セミナリー
家庭学習レッスン:教義と聖約98章-101:42(単元21)


家庭学習レッスン

教義と聖約98章-101:42(単元21)

家庭学習を行う生徒を教えるための準備資料

毎日の家庭学習レッスンの要約

以下は,生徒が教義と聖約98章-101:42(単元21)を研究して学んだ出来事や教義,原則についての要約であり,レッスンの一部として教えるよう意図されたものではありません。実際に教師が教えるレッスンは,これらの教義や原則の一部に的を絞ったものにします。生徒の必要に合わせてレッスンを行えるよう,聖霊の促しに従うべきです。

第1日(教義と聖約98章

生徒は,ミズーリ州ジャクソン郡で聖徒たちが経験した暴徒の暴力について学習し,わたしたちが聖約を守るのが難しいときでも,守ることによって主に自らを証明することを学びました。もし不当な扱いを受けても,報復することなく忍耐強く堪えるならば,主がわたしたちに報いてくださるということも学びました。最終的に,戦争は主が定められた状況下で正当化されることがあることを学びました。

第2日(教義と聖約99-100章

このレッスンで生徒たちは,伝道に召されるとき,わたしたちは主を代表していること,また「幼子のように」(教義と聖約99:3)福音を受け入れる人々は憐れみを受けることを学びました。またわたしたちが厳粛な心と柔和な心で人々と福音を分かち合うために声をあげるならば,主はわたしたちの言うべきことが分かるように助けてくださり,聖霊がわたしたちの述べることを証してくださることも学びました。また主の前をまっすぐに歩むなら,わたしたちの益となるように万事がともに働くことも分かりました。

第3日(教義と聖約101:1-16

生徒は,ミズーリ州ジャクソン郡から聖徒たちが追放されたことを学習し,生徒は,わたしたちが戒めに背くなら神はわたしたちが苦しむのをそのままにされることを学びました。これは正しい者が経験する試練や困難とは異なります。わたしたちが懲らしめに耐えなければ,聖められることはあり得ないことも学びました。生徒たちは,わたしたちが罪を犯したとしても,主は哀れみを向けてくださることに気づきました。わたしたちは義にかなった生活をするとき,すべての人が主の御手にあるという知識から慰めを得られます。

第4日(教義と聖約101:17-42

このレッスンの一部として,生徒たちは救い主の再臨に備えられる方法について学びました。また,救い主の御名のために迫害に耐え,信仰をもって堪え忍ぶ者は,神の栄光にあずかるという原則を確認しました。さらに生徒は,地の人々が神の祝福を受けるのを助けるためには,わたしたちが罪を悔い改め,へりくだらなければならないことに気づきました。

はじめに

このレッスンでは教義と聖約98章にある,暴徒によって迫害された聖徒たちに主が与えられた指示に焦点を当てています。生徒はこのレッスンで,難しい状況下でどう対応するべきかを理解し,またそれが主の力や思いやりについての証を強めることになるでしょう。

教えるための提案

教義と聖約98章

主,苦難にある聖徒たちに平安を与えられる

クラスが始まる前に,ホワイトボードに次の質問を書いておきます:あなたならどう感じるでしょうか。あなたならどうしますか。

今日のレッスンでは1833年7月にミズーリ州ジャクソン郡に住んでいた聖徒たちが経験した試練や迫害について学ぶことを伝えます。政治的,社会的,経済的,宗教的な違いから聖徒たちに怒りを覚えるミズーリの人たちがいたことを説明します。

一人の生徒に,次の段落を読んでもらいます:

1833年7月20日土曜日,400-500人の怒ったミズーリの住民がミズーリ州インディペンデンスの裁判所に集結しました。彼らは,モルモンへの要求をまとめた文書を作成するための委員会を選出し,今後ジャクソン郡への末日聖徒の入植を禁じ,すでに住んでいる者はできるだけ速やかに退去すると誓約するよう求めました。さらに,教会の新聞の出版を差し止めるよう要求しました。これらの要求を提示されたミズーリの教会指導者たちはとても驚き,オハイオにいる教会指導者とこの提案について検討するために3か月の猶予を求めました。この要求をつきつけたミズーリの住民たちは,教会指導者の懇願を拒みました。そこで聖徒たちは10日欲しいと頼みましたが,返事をするまでに15分の猶予しか与えられませんでした。(『時満ちる時代の教会歴史生徒用資料』第2版〔教会教育システム手引き〕,132-133参照)

クラスを始めるに当たって,まず生徒にホワイトボードの質問に答えてもらいます。

別の一人の生徒に,次の段落を読んでもらいます:

インディペンデンスの裁判所に集まっていたミズーリの住民たちはたちまち暴徒と化し,印刷所と印刷機を破壊することにしました。暴徒たちは印刷所に押し入り,家財を道や庭に放り出し,印刷機を破壊し,活字をばらまき,製本前の『戒めの書』を含むほとんどすべての印刷物を破壊しました。次に暴徒たちは「ギルバートとホイットニーの店」を破壊しようとしましたが,シドニー・ギルバートは暴徒が計画を遂行する前に暴徒に会い,3日以内に荷物をまとめて出て行くと約束しました。(『時満ちる神権時代の教会歴史』133参照)

