言われましたか。

教義と聖約30:1-2から学ぶことのできる原則を,生徒に挙げてもらいます。生徒は,次のような答えの一部,あるいは全部を挙げるかもしれません:

わたしたちは,人を恐れるのではなく,強さを求めて主に頼らなければならない。

わたしたちは,世の事柄よりも神にかかわる事柄に心を向けるべきである。

わたしたちは,主から召されていない人々に説きつけられるのではなく,御霊や教会の指導者の勧告に従うべきである。

以下の質問をします:

  • 主にかかわる事柄よりも世の事柄の方に心があるというのは,どういう意味だと思いますか。どんな時にそのような誘惑があるでしょうか。

  • 主にかかわる事柄よりも世の事柄の方に関心があると,わたしたちはどのように欺かれやすくなるのでしょうか。

一人の生徒に,声に出して,ジョセフ・フィールディング・スミス大管長が語った次の言葉を読んでもらいます:

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ジョセフ・フィールディング・スミス大管長

「〔デビッド・ホイットマー〕がすばらしい証を受けて,御霊が豊かに注がれる経験を幾度となくしてから,そんなにもすぐにそれを忘れてしまうのは奇妙に感じるかもしれませんが,人間の属性というものは,自らの責任を常に思い起こさせるものがないとたちまち他の些細なことに気を取られてしまうものなのです。わたしたちが常に祈り,思いをいつも神の王国に向けるように集中し,果たすべき義務に心を向けることは明らかに必要なことですが,それをしなければ誤った道にそれてしまうのです。主は御自分の民に対して,肉の弱さについてどれほど警告されてきたでしょうか。」(Church History and Modern Revelation,全2巻〔1953年〕,第1巻,146)

  • スミス大管長によれば,デビッド・ホイットマーのようにわたしたちが霊的な義務を忘れないようにするには,何をする必要があるでしょうか。

この機会に,生徒たちに毎日聖典を学習する必要があることを伝えてもよいでしょう。課題を終わらせるためではなく,福音を学ぶことができるように,そして福音の証を培い,主の言葉を聞くことができるようにするためです。また,彼らに聖典を有意義な方法で学ぶためのアイデアがないか聞いてみてもよいでしょう。

一人の生徒に,教義と聖約30:3-4を読んでもらいます。他の生徒には,聞きながら,主がデビッド・ホイットマーへ与えられた勧告を見つけてもらいます。

  • ハイラム・ページによって欺かれてから,デビッド・ホイットマーが主から受けた勧告について深く考えたことは,どのように助けとなったでしょうか。

生徒たちに,これまでに神に関する事柄よりも「この世に関する事柄」に頼ったり,目を向けた経験がなかったか,またそうすることによって,どのように自分が欺かれやすくなったのか考えてみるように勧めます。そのような状況になったら,もっと主に頼ることができるように何を行うのか決意するように勧めましょう。

教義と聖約30:5-8

ピーター・ホイットマー・ジュニア,オリバー・カウドリとともにレーマン人のための伝道に行くよう召される

重いものや重いものをいれたバッグを見せます。一人の生徒に,前に出てきてその物を持ち上げるように言います。その生徒が重い物を持っている間,その他の生徒たちに,教義と聖約30:5を黙読して,主がピーター・ホイットマーに何を命じられたか見つけるように言います。生徒たちに見つけたことを発表してもらいます。

  • ピーター・ホイットマーのレーマン人への伝道において,管理する指導者はだれでしたか。

生徒をもう一人呼び,重い物を持っている生徒を助けてもらいます。最初の生徒に,だれかに支えてもらったときには,重さの違いをどのように感じたか,説明してもらいます。教義と聖約30:5-7には,主がピーター・ホイットマーに与えられた勧告が記録されていて,ピーターは指導者の立場であるオリバー・カウドリを支え,支持するように命じられたことを説明します。生徒たちに,これらの聖句を調べて,ピーターがどのようにオリバーを支持するように述べられているのか,具体的な表現を見つけてもらいます。

  • 主はどのような表現でピーターにオリバーを支え,支持するように教えられているでしょうか。(6節参照。ピーターはオリバーのあらゆる苦難を自分の苦難とし,オリバーのために祈り,オリバーの権限を尊重しなければならない)

  • 「彼のあらゆる苦難を自分の苦難とする」とはどういう意味だと思いますか(教義と聖約30:6)。

  • 主がピーターに与えられた勧告から,わたしたち自身に当てはめられるどのような教えを学びますか。

生徒たちは次のような真理を述べるかもしれません。わたしたちは,御業を導くために主が召された人々を支持し,支えなければならない。一人の生徒に,この原則をホワイトボードに書いてもらいます。

この原則を自分の生活に,特に自分のワードや支部の指導者を支えることにおいて,どのように当てはめることができるか説明してもらいます。主が召された人々を支持することによって得られた祝福についての証を生徒たちに分かち合ってもらいます。この原則にこれからも従うように生徒たちを励ましてください。

次の単元(教義と聖約36-40章

生徒たちに,そのようにする理由が分からないのに,戒めに従うように言われたことがあるか聞いてみます。自分の従順さに応じて祝福を受けると約束されながら,戒めに従えなくなったらどうでしょうか。次の単元では,生徒たちはこのような状況に陥った教会員たちと,主が彼らに教えられたことについて学びます。