もう一度,ホワイトボードの質問に答えてもらいましょう。

別の一人の生徒に,次の段落を読んでもらいます:

3日後の7月23日,暴徒がまたミズーリ州ジャクソン郡に現れました。今度は,ライフル銃やピストル,鞭やこん棒で武装していました。暴徒は干草の山と穀物畑に火を放ち,何軒かの家屋や納屋,店を破壊しました。やがて暴徒は,聖徒たちの財産と生命が危険にさらされると判断して,自らの命を身代わりに差し出した6人の教会指導者と対峙しました。しかし,この身代わりの申し出を拒絶した暴徒の主導者らは,郡を出ることに同意しなければすべての男,女,子供を鞭で打つと脅しました。圧力を受けた兄弟たちは,1834年1月1日までに 教会員の半分とほとんどの指導者が,そして残りの会員は1834年4月1日までにジャクソン郡を離れるという同意書に署名しました。ジョン・コリルとシドニー・ギルバートは聖徒たちの土地を売却するための代理人として残ることを許されました。(『時満ちる神権時代の教会歴史』134参照)

もう一度,ホワイトボードの質問に答えてもらいましょう。

一人の生徒に,教義と聖約98章の前書きを読んでもらいます。他の生徒には,聞きながら,この啓示のきっかけとなった事柄を見つけてもらいます。見つけたことを生徒に発表してもらいます。

  • この章の前書きによれば,この啓示が与えられたタイミングはどのような点で卓越していますか。

一人の生徒に,教義と聖約98:1-2を読んでもらいます。他の生徒には,聞きながら,主が聖徒たちに与えられた勧告を見つけてもらいます。(2節「サバオス」とは,ヘブライ語で通常「軍隊」を意味することを説明すると役立つかもしれません。)ここでは,主が天使の軍勢や衆群,イスラエルの軍勢,あるいは聖徒に命じられることを暗に意味しています。(Bible Dictionary, “Sabaoth”参照)

  • 主はどのような勧告を聖徒たちに与えられましたか。(ホワイトボードに生徒の答えを書きます。)

  • 困難のさなかに感謝することは聖徒たちにとってなぜ重要なのでしょう。

  • 忍耐強く主を待ち望むとは,どういう意味だと思いますか。

一人の生徒に,十二使徒定員会のロバート・D・ヘイルズ長老の次の言葉を読んでもらいます。他の生徒には,聞きながら,忍耐強く主を待ち望むとはどういう意味か見つけてもらいます。

画像
〔ロバート・D・ヘイルズ長老の画像〕

「主を待ち望むとはどういう意味でしょうか。聖文では『待つ』とは望む,期待する,信頼するという意味です。主を望み信頼するには,信仰と忍耐,謙遜,柔和,寛容,戒めを守り最後まで堪え忍ぶことが必要です。」(「主を待ち望む—御心が行われますように」『リアホナ』2011年11月,72)

  • ヘイルズ長老の言葉はあなたが忍耐強く主を待ち望むことの意味を理解するのにどう役立ちますか。

  • 忍耐強く主を待ち望むようにという勧告は,ミズーリの聖徒たちにとってなぜ重要だったのでしょうか。

  • 2節で主が聖徒たちに与えられたのはどんな慰めの言葉でしたか。

次の未完成の原則をホワイトボードに書きます:もしすべてのことに感謝し,忍耐強く主を待ち望むならば,_____。

一人の生徒に,教義と聖約98:3を声に出して読んでもらいます。他の生徒には,聞きながら,主がその勧告に従う聖徒に約束されたことを見つけてもらいます。

  • 3節を基にホワイトボードの原則を完成させるには,どのような言葉を補いますか。(例:「もしすべてのことに感謝し,忍耐強く主を待ち望むならば,主は苦難がともに働いてわたしたちの益となるようにしてくださる。」

生徒の知っている,苦難にあっても忍耐強く主を待ち望んで感謝する理由を見いだした人について考えてもらいます。

  • 苦難はその人の人生にどのように益をもたらしましたか。

一人の生徒に,教義と聖約98:18を声に出して読んでもらいます。他の生徒には,聞きながら,忠実な者が受ける祝福を見つけてもらいます。

今日のレッスンの中で話し合われた原則について証を述べ,レッスンを終わります。

次の単元(教義と聖約101:43-101,102-105章

困っている教会員を助けるために何か月もかけて遠い道のりを旅するように主から召されたら,どうこたえるかを想像してもらいます。次の週は,教義と聖約101章の残りの部分と102章から105章を学習する中で,オハイオ州からミズーリ州に仲間の教会員を助けに行くことを申し出た人々について学ぶことを説明します。この隊は「シオンの陣営」として知られています。